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第二章

 はじめに到着したお客様は、滝宮 沙織(たきのみや・さおり)
「温泉! 温泉といったら温泉! もうこれは、あたし、温泉入るしかないよね! 全力全開で温泉入る!」
 マーガレットは、意気込む沙織に嬉しそうに話しかけながら、第二露天風呂に案内した。
「ねぇねぇ! おじょーさん、どこから来た人? パラミタ? 地球!? 何時までいられるの?」
 二番目に到着したのは、レキ・フォートアウフ(れき・ふぉーとあうふ)ミア・マハ(みあ・まは)
「お、お泊りになる、かっ、かまくらまで、ご、ご案内させて頂きますっ!!」
 と、レキとミアの荷物を持って、雪の上を歩き始めたリースだったが……、
「あ、あれ?」
 その足取りが、フラフラと怪しい。
「こ、このまま転んだら、お客様のお荷物が、雪の上へ……」
 ハラハラしているところに、追いかけてきた隆元が、半分以上の荷物を引き受けた。
「ご、ごめんなさい……」
「小娘達が仕事を失敗をしたせいで、マホロバの老舗の温泉旅館の地祇であるわしの顔に、泥を塗られたくはないのでな!」
 そう言って、スタスタと雪の上を歩いて行く隆元が、小声で付け加える。
「……べ、別に、わしの旅館におる両親に先立たれた17歳の若女将を思い出して、風船屋の女将の力になりたい、と思った訳ではないぞッ!」
 かまくらに荷物を置いて、一行は温泉へ。
 ミアが、何事かをリースに耳打ちする。
「か、かしこまりました!」
「何?」
「後のお楽しみじゃよ」
 尋ねるレキに、ミアは、そう答えて微笑み返した。
 続いて到着した健闘 勇刃(けんとう・ゆうじん)コルフィス・アースフィールド(こるふぃす・あーすふぃーるど)天鐘 咲夜(あまがね・さきや)枸橘 茨(からたち・いばら)の一行を、戻ってきたマーガレットが、再び、第二露天風呂に案内する。勇刃、コルフィスは男湯、咲夜、茨は女湯へ。
 穏やかに暮れるかまくらお宿に、ちらちらと柔らかな雪が舞いはじめた。