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【第六話】超能力の可能性、超能力の危険性

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【第六話】超能力の可能性、超能力の危険性

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 戦闘終了後 迅竜 医務室

「ひとまず危機は脱したようだね」
 垂とライゼの様子を見ながらアヴドーチカは言う。
「はい。搬送してくれたのと、そのおかげで処置が速かったのが幸いしました」
 結和はアヴドーチカの質問に答えながら、“竜”シリーズのパイロットたちの検査結果を並べていく。
 
「やっぱり、現時点では剣竜が一番、次に盾竜・改がパイロットにとっての負担が少ないみたいです」
「ま、剣竜は特定のパイロットじゃないと力を発揮できない分、投薬だのなんのといったリスクを持たせなくてもいいんだろうね。リスクが別のリスクを防いでる。何とも奇妙な状態だよ」
 苦笑するアヴドーチカ。
「盾竜・改に至っちゃ投薬が必要ないようにってことで行われた改造だからね。負担が少なくなってもらわなくちゃ困る」
 結和の分もコーヒーを淹れてやりながら、アヴドーチカは続ける。
 目の前のテーブルに置いてもらったマグカップを受け取りながら、結和は問うた。
「あの……もし今後もパイロットの皆さんが“竜”シリーズに乗り続けるって言ったら、医療班長としてドクターストップはかけるんですか?」
「まあ、それは状況次第だよ。けど、状況が状況ならかける――それが医者の務めってもんだからね」