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東西統一記念ロイヤルガード合コン

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東西統一記念ロイヤルガード合コン
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リアクション

■□■3■□■ つぁんだをシメよう

南臣 光一郎(みなみおみ・こういちろう)は、倒れていたつぁんだの前に現れて言う。
「つぁんださぁん、
カップリングが1対1というルールはどこにも書いてありませんでした。
ということで、あぶれた人は俺様が全員まとめてお持ち帰りする所存です、けけけ。
というわけで、当然、二次会に協力してくれますよねー?
全部、つぁんださぁんの経費で」
「何言ってんの!?」
「あっれえ、ジャスティシアの俺様に逆らうんですかぁ?
自発的にご協力いただかないのなら、
『実力行使』という手段に訴えざるを得ないですよぉ?」
光一郎の周囲は、
この計画を邪魔されないように、
オットー・ハーマン(おっとー・はーまん)がディテクトエビルで監視していた。

そこに、トマス・ファーニナル(とます・ふぁーになる)が、真面目くさった表情で現れる。
丁寧に自己紹介したのち、トマスは言う。
「薔薇学のBLについて、薔薇学生の光一郎さんにお伺いしたく……」
「トマス坊ちゃん……まだBLについて、諦めてないんですね」
涙ながらに、魯粛 子敬(ろしゅく・しけい)は、
光一郎にブロックサインを送る。
「BLについて知りたがってるけど、それとなくはぐらかして誤魔化して下さい!」
その場で正座したトマスに、光一郎は言う。
「Bachelor Of Lawsとは法学士、つまり法律を修めたジャスティシアの俺様のこと!」
「な、なんですって!?」
トマスは衝撃を受ける。
「あれ、先生、なにを踊ってらっしゃるのですか?」
ふと振り返って言うトマスに、魯粛は、ひとまずは難を逃れたと安堵するのだった。
「というわけで、俺様と一晩語り合おうじゃないか」
「いえ、教えるんなら、私が直々……」
「え、先生が教えてくれるんですか、BLについて?」
「い、いえその」
光一郎に割って入った魯粛がトマスに迫られる中、
魯粛はオットーに助けを求める。
「恋の、いえ、鯉のドラゴニュートさん、助けてください!」
「おお、魯粛殿と申したか。
それがしがお魚さんのゆる族ではなく、
鯉の滝登りなドラゴニュートであることを一目で見抜いた貴殿の卓見、
素晴らしきかな素晴らしきかな」
オットーがそんなことを言っていると。

「はーっはっはっはっは!
いけませんね!
いたいけなちびっ子を、大の男がいじめるというのは!
俺のアルバムをご覧になってからにしていただきたいですね!」
クロセル・ラインツァート(くろせる・らいんつぁーと)が、高笑いしながら現れた。
「って、クロセル!?
また僕をさらう気じゃないだろうな!?」
「何を言うのです。お茶の間のヒーローとして、
いたいけな少女を救うのは当然のことです!」
キリッと擬音を出してクロセルは笑う。
「なーに、俺は今、ヒーロー稼業のリハビリ中なのです。
故に、俺がヒーロー的な行動をした所で何の問題もないでしょう?」
「なんでもいいや、というわけで、
あいつらを蹴散らすんだ、クロセル!」
味方ができたのでいきなり調子に乗るつぁんだだが。
「それはそうと、救い料として、
「1日ロイヤルガード権」の利益は6:4で……
あっ、もちろん俺が6割ですよ?
そのお金でラズィーヤさんに賄賂……げふんげふんっ
もとい、お見舞いの品を差し上げて、
お近づきになりたいなーと思ってるわけですよ」
「な? そんな条件が飲めるわけないだろ!?
それに、ヒーローは貧しい人も助けなきゃダメじゃないか!」
「ふっ、自爆しましたね、つぁんださん。
あなたは悪徳商人でしょう?
それに、ヒーローは無償で助けるものだなんて誰が決めたのでしょう!
ボランティアでヒーローやれる人なんて、
生活に困らない一部の裕福層か国家公務員だけなのです!
そんな中で、4割も利益を確保してあげようというのです。
全てを失うより遥かにマシなはずですよ」
「くっ、しかたない……。
わかったよ、6割やるから!」
つぁんだは我が身かわいさに口先で宣言する。
「本当ですね?
俺は、納豆のようにしつこい男ですよ?
もし払わなかったら、地の果てまでも追い立てて取り立てて差し上げます!」
「いやなヒーローだな!?」
クロセルがかばったのを見て、オットーが進み出る。
「ふむ。このようなことに気づいて近づいてくるとは、
つまり、それがしの魅力に気づいたということであるな。
ご褒美に『ちゅ〜』である」
「うわああああ!?」
オットーに顔面を吸われて、クロセルの仮面が外れそうになり、
いろんな意味でピンチになる。
「い、いまのうちに逃げるんだ!」
ダッシュで逃げて行ったつぁんだだが。

★☆★

空京稲荷 狐樹廊(くうきょういなり・こじゅろう)が現れて、
つぁんだの前に立つ。
後ろには、手を引かれた、空京の精 くうきょうがいる。
「高名な方々が一堂に会するまたとない機会、
くうきょう様の見識を広めるためにもくうきょう様と共に西として謹んで参加させていただきます」
狐樹廊は、つぁんだの持っているロイヤルガードの権利書やマントを見る。
「……おや? こんなものを用意しているとは抜け目の無い」
そして、5万Gをつぁんだに渡す。
「まあ、あなたにはこの催しを見届ける義務もございますでしょうし、
よもやくうきょう様にお見せ出来ないようなことを企んでいるわけでもないのでしょう?」
「え、僕を東ロイガに?」
「手前が西、あなたが東、ちょうど良いではありませんか。
冬の夜は長いもの、くうきょう様がお眠りになられたらじっくりたっぷり付き合っていただきますよ……」
「ええっ!?」
予想外な展開につぁんだは驚く。
「それとも……そんなに手前がお嫌いですか?」
狐樹廊に妖艶な笑みを浮かべられて、
つぁんだは顔を赤くしたり青くしたりする。
「何かたくらんでるんじゃないだろうな?」
「いやですね。ちぎのたくらみ。それは手前どもの専売特許でしょう?」
(そういえば、狐樹廊って声がかっこいい気が……って、こいつ僕をさんざん痛めつけたじゃないか?
ま、まさかそういう趣味!?)

そこに、
メイベル・ポーター(めいべる・ぽーたー)と、
セシリア・ライト(せしりあ・らいと)と、
フィリッパ・アヴェーヌ(ふぃりっぱ・あべーぬ)が、野球のバットを持って現れた。
「ひぎゃああああああああ!?」
逃げようとするつぁんだだが、回り込まれてしまう。
メイベルは、にっこり笑って終始無言のままでいる。
セシリアも、笑顔で無言でいる。
フィリッパも、穏やかな笑みを絶やさずに、何もしゃべらない。
「な、何を企んでいるんだ!?
それに、そのタスキはいったい!?」
メイベルの「1日ロイヤルガード」のタスキにツッコミを入れるつぁんだだが、
やはり、メイベルは何も言わない。

撲殺天使達のあまりの不気味さにおののくつぁんだだが。

「雪のヴァイシャリーを鮮血じゃないものでもいいのでとにかく真っ赤に染めたら紅白です。
ペンキ、ケチャップ、朱肉、ジャム……エトセトラ。
年が明けても紅白なイベントはまだまだあるはず。
ってことで、あたしが、東ロイヤルガードとして、
西のつぁんだをお持ち帰りして、
紅白隠し芸するよ!」
ネージュ・フロゥ(ねーじゅ・ふろう)が、つぁんだに憤って、やってきたのだった。
「というわけで、
『念書 「一日ロイヤルガード権ならびに、・同逆所属版」で得た売り上げは、
全て、シャンバラ王国復興および国力強化と、
情報通信インフラ網の整備、各校の活動の支援、ボランティア活動への支援、
地祇の地位向上に充当するものとします』
という書類に血判を押させてもらうよ!
新アイテム『地祇の血判状』だよ!
地祇の地位向上にもぴったり……って、これ、誰が書いたの!?」
「つぁんだのくせに、ミーより目立とうとしていい度胸ざんす!
というわけで、この前、ミーで遊んだネージュもろともぶっ飛ばすざんす!」
「がるるるるるるるじゃた」
ざんすかとじゃたがいつのまにかやってきていた。
「って、ざんすかちゃん、ラリアットする気全開だよね!?」
「ぶっ飛ばしてやるざんす!」
「グハアッ!?」
ネージュは、船の壁をつきやぶってお星様になった。
「がるるるるる、料理がいっぱいじゃた」
じゃたは、回転しながら料理のテーブルに突っ込んでいき、徐々に被害を拡大させていた。

さらに、ヴぁいしゃりーが現れる。
「わたくしの地元でよその地祇がこの間から出張ってきて許せませんわ!
一番弱そうなくうきょう! まずはあなたを血祭りにあげますわ!」
「いけませんねえ。手前がいることをお忘れですか?」
「きゃああああああああ!?」
しかし、狐樹廊によって一瞬で返り討ちにあった。