リアクション
◇ ◇ ◇ 「これから行うのは空戦だ。教導団の誇りにかけて勝たねばならん。空挺部隊の誇りを見せつけるぞ。最悪……機体を特攻しろ。総員、脱出装備確認せよ! ……出撃!」 相沢 洋(あいざわ・ひろし)がチーム全体に激を飛ばし、出撃する。 「作戦開始! 正子・マレーナ頼むぞ!」 装甲戦闘指揮飛空艇【コマンデーアティーガー】に乗り込み、洋が指示を出す。 それを受け、正子は小型飛空挺で、マレーナは空飛ぶ箒で正面から突撃していく。 ◇ ◇ ◇ 人も飛行生物もいないような高度から下方の動きを見ているスフィア・ホーク(すふぃあ・ほーく)が偵察している。 双方の位置分布と飛行生物の動向も観測していく。 『東軍、正面から大将2名が突撃。飛行竜・正面をカモフラージュに左右へ分かれる動きアリ。恐らく両サイドから奇襲をかけると思われる』 『了解』 偵察して得たデータを蓄積していくことで行動予測を立てると、スフィアより上空にいる佐野 和輝(さの・かずき)へテレパシーで伝えていく。 それを受け取る場所は生身での限界高度ギリギリで滞空している場所で、空飛ぶ箒ファルケに乗ったアニス・パラス(あにす・ぱらす)がグラビティコントロールで中和している。 アニスの箒の後方では、和輝が今しがた受け取った情報を味方の洋にテレパシーで伝えていた。 『こちら管制。12時の方向から大将2名が突撃。3時と9時の方向から100秒後に接敵予定』 『了解』 テレパシー通信を切り、和輝はディメンションサイトで、アニスはディテクトエビルで周辺警戒に戻る。 <和輝〜ここ酸素薄いねー> <そうだな。でも、油断大敵だぞ> <分かってるよー> 空気が薄い為、ここでの会話は精神感応になる。 周辺警戒しつつスフィアからの情報を受け取り、情報分別をした後、必要な情報を洋に渡していく和輝であった。 ◇ ◇ ◇ 和輝から受けた情報により、洋は戦闘態勢の指示を出す。 「総員、空対空戦闘開始! 行くぞ……新たに手に入れたる力を見せてやる」 「あそこにいるのは人修羅だろ? 俺に行かせてくれよ」 「自分も向こうの戦力を減らす為にも、強敵である馬場校長を仕留めたいであります」 正子の相手をしたいと名乗り出た柊 恭也(ひいらぎ・きょうや)と葛城 吹雪(かつらぎ・ふぶき)。 「よかろう。二人は蒼空の校長の相手をしろ。パラ実の方は私のチームが相手をしよう」 「正面からだと返り討ちになるわよ」 「もちろん、正面から攻める事はしないでありますよ。では行って来るであります」 洋から許可をもらい、恭也は光学迷彩で姿を消し、吹雪はコルセア・レキシントン(こるせあ・れきしんとん)にそう言われた後、この場から離れた。 |
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