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ファタ・オルガナ(ふぁた・おるがな) 七尾 蒼也(ななお・そうや) ペルディータ・マイナ(ぺるでぃーた・まいな) ブリジット・パウエル(ぶりじっと・ぱうえる)

「もしかして、僕らのガールズトークを聞いてましたね」

「いや、俺はたまたまここを通ろうとしていただけで、そうしたら、維新とファタが廊下の真ん中で大声で」

「あたしにも聞こえました。豚の、の、ってすごいんですね」

おそらく180近くある身長わりに痩せすぎの男の子は、照れた感じで顔を赤くしてて、連れのポニーテールの似合う親切そうな女の子は、無邪気に豚の、の、に興味をおぼえている様子です。

「素直でよろしい、よね。
たしかきみたちは、鯛ちゃんの仲間の七尾蒼也くんとパートナーのペルディータ・マイナちゃんだよね」

「維新ちゃんは、あたしたちの名前をフルネームでおぼえてるんですか」

「うん。僕は、いつもそうだよ。鮒ちゃんの百合園同好会のメンバーは全員言える。
鱒ちゃんは、リーダーとして人望があるとは思えないけど、仲間には恵まれてるよね」

「あの、代表の名前が言うたびに違いませんか。
タイ。フナ。マス」

「気のせいだよ。鯰ちゃんは、ブリジット・パウエルなんてらしくない深窓の令嬢みたいな名前だからさ。
親愛の情をこめて縮めて、鰹ちゃんって呼んでる」

「ナマズ。カツオ。維新ちゃんはお魚が好きなのね」

「網元の娘だからね。漁にでる日は血がたぎってしかたないんだ」

「あれ。かわい家さんは、漁師さんだったっけ」

小さな頭を傾けて考えてくれるペルディータちゃんは、優しいな。

「維新。一言、注意させてもらうが、あまりに人をバカにするようなことを言っていると、たとえ、悪意がないにしても、そのうち、痛い目にあうぞ」

「蒼也くん。
僕は探偵病のみなさんに、家をめちゃくちゃにされて、刑務所に放り込まれたんだ。
探偵愛好会の頭領とフレンドリーにする理由は、これっぽっちもない気がするな」

「なるほど。維新ちゃんは、ひねくれているから、わざと名前を間違えるとか湾曲した表現で怒りをあらわしてるのね」

「ほら。ペルディータちゃんは、納得して、ほめてくれてるじゃないか。
蒼也くんも探偵のはしくれなら、僕の心情をすこしはくんで欲しいよ。まったく」

「あたし、ほめてはいないと思うけど」

とか言いながらも、僕が近づくとペルディータちゃんは、僕の髪をなでてくれた。
嫉妬かライヴァル心か、ファタちゃんも僕の横にきて、頭にかるく手をおく。

「なんだか俺が悪者みたいなんだが。
それはそれとして、動物園を調査した結果、大変な事実がわかったんだ。
あそこで行われた殺人の被害者はXXXXXXX

空気を読まない蒼也くんが、物語がいきなり終幕してしまうような重大発言をしたので、自主規制で削除させていただきました。

「探偵なら探偵らしく段取り踏んで真相をあきらかにしないと、ファンがつかないよ。
ペルディータちゃん。きみの彼氏は、名探偵になるには、もっと、もったいぶらないとダメなんじゃない。
開始5ページで真相をみぬいても、証拠固めや理論構築やらで、最終章まで引っ張るくらいでないと」

「ごめん。蒼也は、彼氏じゃないの」

「あのな、そういうのは、いまは関係ないだろ。
だから、俺たちは事件について大きなカン違いをしていたんだ。代表たちにも早くこれを伝えないと」

「推理研の連中なら、あっちへ駆けていったぞ」

ファタちゃんが指さすと、蒼也くんとペルディータちゃんは僕らに会釈をして、お仲間と同じように廊下をダッシュ!
あのスピードならすぐに舞ちゃんを追い抜くだろうな。