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●退屈な救護室

「あー…誰も来ない」
 救護室に戻ってきたスレヴィ・ユシライネン(すれう゛ぃ・ゆしらいねん)はたった数曲聞いただけで疲れ果て、救護室でのんびりしていた。
 興奮冷めやらぬ客が時々休みにくるが、ほとんどは休業状態。
「あぁ…パーティーがはじまったんだなあ」
 楽しげな音楽まで聞こえてきて、少しうずうずするスレヴィ。
 時計だけが止まっているような気だるさに、スレヴィは欠伸をした。
「ふああ〜〜〜…」
「スレヴィさーん!」
 ドアから見えたのは小さな男の子の頭だった。顔だけ出しているのである。
「んー?」
「あのね…差し入れだよ」
 それはルシェールだった。そっとやってきて、お菓子と飲み物とパンを机に置いていく。
「なんで差し入れなんか持ってきたんだい?」
「んー、スレヴィさんが一人で切り盛りしてるって聞いたから」
「開店休業中だよ。人が来ないしね」
「ふう〜ん…誰かに交代してもらえば?」
 ルシェールは笑う。
 スレヴィは肩を竦めた。
「交代する人が居ないんだよ」
 ルシェールはにっこりした。
「じゃぁ、探してくるね」
 そう言うと、誰かを探しに去っていった。