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1・2・3、ボム! 緊迫と危険のショッピングモール

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「小型の爆弾だからって侮るなよ? 停止したとは言え、そこにはでっかい爆薬があるんだからな!」
 ゆかりや助手たちはちらりと、静寂しきった爆弾を見る。
 爆薬はゆかりたちにはどうしようもできないものだった。

「…………っ」
「困りましたね、人質が居ては私も動けません」
 マリエッタは歯切れが悪そうに、いまだゆかりの横に佇むアンドロイドをにらみつけた。
「ワタシに任せて」
 張りのある声を上げて、ノーンは1歩前へと出る。
 一瞬うつむき何かを考えたように見せたノーンだったが、すぐに顔を上げなおし真剣な表情でアンドロイドを見つめていた。
 マリエッタは一瞬戸惑いの表情を浮かべるが、ふぅと一息吐くと小さくうなづいた。
「わかったわ」

 ノーンはマリエッタの言葉にうなづくと、”ホワイトアウト”を発動させる。
 途端、あたりは吹雪が吹き荒れ、周りの景色は白く、狭い視界へと変化していく。
「ピピッ……体温を感知、160度の位置」
「!」
 白い視界の中でも、温度センサーを使いアンドロイドは的確にノーンへと蹴りを繰り出す。
 ノーンはそれをなんとか”アイスフィールド”で防いた。
 防ぐことに必死だったが、ノーンはにやりと笑みを浮かべた。

「やっぱり、同時に攻撃されるのが弱いんだね」
「! 別の体温を感知……人質と判別不能」
 アンドロイドが気が付いた時にはすでに遅かった。
 ゆかりはすでにマリエッタの手にひかれ、安全な場所へと非難していた。

「ノーンさん、1歩後ろへ下がってください」
「!」
 助手の無機質な声にノーンはあわてて後ろへと下がる。
「DDMー23のスキャン完了、各配線の位置をすべて把握。145・156・9234、誤差40マイクロ以下」
「……AI01による高電圧ブレードを確認」
 アンドロイドは的確に助手の方向を察知する。
 だがその動きより、助手の高電圧ブレードを振るう方がコンマ秒早かった。
 足下を切り裂かれたアンドロイドは”プシュン”と音を立てて、地面に崩れ落ちた。

「解体をするわ」
 沈黙したアンドロイドを解体するべくゆかりは近づく。
 ノーンは複雑そうな表情でそれを眺めた。

「必要ありません」
「どうして?」
「私が切ったのは電源コードです」
「何を――」
 ゆかりは首を傾げながら沈黙したアンドロイドをのぞき込む、そこにはたしかにその切り口から
切れた水色のコードが見えた。
 ノーンははっとなる。
「予言って、この子の事だったんだ!」
「そのようですね。私は予言なんてものは信じませんが、今回は正解でしたね」

「じゃあ、これで本当に――」
「パフェが食べれるのね!!」
「どんだけ、あなたはパフェが食べたいのよ」
 満開の笑顔でマリエッタが喜ぶ。
 そんなマリエッタにゆかりはため息をついた。

「助けられたわね、ありがとう」
「あ、ううん。役に立てたらうれしいよ!」
 礼を言うゆかりにノーンは明るく答える。
 だが、ゆかりにはその表情に少し曇りがあるように思えた。
 ゆかりはノーンへと視線をぶつける。

「心配要りませんよ、あの程度すぐに修復可能です。単に電源が切れただけです」
「……本当に?」
「98%事実です」
 再びノーンに明るい表情が宿る。
 そんなノーンを見て、ゆかりはほっと安堵した。
(さ、あとはこんな馬鹿げた犯人を捕まえるだけね)