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リアクション
第三章
ぞろぞろとやってくるモヒカン達。観光客、空京の平和のためにバスガイガー達が立ち向かう!
「うわぁ……いっぱいいるねぇ……」
「そうね……」
「ですね」
「大丈夫でしょうか……?」
騎沙良 詩穂(きさら・しほ)の呟きに久世 沙幸(くぜ・さゆき)、姫宮 みこと(ひめみや・みこと)、ユリ・アンジートレイニー(ゆり・あんじーとれいにー)らが同意したように呟く。
「まぁ、このぐらいでないとつまらんじゃろう」
「大丈夫♪ みことはあたしが守るから♪」
「楽しくやろうなのだ」
「そのために練習したのだしな」
そんな四人とは逆にウィンディ・ウィンディ(うぃんでぃ・うぃんでぃ)、早乙女 蘭丸(さおとめ・らんまる)、リリ・スノーウォーカー(りり・すのーうぉーかー)、ララ サーズデイ(らら・さーずでい)の四人はどこか楽しそうである。
「みんな頑張ってね! ボクも盛り上げるからさ!」
その片隅で桐生 円(きりゅう・まどか)はシンセサイザー等の機材のチェックをしていた。
「ヒャッハー! どけどけぇ!」
「来たね! それじゃあスイッチオン!」
円が機材の電源を入れると音楽が流れ始めた。
「えっと……みんな行くよぉ!」
円の音楽にちょっと戸惑ったものの、詩穂の言葉に全員頷く。
「バスガイガーメイクアップ! 志穂、頑張ります!」
「私達もいくよ!」
「うむ、任せておけ」
「まじかるふぉーむちぇんじ☆」
沙幸の掛け声と共に二人が閃光に包まれ、一瞬沙幸の衣服が粒子となり消え去り、魔鎧が再構築される。
「あなたのハートに手裏剣一閃! まじかるくのいち☆さゆきちゃん参上だよ!」
「ボク達もいきましょう蘭丸!」
「うん♪」
「バスガイガーメイクアップ!」
フラッシュと共に服が消え去り、抱きしめあう二人。蘭丸が光と共に返信し、みことの鎧として装着される。
「退魔少女バサラプリンセスみこと、ここに推参!」
「さぁ、ユリ」
「はい! バスガイガーメイクアップ! バスガイガー・ブルーローズ登場!」
「おお……っ!」
その一連の変身をモヒカン達がジッと見入っていた。
「……って、それどこじゃねぇ! 野郎共いくぞ!」
すぐにはっと我に帰り突撃してくるモヒカン達。
「さぁ、赤丸急上昇中! パラミタ魔法少女ランキング二十七位のバスガイガー・ブルーローズ登場なのだ!」
ユリがマイクを手に解説を始める。
「布団がっ、寝込んだのですっ!」
「…………」
ユリの叫びに固まるモヒカン達。リリも顔を引きつりながら解説を始める。
「……か、解説しよう。歌姫であるブルーローズは言霊を操り氷結攻撃を行うのだ。今のは、悲しみの歌と恐れの歌をあわせた技なのだ……多分」
「……ふ、ふざけんなぁ!!」
ただ、怒りを買っただけのようにでモヒカン達が全員襲い掛かってくる。
「ひっ……!」
「待ちたまえ!」
ユリの前に立つ一人の騎士――ララの姿。
「誰だ!」
「私は白薔薇の騎士……。いたいけな少女に暴力を振るうなどこの白薔薇の騎士が許さない!」
加速ブースターを使い、風のようにモヒカン達を殴り倒していく。
「ぐっ! やるじゃねぇか!」
「ふっ……、後は君の力に任せよう。アデュー」
ユリにその言葉を投げかけ去っていくララであった……。
「……は?」
モヒカン達はぽかんとしている。
「さぁ、ワタシの必殺技を食らうのです!」
ユリの言葉に慌てて身構えるモヒカン達。
「ブルーローズ、スパーク・フラッシュ!」
光条兵器である翼を広げ発光させる。
「うおっ! まぶしっ!」
だが、それだけだった。モヒカン達も自分の身体に異常がないか確認しているが特に何もないと分かり、さらに怒りのボルテージが上がっていく。
「……そんなコントに付き合ってるほど暇じゃねぇんだよぉぉぉぉぉぉ!!!」
怒涛の勢いで迫ってくるモヒカン達。
「ど、どうしましょう!?」
慌てふためくユリ。
「ぐふっ……!」
そのとき迫り来るモヒカン達が次々と倒れていく。
「大丈夫ですか?」
そこには武器であり乗り物でもある巨大注射器――レティ・インジェクターを操るみことの姿があった。
「ありがとうですみことさん……」
「強力な睡眠薬の前に相手はイチコロです。さぁ、どんどんいきますよ」
未だに迫ってくるモヒカン達にレティ・インジェクターを刺していくみこと。
「どうしました? その程度ですか?」
「ちっ……び、びびるな! いくぞ!」
向かってくるモヒカンを全て返り討ちにしていくみことだった。
「さぁ、かかってきなさい♪」
「この程度、まだまだだね!」
一方、詩穂達も着実にモヒカン達を掃討していた。
「くそっ! おめぇらガンガンいく――」
「バババッバババッ バスガイガー♪」
モヒカンの声を遮ったのは音楽を流しつつノリノリで歌っている円だった。遮られたモヒカンは武器を下ろし円の方へ向かう。
「おい……おまえ――」
「あっ、ボクの事は空気だと思って構わないんで続けて」
「そ、そうか……じゃあ、そういうことなら」
律儀なモヒカンである。円にそういわれて先ほどの位置へと戻る。そして、コホンと軽く咳払い。
「おめぇら! ガンガン――」
「安全! 情熱! 勇気! ビューティフォー! 誕生!」
そして、再び遮られるモヒカン。黙って円の方へ。
「だからおま――」
「情け無用の聖服機甲! ぼくらのバスガイド!」
「きけ――」
「バッバッバッバッバスガイガー♪」
「うおおぉぉぉぉぉ!! 遮るんじゃねぇよぉぉぉぉぉ!!」
モヒカンが涙目になりながら円に血煙爪を振るう。
「うわっ! 危ないなぁ」
円はすぐさまそれを回避。
「だからボクの事は空気って――」
「俺の台詞ばかり遮るんじゃねぇよぉぉぉぉ!!」
もはや心の叫び。しっちゃかめっちゃかに血煙爪を振り回すモヒカン。
「えいっ♪」
ガンッと鈍い音の後にモヒカンが倒れる。その後ろには杖を持つ志穂の姿。
「ありがとー♪」
「気にしないで。今みたいな感じでよろしく♪」
「オッケー♪」
詩穂の言葉に円が再びノリノリで歌を歌い始める。先ほどと同じように涙目モヒカン生産されそれを志穂が殴っていくという謎の連携が生まれていた。
「これじゃあキリ無いよー!」
沙幸はばったばったとモヒカンを倒しつつ叫ぶ。
「何か良い案はある?」
志穂の言葉にウィンクで返す沙幸。
「もっちろん! 敵を集めて欲しいの。できるかな?」
「任せて♪ はーい! モヒカンの皆さんちゅうもーく♪」
詩穂が叫ぶとモヒカン達が何事かと志穂のほうを向く。
「モヒカンの皆さんに取っておき情報♪」
「そんなの知るかぁ!!」
詩穂の言葉を無視して突っ込んでくるモヒカン。
「実は詩穂……。ぱんつはいてないんです♪」
詩穂の言葉にモヒカン達に衝撃が走る。攻撃がピタリと止まる。
「なんだと! ぜひ見せてくれ!」
「おいおい! 俺が先だ!」
「何いってやがる! 俺が先だよ!」
今度は違う意味で突っ込んでくるモヒカン。
「沙幸ちゃんー。集めたよー」
「うん! ありがとー。」
そして詩穂は集まってきたモヒカン達にウィンク一つ。
「残念♪ ヒラリはないんだ♪」
「な、なんだってー!」
「それじゃあ、いっくよー! ひっさつ! まじかる☆火遁の術!」
残念がるモヒカン達を沙幸の必殺技が容赦なく焼き払っていく。
「どうみてもファイア――ぎゃぁぁぁぁ!」
何かを言いかけたモヒカンを優先的に燃やす沙幸。
「それは言わないお約束♪」
こうしてすばらしい? 連携でモヒカン達を一掃するのだった
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