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合コンパーティにバトルにお爺さん孝行!?

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合コンパーティにバトルにお爺さん孝行!?

リアクション

「…あなたがそういうならしてあげてもいいんだけれど、ごめんなさい、もう既に事は開始されてしまったわ」
 そういうと季保はさっと邦彦の手を離して、きびすを返してその場を離れようとした。しかし、その瞬間、季保の手を刀真が取った。
「一曲お相手願えますか? 俺を貴女の引き立て役に選んで頂ければ幸いです」
 と【金剛力】でしっかりと季保の手を掴み、ワルツを踊り出す。
「…あんた、あの時のガキね」
 刀真の顔をしっかりと見つめた季保は、途端に態度を豹変させる。
「俺が傷つけた左目の調子はどうですか?」
「…義眼も悪くないわ。でも、あんたのことは許さない。こんどはあんたの大事なもの全てを奪ってやるわ」
 月夜がギラギラとした眼で季保を睨み付けている。
「あら、慎ましい胸のお嬢さんね!」
 ケタケタっと季保は笑うと
「い、いつかおおきくなるもん!」
「髪も顔も胸も、この私に叶うと思っているの? 可愛そうな娘!」
 そういうと季保は刀真の顎をピンヒールの先で蹴り上げる。
「ぐ!」
「刀真!」
 その瞬間、季保は刀真の手をふりほどき逃げ出す。
 が、いきなり真正面からぐわし! と胸をわしづかみにされる。
 パルフェリア・シオット(ぱるふぇりあ・しおっと)が季保の胸をぐいぐいと揉んできた。
「ふふふふふふ…この素敵なおっぱい…みつけたもん! 羽根 季保!」
「な、なに、この変態!」
「は、羽根 季保さんですよね…ほかの人たちに『胸元を見せて下さい』ってお願いするのは大変でした…」
 北郷 鬱姫(きたごう・うつき)が猫耳+八の字眉+ジト目+上目使いでじっと季保を見つめ、更に胸を揉み始めた。
「キー!!」
 女の子ふたりに胸を揉まれるという状況は意外なほど、季保にダメージを与えたらしい。鬱姫とパルフェリアは趣味と実益、一挙両得というわけだった。
「まったく…パルフェは何を考えておるんじゃ…? ちょっとまてぇい…主まで何をやっておる…! もっとましな方法があるじゃろう…なにも胸部に固執しなくとも…とと、季保を逃すわけにはいかんな!」
 とタルト・タタン(たると・たたん)は季保を羽交い締めし、取り押さえようとする。
「あー!! もう!! いや!」
 季保がタルトの腕を振り払い、鬱姫とパルフェリアもなぎ払うと、胸の爆破スウィッチであるネックレスを押そうとした時だった。
「ああ! すみません!!」
 英虎がわざとケーキをひっくり返し、季保のチャイナドレスに生クリームがべっしゃりと付いてしまった。
「これではいけませんよね。お着替えをされたほうが…」
 さりげなく退場を促そうとする英虎が時間を稼いでいる間に、アルマゲストやほかの生徒達が季保をさりげなく囲い込む。
 当の季保は固まって青筋を立てている。
 そこに正装でパーティ会場の警備に当たっていた緋山 政敏(ひやま・まさとし)リーン・リリィーシア(りーん・りりぃーしあ)が季保にスポットライトを当てる。
「もう逃げらないぜ、羽根 季保!」
 いつもとは違ってスーツでビシッと決めている政敏に、自らもドレスアップしていたリーンはちょっとトキメキを感じていた。
(今日の政敏、格好いいな…)
 周囲がざわめく中、季保とよく似たルックスの女性達が集まって来る。
「季保様!」
 季保の部下だった。
 月夜と刀真は封印の巫女 白花(ふういんのみこ・びゃっか)から【禁猟区】をかけた【銀の飾り鎖】と【百合の頭飾り】をそれぞれ「お守りです」ともらっていた。
 いきなり斬りかかってくる季保の部下たちに、それが威力を発揮し、ひるんだ部下たちを月夜と刀真、邦彦やネルたちが排除しようとする。
 篠宮 悠も懐に忍ばせていた手裏剣を放ち、次々に部下達を倒していく。

 一方瀬良永 梓(せらなが・あずさ)は爆弾が仕掛けられていないかをチェックしていたところ、試合会場を見落としていたことに気がつく。
「試合会場にいる人は外に出て!」と叫ぶ。

 その瞬間だった。いよいよ業を煮やした羽根 季保が、
「うっとうしい!」
 と起動スウィッチを押すと、試合会場が爆破されてしまう。
「キャアア!」
「にげろ!」
 激しい爆破音と衝撃に生徒達は右往左往してしまう。
「落ち着け!」
 幸い、試合会場は一旦休憩に入っていたため、人はほとんどいなかった。
「まだ爆破があるかもしれないぞ!」
 季保のネックレスをネルが思いっきり、引きちぎる。
「何をする!」
「これ以上、邦彦に関わってもらっては困る! 爆破なんてこれ以上させない!」
 ネルと季保、女同士の対決だった。


 そのころ、会場を散策して雰囲気を楽しんでいたアキラ・セイルーン(あきら・せいるーん)は「料理」を守ることに力を注いでいた。
 テーブルを端っこの方に移動させて料理もみんな避難させ、テーブルの下に潜り込むと、一人モグモグ飲み食いしながら観戦している。
「試合があるんだからそれなりに腕の立つヤツラが集まってる事だろう。そいつらに鏖殺寺院の連中の相手は任せておけばいいや。もぐもぐ」

「赫夜さん!」
 理もさすがに目の色を変えて赫夜を探す。