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海で触手でスライムでキノコ!?

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海で触手でスライムでキノコ!?

リアクション


3.ぜんぶ、キノコのせいなんです!

「…………」
「…………」
 小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)は2人、手を繋いで連れだって無人島を歩いていた。
 2人は新婚さん。
 長い長い純情お付き合い期間を経て、嬉し恥ずかし蜜月……の筈だった。
 美羽の可愛いワンピースにコハクは胸躍らせたり、そんなコハクを見て美羽は顔を赤らめ慌てて海の中に隠れたり、そんなまだまだ甘いながらもどこかウブな2人でいる筈だった。
 しかし、子供はいつまでも子供のままではいられない。
 いつかは、殻やその他色々なモノを破って大人になる。
 今、2人はそんな試練の中にいた。
「あ……」
「ん、んん……っ」
 島のどこかからか聞こえてくる甘い声。声。声。
 キノコや触手スライムの影響を受けた人々の声らしかった。
 否が応でも耳に飛び込んでくるその声の意味が分からないほど、2人は子供ではない。
 時には声だけではなく実際の行為すらその目に飛び込んでくる。
 それでも、2人は黙って歩き続けた。
 しっかりと手を繋ぎながら。

   ◇◇◇

「……な、なあ、フィー」
「ん?」
「もしかしてこれって……」
「ん。もしかしなくっても、デートだよ!」
「……そ、そうなんや……」
 上條 優夏(かみじょう・ゆうか)は水着を着て隣を歩くフィリーネ・カシオメイサ(ふぃりーね・かしおめいさ)の言葉に赤面して俯いた。
(信じられへん……)
 かつて、優夏は自宅を警備する者……いわゆるHIKIKOMORIの神を目指す立場にいた。
 それが、今やリア充の象徴でもある海デート!
 しかも相手はビキニを着た飛び切り可愛らしい魔女っ子。
 ちらちらとその抜群のスタイルを横目で見ては心臓の高鳴りに耐え兼ね目を逸らす。
「どうしたの?」
「い、いや、やっぱりフィーは魅力的やね、その、いろいろと」
 小首を傾げるフィリーネに、優夏は慌てて誤魔化すように手を振る。
「その素敵なあたしが彼女なんだし、リア充の自覚もってね☆」
「ふぁっ!?」
 フィリーネに腕を組まれ、喉の奥から変な声が出る。
「えっ、その、あの、フィー。ここは無人島やから、こう、なんかいろいろとヤバい予感がするけど、まぁ安心しとき」
 思わず足元のキノコを採る。
「いざとなれば俺がこう、毒見したるから……」
 ぱくり。
「ちょ、優夏、そのキノコは駄目……」
「……うぉおおお、リア充爆発しろー!」
 勢いでパラミタクヤシイダケを食べてしまった優夏の破壊願望が爆発した。

「……はっ」
 気が付けば優夏はフィリーネの膝枕で眠っていた。
「お、俺は一体……」
「もう、優夏ったらいきなり押し倒すんだもの」
 赤面しながら頬に手を当てるフィリーネ。
 ちなみに押し倒したのは近くの枯れ木だ。
「え、ええ……!」
「優夏も男の子らしく激しいのね……」
 その攻撃力についてフィリーネは純粋な感想を告げる。
「なっ!? 俺、フィーに……え、えらい事になってしもた」
 完全に誤解した優夏はがばりと頭を抱える。
「もはや俺はHIKIKOMORIに戻れんくらいリア充化したんやね……」
「大丈夫、それが普通の青春だから☆」
 達観する優夏の頭をフィリーネが抱きしめた。

   ◇◇◇

 海に行けば海の幸。
 山に行けば山の幸。
「ねえねえ羽純くん、このキノコ凄く美味しそうだよ」
「あぁ、そうだな……ん?」
 遠野 歌菜(とおの・かな)月崎 羽純(つきざき・はすみ)は島の奥の小山にバーベキューの材料を取りに来ていた。
 そんな中、羽純はいち早く異変に気付く。
 歌菜の頭上に蠢く触手に。
「歌菜危ない!」
 羽純は歌菜を突き飛ばす。
 一瞬遅れて歌菜がいた所……現在の羽純の上に、触手スライムが落下する。
 それも、大量に。
「く……っ、こんなの、すぐに振りほどいて……んんっ」
 触手スライムを振り払おうとした羽純は愕然とする。
 手に力が入らない。
 いや――抗えない。
 それどころか自分の芯が次第に熱くなっているのを感じる。
 何故?
 いや、それよりも歌菜。
「歌菜、逃げろ……っ」
「羽純くん……」
 歌菜は、羽純を凝視していた。
 触手スライムに絡まれ、次第にあられもない姿になっていく羽純を。
(どうしよう……このままずうっと羽純くんを見ていたいような……いえ、いえいえいえ!)
 荒ぶる気持ちに首を振り逃げようとする歌菜の足は、動かなかった。
 既に彼女の足には、スライムの触手が絡まっていた。
「や……ヤダ! そこは、羽純くんしか触っちゃ駄目なの!」
 激しく抵抗するが、スライムの触手は歌菜に絡みつく。
(触手とスライムが絡んだ歌菜の姿……色っぽい……)
 羽純はその姿から目を離せない。
 気が付けば、羽純の心に同調したのだろうか。
 歌菜に絡む触手スライムが次第に羽純の傍へと寄ってきていた。
 歌菜の姿が、目の前に――
「か、歌菜っ!」
「やぁ、は、羽純くん――っ!」
 強引。
 乱暴。
 そんな言葉も空しい程に、羽純は歌菜を求め続けた。
 そして、歌菜もまた――
 2人とも、触手スライムに絡まったまま。

   ◇◇◇

 どうしてこうなった……
「優……」
 神崎 零(かんざき・れい)神崎 優(かんざき・ゆう)にしなだれかかる。
「刹那……」
「あ、あぁあ……」
 神代 聖夜(かみしろ・せいや)陰陽の書 刹那(いんようのしょ・せつな)を強引に抱き寄せる。
「どうしてこうなった!」
 優は疑念とも怒りとも諦念ともつかない声を張り上げた。

 はじまりは、楽しい海水浴だった。
 いつものように集まった4人は、無人島ビーチに向かった。
 水着に着替え、海水浴を楽しんだ。
 はしゃいで水をかける零と、それを苦笑しながらやり返す優。
 それを笑いながら眺める聖夜と刹那。
 海水浴の後は、バーベキュー。
 昼食に、現地で取れた魚やキノコを焼いて皆で頬張った。
 だが、その後。
 零と聖夜がキノコを食べた直後に、異変は起こった。

「あ、ん……優」
「せ、刹那……」
 突然目がとろんと酔ったように虚ろになった零が、優に抱き着いた。
 同じく上気した顔の聖夜が刹那の肩を抱く。
「れ、零……? 一体どうしたんだ?」
「聖夜。そなた、何かがおかしいです……」
 突然豹変した2人に驚き、優と刹那は顔を見合わせる。
「キノコ……そうです、2人がさっき食べたあのキノコのせいです!」
 はっと気づいた刹那が告げる。
 しかしその時にはもう遅かった。
「キノコか……くそっ、吐き出させようにも、これだけ体に回ってちゃ意味がなさそうだ」
「どどど……どうしましょう」
 そうこうしている間にも、優と刹那を抱きしめる2人の抱擁は強くなる。
「優……いや?」
 零は優の唇に自らの唇を重ねた。
「刹那…… 俺はもう、限界だ……」
 聖夜は刹那の首筋に唇を這わせる。
「う……」
「ん、ん……っ」
 積極的な2人の行為に、優と刹那の抵抗が次第に弱まってくる。
「や、止めろ、零……」
「そ、そなたのそんな目で見つめられると、私……」
 既に抵抗は言葉だけになってくる。
「優……優」
「……零」
「刹那……」
「あ、せ、聖夜……」
 抵抗の声は次第に互いのパートナーを呼ぶ声へとかわっていく。
 やがてそれすら消え去り、聞こえるのは互いの呼吸の音だけ。
 少しだけ、いつもより荒い。
 こうして4人は、キノコの虜になってゆく――

   ◇◇◇

「んー! 今日は羽を伸ばして遊びにがんばりますか!」
「落ち着けよ。危険な存在がいたらどうするんだ」
 んーっと背伸びするソラン・ジーバルス(そらん・じーばるす)に、ハイコド・ジーバルス(はいこど・じーばるす)はそれでもどこかリラックスした調子で話しかける。
 無人島は危険かもしれないと双子の子供はお留守番。
 のびのび遊べる一日なのだから。
「と、言ってるそばからアレ……」
 そんな2人に、ニーナ・ジーバルス(にーな・じーばるす)が指差した先は触手スライム。
「なんだかここ最近スライムばかりな気がするわ」
 と首を傾げるニーナを余所に、ソランは興味深そうに触手スライムを見る。
 そしてハイコドの手を引く。
「触手っぽいスライム…… ハコ、あんたも触手出してみなさいよ!」
「……数は多いがちっこいな子供か?」
 ソランに言われ、自身も触手を出してみるハイコド。
 その触手を見て触手スライムはぴょんぴょんと飛び回る。
「あはは、この子ら本当に遊びたいだけの子供だ!」
 暫く触手同士戯れるハイコドと触手スライム。
(……見事に馴染んでる)
 軽い気持ちでハイコドに勧めた交流が思いの外上手くいったようで、ソランはやや驚いた様子でハイコドたちを見ていた。
(触手同士通じる所があるのかしら?)
「……でも、なんだか見てると可愛く思えてきたかも……」
 よしよしと触手スライムを撫でてみる。
「うん。ひんやりしてて気持ちいいわ」
 ニーナも習って触手スライムをつついてみる。
「ん?」
 そんなニーナに、触手スライムがキノコを差し出した。
「ハコくん、この子たちキノコ持ってきたよ」
「あぁ? コイツはパラミタクヤシイダケだな。毒じゃないし、食べれる」
 ふと悪戯心の湧いたハイコドは、食べられるが、食べたらどうなうのかというキノコの特性を伏せてニーナに伝えた。
「あ、食べれるのね」
 ぱくり。
 まんまとキノコを食べるニーナ。
 そして。
「ハァ……ハァハァハァハァ」
「え……アノ、ニーナサン?オカオガスッゴクコワイデスヨ?」
「ハァハァハァハァハァハァハァハァハァ……イタァダキマァス!!!」
「んぎゃー!?」
 ハイコドの予想を超えた押さえつけていたニーナの欲望が、キノコによって溢れ出た。
 ニーナはジャンピングダイブでハイコドへと飛び掛かる。
「あらあらお姉ちゃんてばずいぶんと欲求を抑えつけていたのね」
 そんな2人の様子を冷静に眺めるソラン。
「はいはーい、2人ともこっちこっち。そういうのは人目につかない所へ移動してからにしましょうねー」
「ハァハァハァ……」
「ぎゃー、ニーナが壊れたー!」
「はいこっちこっちー」
 ソランは暗闇へと2人を引っ張る。
 そして3人の世界は暗闇へと消える。

   ◇◇◇

「素敵なビーチですねー」
「えぇ……」
「どうです、2人で水中散歩なんて」
「えぇ……」
 水原 ゆかり(みずはら・ゆかり)の誘いに対し、マリエッタ・シュヴァール(まりえった・しゅばーる)はどこか生返事を繰り返す。
「ほら、水中メガネとシュノーケルを借りてきました!」
「えぇ……」
「……一体どうしたんですか?」
 たまりかねてマリエッタを覗き込むゆかり。
「ご、ごめんなさい。なんでもないの!」
 マリエッタは自身の目の前にしゃがみ込んだゆかりから慌てて顔を逸らす。
 マリエッタの悩みとは、『胸囲の格差社会』。
 ビーチに居並ぶは絢爛豪華な巨乳、美乳たち。
 そんな中、体型も発育も女子中学生心はオトナなマリエッタは如何ともしがたい居心地の悪さを感じていた。
(……でも、気に病んでばかりいてもしょうがないわよね)
「……ん。綺麗な海だから楽しみね」
 ぶるんと頭を振ると、ゆかりから水中メガネを受け取った。

 海を堪能し、上がってからのお楽しみはバーベキュー。
 浜にはウェザーが用意したバーベキューの用意がしてあったのだが、何故かそこには誰も人がいない。
 キノコと触手スライムのせいなのだが、ゆかりたちには知る由もない。
 せっかくだからとバーベキューを堪能したとき、悲劇は起こった。
「……あ」
 キノコを食べていたゆかりは、ふと口を押える。
(ど、どうしたのかしら。何故か……身体の奥が、熱い……)
「……んん」
(や、やだ、なんだか体がくすぐったい……!)
 同時に隣のマリエッタももじもじと体をくねらせる。
 最初に動いたのはマリエッタだった。
「あ……か、カーリー、あたし、もう……」
「ん……や、やだ、恥ずかしい……!」
 口ではそう言うものの、ゆかりの体はマリエッタに反応し始める。
「カーリーと、したいの……」
「んん……っ」
 いつの間にか這い寄ってきた触手スライムと共に、ゆかりとマリエッタはそのまま流されることにした。

   ◇◇◇

「こんな場所で水着姿で食事って言うのも、面白いわよね〜」
「んふふ、クリムちゃんの水着、素敵〜」
「摩耶こと、可愛いわよ」
 森の中、水着姿でいちゃつくクリームヒルト・オッフェンバッハ(くりーむひると・おっふぇんばっは)神月 摩耶(こうづき・まや)たち。
 別に二人はキノコの影響下にあるわけではなく、これが通常営業なのだ。
 ちなみに摩耶は可愛らしいピンクのビキニだが、クリームヒルトとアンネリース・オッフェンバッハ(あんねりーす・おっふぇんばっは)リリンキッシュ・ヴィルチュア(りりんきっしゅ・びるちゅあ)が身に纏っているのは布面積が僅かなマイクロビキニ。
 董卓 仲穎(とうたく・ちゅうえい)はクロノスリングショット、翔月・オッフェンバッハ(かづき・おっふぇんばっは)に至っては伝統的な水着、晒に褌だった。
「ほら見て、こんな所にもキノコがいっぱいあるよ!」
 摩耶が指差す先には、各種キノコ。
「では早速焼かせていただきますね」
 リリンキッシュがそれを取ると、アンネリースが手早く裂いて焼き始める。
 キノコが焼けるいい香りが周囲に漂ってくる。
「では、早速一口」
「いただきます」
 翔月が、リリンキッシュがキノコを口に運ぶ。
「ん、美味しいですわ」
「良い焼き加減でございますね」
 仲穎とアンネリースも次々に箸を伸ばす。
 和やかな時間が過ぎていく――筈だった。
 彼女たちが食べたものが、パラミタクヤシイダケとクスグッタイダケでなければ。

「……あ、アンネ様っ!」
 最初に異変が訪れたのは、リリンキッシュだった。
「リリン様、如何なされ、あっ」
「その、何故か無性に、アンネ様のことを感じたく……!」
 突如としてリリンキッシュはアンネリースを草むらに押し倒した。
 そのままリリンキッシュの水着を剥ぎ取る。
「たまには、私に責めさせてくださいませね……」
「あ……あ、リリン様ぁ」
 強引なリリンキッシュに、しかしアンネリースはなすがまま。
 リリンキッシュは目の前のアンネリースを料理するかのようにその体にクスグッタイダケの胞子を振りかけはじめる。
「リリン様ぁっ、こ、こんなぁっ」
 アンネリースの声に拒否の色はない。
「ああ、アンネ様ぁ……なんとも素敵です……♪」
「あ……っ」
 そこに含まれているのは、快楽だけだった。

「はぁ、はぁぁ、穎殿ぉ…… 拙者は、拙者はぁっ」
「翔月様? どうなさいましたか……あぁあっ、あぁああんっ!」
 キノコに溺れているのはリリンキッシュたちだけではなかった。
 翔月もまた、仲穎を襲っている最中だった。
「いつもの……拙者のように、今日は穎殿を、メチャクチャにしたい……」
 そんな翔月を仲穎はそっと抱きしめる。
「良いのですよ…… 翔月様が普段したくても出来ないコト、いっぱい私にして、くださいな……」
 仲穎のその台詞を切っ掛けにして、いや、既に心は決まっていたのだろうか。
 翔月は仲穎の水着を奪い去る。
「ほらほらぁ、奥までたっぷり擦り込んであげるのだよ♪」
「……あぁんっ、そこ、むずむずしてしまいますわぁぁ」
 クスグッタイダケの胞子がくすぐったくて、しかしそれだけではない快楽に翔月と仲穎は溺れて行く。

「……なんか、リリンちゃんと翔月ちゃんの様子が変なんだけど……」
「……あらあら、2人ともあんなことされちゃってるわ。新鮮な光景ねぇ」
 摩耶と、彼女の肩を抱いたクリームヒルトは目の前で突如として繰り広げられる痴態をじっくりと観察していた。
 そこにあるのは驚きよりも興味、そして情欲。
「ああ、あのキノコってもしかしてアレ……? 何か珍しいモノが見れるかも……♪」
 最初は目を見開いていた摩耶も、すぐに状況を理解し楽しげに見守るモードへと移行する。

 じっくりとそれらを眺めていたクリームヒルトと摩耶。
 しかし、彼女たちにはキノコとはまた別の脅威が降りかかろうとしていた。
「ひゃうっ!?」
 不意に、摩耶の首筋に何か冷たい物が走った。
 それはぬめぬめとして、柔らかい何か。
「ぇえ、何コレ?」
「あらあら……」
 気が付けば、クリームヒルトと摩耶は触手スライムに取り囲まれていた。
 それだけではなく、数体が既に彼女たちに触手を伸ばす。
「あぁあっ」
「きゃあぁっ」
 あっとゆう間に触手スライムに飛び掛かられ、2人は僅かな布の水着を剥ぎ取られる。
 それと同時に2人の体に絡みつく、触手。
 スライム本体も体に吸い付くと、ぐねぐねとその形を変える。
「あ……ぇ、わ、何これー!」
 完全に触手に拘束された摩耶が、声をあげる。
「触手とかスライムとか、なんか凄いよクリムちゃぁん♪」
 楽しそうな声を。
「こんな、摩耶ぁっ、ああ、にゅるにゅるぅっ♪」
 クリームヒルトはと言えば、触手に絡みつかれ既に甘い声を漏らしていた。
「あん、クリムちゃんってばノるの早ぁい。ボクもボクもぉっ」
 摩耶は口を開けると、ぺろりと触手を舐める。
「ほらクリムちゃん、もっとスライムでヌルヌルになっちゃおうよぉ♪」
「あぁあっ、其処ぉ、良いわぁっ♪」
 クリームヒルトと摩耶は共に触手の中、嬌声をあげる。

「はぁあ、リリン様ぁっ、くすぐったい……イィですぅっ!」
「アンネ様……まだまだ……よろしいでしょうか……っ」
「翔月様……もっと、もっとぉ」
「穎様……穎様が、拙者の手でぇえ……っ」
 2人だけの世界を築くアンネリースとリリンキッシュ、翔月と仲穎たちにも、触手スライムはその触手を伸ばしに行く。
 それを受け止め、更なる快楽へと変えるアンネリースたち。
 島の奥、森の中では止むことのない饗宴が繰り広げられていた。

   ◇◇◇

「……みんな、あんなすごいことしてるんだね……」
「僕たちも、あんなふうにしないといけないのかな……」
 森の中、手をつないで歩く美羽とコハク。
 2人の顔は真っ赤に染まっていた。
 2人はキノコと触手スライムによっておかしくなっていった人々を、否応なしに目にしていた。
 そして出た結論はひとつ。
 自分たちは、まだまだ甘かった……
 いくら新婚さんで、もう子供じゃないといっても世の中にはまだまだ自分たちの知らない世界がある。
 いつか、その扉を自分たちも開ける日が来るのだろうか。

 ……別に開けなくてもいいとは思いますが。