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爆弾と危険なお空の旅!

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第2章 小さなたくさんの危険

 雅羅達の居た客室の2つ隣の客室43号室では、神崎 荒神(かんざき・こうじん)が今かとタイミングを狙っていた。
 43号室に居た鏖殺寺院はたった2人しか居なかった。
「吹き矢いけるか?」
 荒神は【快適なお空の旅をと描かれたパンフレット数冊】と【爪楊枝4本】を蒼魔 綾(そうま・あや)に渡す。
 綾は無言で頷き、パンフレット1冊と爪楊枝を1本手に取る。
 器用な手つきで爪楊枝に、紙製の羽をつけると鏖殺寺院の1人に向けて放つ。
 だが、爪楊枝は刺さらずに跳ね返ってしまう。
「何だっ!?」
「っと、悪いね〜、ちょっと手元が狂ってそちらに飛んで言ってしまったみたいでさ」
 愛想笑いをしながら地面に落ちた爪楊枝を素早く湯浅 忍(ゆあさ・しのぶ)は回収した。
「た、助かった……」
 その様子を見て荒神は安堵のため息をつく。
 忍がなにやら指先を、荒神足下を一生懸命差していた。
 そこには見覚えのない黒いトランクのような箱があった。
「……爆弾か」
 ひとまず、荒神は2人を倒す事だけを考えた。
 結果、荒神と綾は立ち上がった。
「綾、いくぞ」
「うん!!」
 鏖殺寺院達は荒神へと銃を何発も放つ。
 その中で荒神は姿勢を低くしながらも客席の合間をくくり抜けた。
「ほらっ!」
 荒神が突然投げたのは銀色のフォーク二本だった。
「ありがと! えいっ」
 フォークを受け取った綾は客室の後方へと走りながらフォークを鏖殺寺院二人へと向かって瞬時にスナイプした。
 見事に鏖殺寺院の手にささり、銃を全部落とす。
「獲物でござる」
 その銃をすかさず、ロビーナ・ディーレイ(ろびーな・でぃーれい)は拾い、忍と荒神に投げた。
「ん、うまいこといったもんだねえこりゃ。さて爆弾解除しますか」
 忍は客席から立つと黒いトランクに向かった。
 その間にも客室の入り口から、発砲音が聞こえてくる。
 何人かやってきた鏖殺寺院をロビーナはとラッパーなどで応対していた。
 忍は爆弾を解体し始める。
「ありゃ……おもったより簡単な仕組みだけど、赤か白の線どちらかわからないねえこれだと」
 忍は少し悩むそぶりをしたかと思うと勢いよく手を赤い線へとのばした。
 その表情には、不思議なことに楽しむかのように笑みが浮かんでいた。
「丁が出るかな半がでるかなー」
 勢いよく音を立てて引き抜く。
「……」
 荒神、綾の二人がその様子を遠くから見守っていたが、何も起きなかった。
「よしっ、解除成功だ」
「最後は、影だったでござるな?」
「おう!」
 ロビーナの言葉に忍は笑いながら大きく頷いた。
 43号室の爆弾は無事に全部解除出来たようだった。