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第五章 帰還

 「これから……どうするの?」
「村には居られませんから……どこか別の場所へと移ろうと思います。一人ではありませんから……」
 ハンスは隣のファミリアの手を握った。
「また何処かで……お会いしましょう」

 瞬きをするかしないかどうかのほんの僅かな時間。
 彼等は街道へと再び舞い戻っていた。
「帰ってきたか?」
 涼司が街道にて彼らを待っていた。
「……ただいま」
 皆を労う涼司にそっと視線を送り、加夜もまた傍へと向かうのだった。

 「寒かったぁ」
 此方の世界に戻ったルカは気温の違いに身震いした。
「ホットコーヒーでも淹れるか?」
「私、キャラメルマキアートね!」
「アニス、ココア飲みたい!」
「……俺は、普通のホットコーヒーで頼む」
 和輝とアニスがちゃっかり隣に座っている。
「俺は苦味たっぷりのアメリカンでな」
 戦闘員を含めたハデス一行がその後ろで列を作っていた。
「お前ら……」
「僕は……手伝いますよ」
 不思議なところから茶器を北都は取り出した。
「俺はアールグレイを頼めるかな?」
「ええ……お任せ下さい」
 エースのオーダーにそつなく応える。
「あ、あたいは緑茶ね」
「そちらは僕がやりましょう」
 一寿がマリリンの要望に応えるように新たに火を起こす。
「俺も同じ物を頼む」
 ローグはマリリンの隣へ座った。

 「帰るわよ、セレアナ」
「そうね。ゆっくりと身体を休めたいわ」
 シャーレットとセレアナは手を繋ぎ帰路についた。

 「香菜……帰るぞ……」
「うん」
「くたばれ、キロス!」
「あ?」
 キロスが振り向いたとき、既に足の裏が其処にあった。
「うごぉ!」
 フェイのドロップキックが炸裂!もんどりうって、河原へと転げ落ちていく。
「……え?」
「ああ、すっきりした。それじゃあね、夏來!」
「あ……うん」
 キロスが動かなくなるのを見ると、フェイ満足そうに駆け出した。
「ひでーな、フェイのやつ」
 哀れみの目で某はキロスを見下ろした。
「一応フェイには言っておくが……じゃあな、夏來!」
「はい、また」

 「香菜ちゃん」
 今度は柚が香菜に抱きついてくる。
「じゃ、また学園でね!」
「……うん」
 柚は海を見つけると、其方に駆ける。
「……良いのか?」
「また明日話そうと思うんだ」

 のびるキロスの頬にそっと触れる。
「みのり、帰るよ!」
 ジェフェリアの方を見ると、こちらに手を振っている。
「また……明日……」
 

担当マスターより

▼担当マスター

村野憂規

▼マスターコメント

 こんにちは。村野 憂規です。ノーマルシナリオ『彼女は氷の中に眠る』に参加して頂き、ありがとうございました。
 長い時間お待たせしてしまい、申し訳ありません。
 寒い冬の出会い、名残惜しい別れを少しでも感じて頂けたらと思います。
 お疲れ様でした。
 皆様、これからも宜しく御願い致します。
 御参加頂き、ありがとうございました。

▼マスター個別コメント