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パンツ四天王は誰だ?

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パンツ四天王は誰だ?

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    ★    ★    ★
 
「さあ、パンツ四天王争奪戦もそろそろ中盤にさしかかって参りました。空京の至る所に、パンツを失って瀕死となったPモヒカンたちや、不幸にも巻き込まれた通行人たちが倒れています。
「おらおらおら、かかってこいや。貴様ら、それでも四天王を目指す者かぁ! 準備運動にもなりゃしねえぞ」
 夢野 久(ゆめの・ひさし)があたるを幸いに、周囲の女の子たちのスカートをめくっているPモヒカンたちを殴り飛ばしていました。さすがに雑魚相手ではほぼ無敵です。
「貴様らの、四天王になりたいという野心はその程度かぁ」
 夢野久の通った後には、破れたPモヒカンたちが死屍累々と倒れていました。
「ふふふふ、大漁だぁ」
 その後ろをちょこまかと動き回りながら、別名象牙の書エイボンの書がPモヒカンたちの頭からパンツを剥ぎ取って止めをさしていっています。
「ああ、エイン、すばらしく不憫な変態よ……」
 さらに後ろで、エレクトリック・オーヴァーナイトが生暖かく見守ります。
「そこの女、おとなしくパンツを脱げ!」
 大変です、エレクトリック・オーヴァーナイトがPモヒカンの一人に目をつけられてしまいました。
「きゃっ、エイン、エイン、こっちにすっごいパンツがあるわよ」
「わーい」
 エレクトリック・オーヴァーナイトの声に反応して、別名象牙の書エイボンの書がすっ飛んでやってきます。そのまま、ジャンプ一番、Pモヒカンの被っていたパンツを剥ぎ取りました。
「あぎゃあああ、俺様のパンツが……」
 パンツを取られたPモヒカンがばったりと倒れます。
「ふあ、ほおりっふ、ふぁんふひょーほらい」
 戦利品のパンツをはむはむしながら、別名象牙の書エイボンの書がエレクトリック・オーヴァーナイトに言いました。
「えっ、ちょ、ちょっと、私のは関係ない……」
「ううん、それも集めるんだもん」
「嫌ー!」
 容赦のない別名象牙の書エイボンの書から、エレクトリック・オーヴァーナイトはあわてて逃げだしていきました。
「みんな、いいかげんにしない。パンツパンツって、パンツは、その穿いている人のためのパンツなのです。人のパンツを奪うなんてことは、パンツが許しても、このストレイ☆ソアが許しません」
「御主人、パンツパンツって……。俺様はそんな子に育てた覚えはないぞ」
 啖呵を切るソア・ウェンボリス(そあ・うぇんぼりす)の後ろで、雪国 ベア(ゆきぐに・べあ)が思わずパンケチで目頭を拭いました。
「育てられた覚えもありません。ああっ、もう、恥ずかしい!」
 なんだか急に恥ずかしくなって、ソア・ウェンボリスが顔を真っ赤にしました。
「さあ、変身だよ」
 足許で、ぬいぐるみ妖精が変身を急かします。なんだか嫌な感じもしますが、このままというわけにもいきません。
「変身、ストレイ☆ソア!」
 ステッキを突きあげて、ソア・ウェンボリスが叫びました。その衣装が光につつまれたかと思うと、いったん千々に弾け飛んでソア・ウェンボリスがすっぽんぽんになりました。白いパンツも粉々です。けれども、すぐに光に溶けた衣服が再構成されて魔法少女コスチュームとなって、再びソア・ウェンボリスの身体をつつむべく戻ってきます。
 そのときでした。
「ぱくーん」
 淡いピンクに変化したソア・ウェンボリスのパンツを、突然走ってきた尾瀬皆無が、口でキャッチしました。
「パンツゲットだぜ!」
 そのまま、尾瀬皆無は走って逃げて行きます。
「待ちやがれ、アホ悪魔!」
 それを、狩生乱世が凄い勢いで追いかけていきました。
「えっ、あの、ちょ、ちょっとぉ!?」
 光が消えて変身完了したソア・ウェンボリスが、スースーするスカートをあわてて押さえながら叫びました。スカートの下にパニエがあるといってもこれはやばいです。
「ああ、君の本体が連れ去られていく……」
「私の本体はパンツじゃありません!」
 足許で変なことを言うぬいぐるみ妖精を、ソア・ウェンボリスはきっと睨みました。
「ふふふっ、やっぱり、パンツなんかより、肝心なのは中身の方よねえ」
 ニマニマしながら、ルルール・ルルルルル(るるーる・るるるるる)がジーッとソア・ウェンボリスを見つめます。
「なるほど、これはこれで……」
 いつの間にか隣に立っていた藤原千方までもが、じっと見つめます。
「じーっ……」
「嫌ぁ!」
「待て、それ以上御主人を辱めるまねは、この俺様が許さないぜ」
 悲鳴をあげるソア・ウェンボリスの前に、雪国ベアが立ちました。
「ベア……」
「さあ、御主人、俺様が盾になっているうちにこれを……」
 ちょっと感激するソア・ウェンボリスに、雪国ベアが口の中から何かをデローンと取り出しました。
「何、これは?」
「俺様が穿いていたパンツだ。脱ぎたてだが、気にすることはねえぜ……うぼあ!?」
「穿けますかぁ!!」
 着ぐるみの中で穿いていたらしい紫のビキニパンツごと雪国ベアがソア・ウェンボリスのアッパーカットで吹っ飛ばされます。
「おおっ」
 しゃがみ込んで鑑賞していた、ルルール・ルルルルルと藤原千方が拍手しました。
「あうううっっっ」
 しまったという感じに、ソア・ウェンボリスが遅ればせにあわててスカートを押さえました。
「あっ、あれは……」
 倒れている雪国ベアのポケットからのぞいている物に気づいて、ソア・ウェンボリスが急いでそれを拾いあげました。かがめないので、なんとも変な拾い方になります。
 それはパンケチでした。背に腹は代えられません。ソア・ウェンボリスは、急いでそれを穿きました。
「おお、生着替えだわ」
「おお、これはこれで……」
 堪能したルルール・ルルルルルと藤原千方が拍手します。
「あなたたち……。星よ、我が願いに応え給え!
「うきゃあ!」
 さすがに怒り心頭に発したソア・ウェンボリスのシューティングスターで、ルルール・ルルルルルと藤原千方が吹っ飛ばされていきました。