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パンツ四天王は誰だ?

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パンツ四天王は誰だ?

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    ★    ★    ★
 
「さあ、かかってきやがれ」
「ううっ、むさいおっさんのパンツには用がないってのに」
 夢野久に行く手を遮られて、快進撃?を続けていた尾瀬皆無が困っていました。
「よう、取引といこうじゃねえか。どうだ、これがほしくねえか?」
 そう言うと、尾瀬皆無が、両端を結んで作ったパンツのロープをぴろーんと広げて見せました。もちろん、そのほとんどは狩生乱世の物です。
「そ、そんな物に動揺はしない!」
 いえ、思いっきり動揺しています。
「今だ! 俺様のパンツを食らえ!」
 いや、それはパンツを拳に巻いたパンチです。もうパンツなのかパンチなのかよく分かりませんが、尾瀬皆無の煩悩を乗せたパンチは夢野久を吹っ飛ばしました。
「馬鹿な、これほど重いパンチを放てる奴とは……」
 どうやら、夢野久の四天王を倒すという思いよりも、尾瀬皆無のパンツに対する思いの方が万倍も大きかったようです。ほんとか?
「今のうちだ」
 すかさず逃げようとした尾瀬皆無でしたが、その頭上に何かが降ってきました。
「ひゃあぁぁぁ……」
「えっ!?」
 シューティングスターでお星様になりかけたルルール・ルルルルルです。みごと、振り返った尾瀬皆無に命中しました。
「むぎゅっ」
 顔をルルール・ルルルルルのお尻の下敷きにされて、尾瀬皆無が気絶します。尾瀬皆無が持っていたパンツが宙に放り投げられ、風にさらわれていきます。反動でポーンと跳ねたルルール・ルルルルルが、なんとか立ちあがったところの夢野久の腕の中に落ちてきました。
「な、なんだ? いったい何をしてたんだ、お前!?」
 はからずも、ルルール・ルルルルルをお姫様だっこする形になった夢野久が驚いて訊ねました。
「うーんと、ちょっとパンツの中身鑑賞してたらやられちゃって」
 夢野久の首筋に腕を回してしがみつきながら、ルルール・ルルルルルが言いました。
「そのままやられてればよかったのに……」
「何よ、それひどくない。久だって、今やられてたんじゃなかったの。パンツに負けたんでしょ」
「俺は……」
 もしかして、パンツごときの煩悩に負けたのかと、今さら気づいて夢野久は呆然と立ちすくみました。遅すぎます。
 ルルール・ルルルルルが、固まってしまった夢野久をツンツンとつついてみたが反応がありません。
「まっ、いいか……」
 夢野久にだきかかえられたまま、ルルール・ルルルルルがつぶやきました。
「つつつつつ、いったい何が……」
 やっと意識を取り戻した尾瀬皆無が立ちあがろうとして、いきなり狩生乱世に踏みつけられました。
「ふふふ、やっとつかまえたぜ」
「えっと……。許して?」
「だめだ!!」
 そのまま、尾瀬皆無はゲシゲシと踏みしだかれていきました。
 
    ★    ★    ★
 
「うおおおお、パンツの雨だぜ。奇跡だ!」
 風に運ばれて降ってきたパンツに、Pモヒカンが我先にと争奪戦を始めました。
「いったい、何がどうなっているの?」
 空京デパートでおニューのレース製の黒いビスチェとショーツを買ってきた宇都宮 祥子(うつのみや・さちこ)が、頭上から降ってきたパンツを見て目を白黒させました。直後に、Pモヒカンたちが怒濤のごとくやってきて、いきなり突き飛ばされてもみくちゃにされます。まるで、満員電車のようです。
「いったあい、何するのよ!」
 我先にパンツを拾い集めているPモヒカンたちにむかって、宇都宮祥子が怒鳴りました。
 みると、買ってきたばかりの下着が、袋から半分飛び出して道の上に転がっています。
「おお、ここにもパンツが落ちているぞ」
 黒のショーツと共に、紐パンを見つけてPモヒカンが拾いあげました。
「そ、それって、さっきまで穿いてた私の……!」
 スースーする股間をスカートの上からあわてて押さえて、宇都宮祥子が叫びました。どうやら、もみくちゃにされているときに解けてしまったようです。
「おお、脱ぎたてだあ」
 Pモヒカンたちが盛りあがります。
「嫌、これ以上変なことしないで」
「ん、あいつ、今穿いてないのか?」
「穿いてないんじゃね?」
「なんだ、穿いてないのか」
「ふっ」
 なんだか知りませんが、哀れみのこもった目で一瞥した後、Pモヒカンたちは揃って肩をすくめてやれやれという顔をしました。そして、すぐにパンツ争奪戦に戻っていきます。まるで、パンツを穿いていない宇都宮祥子になど価値なしという感じです。
「貴様らぁ、私はパンツ以下か……」
 ぷちんと、宇都宮祥子の中で何かが切れたようです。ポンと蹂躙飛空艇に飛び乗ると、Pモヒカンたちをレーザーキャノンで攻撃し始めました。風でスカートの裾がはためいてお尻がときどき丸出しになるのもお構いなしです。
「全て灰となれえ!!」
 とりあえず、見られたとしても、抹殺してしまえば問題は無いようでした。