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空域陣取り合戦、始まる

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空域陣取り合戦、始まる

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 恭也と吹雪を見送った洋は、彼らをフォローする為に血と鉄の効果でラスターハンドガン2丁を同時に使いこなしつつ、とどめの一撃とクロスファイアで弾幕を展開した。

「みと、エリス、洋孝。各自、自由判断での攻撃、好きなだけ派手に撃ちまくれ。歓迎の花火だ!」
「本当に趣味なお方ですね。洋様は。空挺作戦のためにこういう手段をしろとは。ですが、そういうところに惹かれたのかもしれませんが」

 チョコパラソル背中に背負ったチョコパラソルを確認して乃木坂 みと(のぎさか・みと)は出撃していく。

「空対空、敵影確認。撃ちます」

 マレーナを見つけたみとが火術、雷術、氷術で弾幕を張る。

「制空権を確保するのは戦術としては基本ですからね。ここは空戦の基本を覚えるべきでしょう。……空対空ミサイル一斉射撃開始、剣の結界発動。防御力強化を行います。以上」

 剣の結界を展開させ、エリス・フレイムハート(えりす・ふれいむはーと)小型飛空艇ヴォルケーノに備え付けのミサイルをばら撒いて行く。

「私に向かってくるのはあなた方ですわね。全力で迎え撃って差し上げますわ」

 マレーナはミサイルを魅那醐露獅で打ち落とし、爆破による煙幕を展開させた。
 弾幕と煙幕の間から飛び出してきたのは、卓越の運転術で回避してきた相沢 洋孝(あいざわ・ひろたか)

「空対空攻撃の基本は動き回って逃げ回り、そして狙い定めて撃ちまくる!」

 そう言ってとにかく撃ちまくっていく。
 それを避けていくマレーナ。

「動きを押さえろ! 弾幕だけではクリスタルなぞ打ち抜けないぞ!」
「はい!」
「行動範囲を減らします。そこを狙って下さい。以上」

 洋孝の連弾とエリスのミサイルにより、回避する位置を定めていくみと。

「行きます!」

 狙い定めて、みとはサイコキネシスとその身を蝕む妄執をマレーナにかける事に成功する。
 バランスを崩しつつも、滞空し続けるマレーナ。

「神威、その力をこの矢に……届かせたまえ」

 エリスは動きが鈍くなったマレーナのクリスタルを狙い、神威の矢を放つ。
 それにより、マレーナのクリスタルは青く変化した。

「先制点は西シャンバラ! マレーナのクリスタルを青くしたわ。西シャンバラに3点加算するわよ」
「大将のクリスタルが奪われた時は、直ちに奪われた校長は地上へ降りる事。援護など許さないぞ」

 理子とセレスティアの放送でマレーナが失格となり、地上へを降りていく。
 地上と上空の間には安全ネットが広げられている。

「脱落しない限りは、大将たちも援護していいんだから、頑張って守りつつも攻めるのよ!」



◇          ◇          ◇




 マレーナが脱落するより少し前。
 正子の前に光学迷彩で接近していた恭也が現れる。

「勝てない相手に噛み付くのが弱者の矜恃。勝てない相手でも負けないのが勇者の誉れってな!」

 バードマンアヴァターラ・ウィングでジグザグに飛びながら接近していく恭也。

「ほぉ。わしの相手はおぬしか」
「校長になったから、そう簡単に喧嘩挑めなくなったからなー。こういう場じゃなけりゃ銃も向けられねぇよ」
「左様か。ならば、わしも全力で相手をしよう」

 正子は恭也の出方を窺うように距離を詰めさせない。
 対する恭也は、ジグザグ走行に加えHK416とHK45で牽制射撃を仕掛けていく。

「くらえ!」
「甘いぞ!」

 接近に成功した恭也は、グルカナイフで魔障覆滅を叩き込もうとするも、正子はアトラスのバットで全て受け流していった。

 ブン! と振り回されたバットを避ける為に距離をとる恭也。
 距離を詰めてはグルカナイフを叩きこみ、それを受け流されてとなかなか決定打が決まらない。

 そんな二人を恭也と共に来ていた吹雪は、不可動式のクリスタルの陰からタイミングを見計らっていた。