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第2回新ジェイダス杯

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第2回新ジェイダス杯

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 続くエントリーナンバー15、真名美・西園寺(まなみ・さいおんじ)選手。空飛ぶ箒スパロウに乗っての参加です』
『それでは、意気込みを聞いてみたいと思いますう』
『はい、完走目指して頑張ります。それから、当社、ウェストガーデン会計事務所は、タシガンに拠点を置く会計事務所です。日頃煩わしいと思っている皆様の業務をお手伝いし、お役に立つことを考えております。ウェストガーデン経理事務所です。いつも貴方の隣で、お手伝いをしたい。そして、お客様の笑顔を護りたい。ウェストガーデン経理事務所は、会計のプロフェッショナルとして、貴方のお手伝いをさせてください。連絡先は、タシガン……』
『は、はーい、ありがとうございましたあ。放送席にマイクを……』
『ま、まだ、言いたいことがあ!』
『お返ししますう!』
 真名美・西園寺にマイクを取られそうになって、大谷文美が叫んだ。
 観客席からは、ウェストガーデン経理事務所の垂れ幕を掲げた丁稚たちが声援を送った。
『はい、ありがとうございました。続いて、エントリーナンバー16、クリストファー・モーガン(くりすとふぁー・もーがん)選手。水雷龍ハイドロルクスブレードドラゴンという高速の乗り物に乗っての参戦です』
『ジェイダス様の名を冠す以上は、薔薇の学舎学生として無様なところは見せられない!』
『気合いが入ってます。エントリーナンバー17は、クリスティー・モーガン(くりすてぃー・もーがん)選手です。こちらは、小型飛空艇オイレで臨みます』
『今度こそ、優勝を勝ち取るよ!』
『さて、エントリーナンバー18は、ノーン・クリスタリア選手です。水雷龍ハイドロルクスブレードドラゴンでの参戦です。
 続くエントリーナンバー19、御神楽舞花選手。高速型の小型飛空艇ヘリファルテで参戦です。
 エントリーナンバー20は、エリシア・ボック選手。さらに高速の空飛ぶ箒シュヴァルベで参戦です』
「みなさま、さあ、行きますわよ。揃って、123フィニッシュですわ!」
 やる気まんまんのエリシア・ボックが、ノーン・クリスタリアと御神楽舞花に声をかけた。
『さあ、エントリーナンバー21、天城一輝選手です。前回大会の優勝者、今回の本命となっております。愛機は小型飛空艇アラウダ。ただ、やや調整不足気味なのが不安要素か。
 続いては、エントリーナンバー22、ジャジラッド・ボゴル選手です。アダムスキーの戦輪に自らの身体を固定しての参加となります。文字通り、鉄砲玉となれるか』
『この戦い、我が恐竜騎士団が制し、勝利の栄冠を帝国へと捧げよう』
 高らかにジャジラッド・ボゴルが宣言するが、観客の一部からはブーイングがあがる。それを無視すると、ジャジラッド・ボゴルは、エステル・シャンフロウたちのいるエリュシオン帝国の貴賓席にむかって一礼した。
『おや、意外と礼儀正しいようです。今ひとつ評判の悪い恐竜騎士団ですが、はたして、完走できるのでしょうか』
「ふっ、今回も帰還できるのは、俺一人になりそうだな
 感想という言葉を聞いて、ジャジラッド・ボゴルがつぶやいた。何か、秘策でもあるのだろうか。
『続いて、エントリーナンバー23、天貴 彩羽(あまむち・あやは)選手です。パートナーである龍砲 天羽々矢(りゅうほう・あめのはばや)選手にパシュパティの鞍をつけての参加となります』
「天羽々矢、気合いれていくわよ」
「まー、まろに任せておくのじゃな。今回は特別に背に乗ることを許してやろう」
 まだ完成してから日が浅いにもかかわらず、龍砲天羽々矢がちょっと偉そうに天貴彩羽に言った。天貴彩羽としては、ここで優勝して、シャンバラ政府の印象を少しでもよくしておこうという腹づもりなのだが、はたしてうまくいくだろうか。
『エントリーナンバー24、源 鉄心(みなもと・てっしん)選手。スレイプニルに乗っての参戦です。かなりの速度が見込まれます』
「出るからには勝つ。お前も、名前負けしないように気合入れてくれよ」
 源鉄心が、スレイプニルの首筋をポンポンと叩いた。
 まあ、息抜きのようなものなのだからと、気合いを入れつつも気張りすぎないようにしている源鉄心だったが、パートナーの二人は違っていた。
『エントリーナンバー25、ティー・ティー(てぃー・てぃー)選手。ワイルドペガサス・グランツのレガートさんに乗っての参加です』
『うさぎがレースに負ける話なんて、聞いたことないうさぁ』
 うさみみ&うさしっぽピコピコさせながら、ティー・ティーが元気よく言った。とはいえ、亀は参加していないと思うのだが。
『エントリーナンバー26、イコナ・ユア・クックブック(いこな・ゆあくっくぶっく)選手です。こちらは、炎雷龍スパーキングブレードドラゴンのサラダさんに乗っての参加です。こちらも、ペガサスに負けないスピードを誇っています』
「サラダ……分かっていますわね? あの駄うさぎにだけは、負けてはいけませんわよ」
 ネコみみ&ネコしっぽピンと立ててイコナ・ユア・クックブックがちょっとサラダを脅迫する。
「負けたら、ドレッシングまみれの刑ですの!」
 それを聞いて、サラダがびくびくと震えた。
『エントリーナンバー27、コア・ハーティオン(こあ・はーてぃおん)選手とラブ・リトル(らぶ・りとる)選手です。フレイムブースターと合体したコア・ハーティオン選手に、ラブ・リトル選手が乗っかります
「障害物レースだなんて、聞いてなかったよ〜。ダンスとか歌合戦だったら、あたしが出るのにね〜。というわけで、後は任せたわよ、ハーティオン」
 <<障害物レース開催! 大空を舞う戦士たち! の巻>>と書かれた看板を持ったラブ・リトルが、コア・ハーティオンの上に乗っかりながら言った。
「よし、任されよう。ラブが参加申請したとはいえ、参加する以上は全力を尽くす。行くぞ、フレームブースター!」
 コア・ハーティオンが、背中に取りつけたフレームブースターの調子を確かめながら言った。
『続いて、エントリーナンバー28、ペルセポネ・エレウシス選手と、ヘスティア・ウルカヌス選手。あれ? お二人とも別々ですが、一組でいいんですか? ペルセポネ・エレウシス選手は、機晶姫の飛行能力で、ヘスティア・ウルカヌス選手は機晶姫用フライトユニットで参戦するようです。
 さあ、エントリーナンバー29、葛城吹雪選手。DS級空飛ぶ円盤での参戦です』
『ふふふ、このレースに優勝したら、伊勢を大改造するであります』
 思い切り、死亡フラグを立てる葛城吹雪であった。
『エントリーナンバー30、小ババ様選手。小ババ様イコンに乗っての参戦です。イコンですが、実質イコプラなので許可されています。コンテナユニットを連結したイコンには、マニピュレータなど各種兵装が積まれているそうです。
 エントリーナンバー31、神戸紗千選手。いつもの痛飛空艇での参戦です。
 さあ、いよいよ最後の選手となりました。フレロビ・マイトナー選手とニルス・マイトナー選手です。小型飛空艇に二人乗りでの参戦です』
「二人共ー、頑張ってくださいねー」
 観客席から、エステル・シャンフロウが声援を送る。
『では、開催にあたり、ジェイダス様から一言いただきましょう』
 シャレード・ムーンが、隣にいるヤングジェイダスにマイクを渡した。
『今日は、ジェイダス杯によく集まってくれた。昨今、パラミタを巡る情勢は厳しいものがある。それは、ここエリュシオン帝国も例外ではない。だが、今はしばしそれを忘れようではないか。これから、選手の者たちは、様々な障害を乗り越えてゴールする。それは、必ずや見る者に不屈の闘志と希望を与えてくれよう。私は、ゴールで待っている』
『ありがとうございました。それでは、いよいよジェイダス杯スタートです!』