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第十三章 番組の行方

 ともあれ。

 そんな感じで、全ての作品の撮影が終わった数日後。

「……で? ドキュメンタリー枠ってのはどういうことだ?」
 常春の言葉に、彼に付き従っていた側近の副野はこう答えた。
「率直に申し上げて、ドラマとしてはいささか粗い、ということです。
 それよりは、産学連携・パラミタとの協力といった辺りを前面に押し出し、メイキングも含めて放送した方が反響が期待できるという判断です」
「……ったってよォ。メイキングなんて」
「ああ、もちろん最初からちゃんとカメラは回してあります。すでに編集もほぼ済んでいますし、ナレーションの原稿も上がっています」
 あまりにも手際のよすぎる副野の働きに、さすがの常春も絶句する。
 そして、それは他のほとんどの――一人を除く企画参加者たちにとってもまさに予想外の展開であった。

 実はただ一人、ダリルだけはこのことを事前に知っていた。
 スポンサー探しなども手伝おうとしたダリルが、相手の不自然な反応に疑問を抱いていたところ、その動きを察知した副野が「誰にも言わない」という条件で真相を話してくれていたのである。
 つまり、最初からドラマ単体での勝負は考えておらず、「時代劇復活を目指す動き」そのものを番組のテーマにする予定なのだ、と。
「なるほど。お坊ちゃんがここまで大失敗をせずに済んでいたのは有能なお目付役がいたからか」
 ダリルの言葉に、副野は返事の代わりににこやかな笑みを返した。

 そして実際、彼の思惑通りに、四週に渡って放映されたこの番組は、それなりの評価と反響を得たのであった。

担当マスターより

▼担当マスター

三刀屋一馬

▼マスターコメント

 三刀屋一馬と申します。
 この度は私の担当シナリオにご参加くださいまして、誠にありがとうございました。

 ……いやはや、何と申し上げたらよいか。
 一ヶ月以上もお待たせしてしまい、本当に申し訳ございません。
 せめて、少しでも「待っただけの甲斐はあった」と思っていただければ幸いでございます。

 今回もいつものごとくリアクションがかなり長くなってしまいましたが、今回もなるべく多くのアクションを使わせていただこうと思ったが故の結果、ということでお許しいただければと思います。