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【終焉の絆】滅びを望むもの

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【終焉の絆】滅びを望むもの

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帰還

 リファニーの父の遺言、『リファニーを守ってほしい』。その約束を守るべくほかの契約者たちと共にやってきていた騎沙良 詩穂(きさら・しほ)はこの邂逅をずっと懸念していた。
 洞窟最奥部にいたリファニーは“滅びを望むもの”そのものであり、ダエーヴァとも融合しているその姿に、リファニーの面影はおろか、その意思の片鱗たりとも見えなかったからだ。
 ”滅びを望むもの”をマンダーラが必要としており、そのために異形化したリファニーと戦い続けている。
 そこから彼女はマンダーラしては滅びを望むものに執着しすぎ、リファニーの生死は問わないのではと恐れていたのだ。
 万一に備えてリファニーを死守すべく様子を見ていたが、今、リファニーはルシアの元に戻ってきた。
 そして、今のリファニーはかつての『ごく普通のリファニー』に見えた。マンダーラも近くにいるものの、リファニーに危害を加えようとする動きはない。詩穂は緊張しきっていた心を幾分緩める。
 だが、リファニーがコントロールを奪い返したとはいえ、まだ彼女の内部に”滅びを望むもの”は存在したままだ。
(一気には片付かなかったな……それと、さっきカケラさんが言っていた『危険はあります』という言葉も気になるし……)
詩穂はため息をつき、リファニーとルシアに向き直った。
「良かった……リファニーさん、戻れて、本当に良かった。
 さあ、早く帰ろう? まだここにはダエーヴァの軍勢がいる」

 リファニーは無事、ルシアの元へと戻った。
 
 光条世界が望む創世は、今の大陸を滅ぼし、ナラカに留まる命のエネルギーで新たな時代のサイクルを産みだすことだという。
『世界産み』は、ナラカに留まる命のエネルギーの暴発による終焉を避けるため、命のエネルギーを用いて全く新たな世界を産みだすものであり――そしてそれがリファニーにも何らかのリスクを生じる可能性がある……。

 仲間と希望を自分たちの世界へ取り戻すことは出来た。
 しかし、課題は多く、この戦いの帰結は未だ見えないままであった。


 一方、この作戦における黒い大樹の破壊により、アナザー・アジア圏におけるダエーヴァ勢力はその勢いを失うことになる。
 今後、アナザーの人類による、ダエーヴァに占拠されていた土地の解放、ネットワークの回復が続いていくことになるだろう。
 だが――
 
 
「こちらの世界とそちらの世界を繋ぐ力が弱まってきているようだ」

 オリジンのコリマとアナザーのコリマは、
 アナザーとオリジンを行き来するために使っていた“道”が失われかけているのを感じていた。

(ダエーヴァ達は遥か昔、オリジンの地球を脅威と見なした“滅びを望むもの”によって放たれた刺客だったという。彼らはアナザーとオリジンを接近衝突させ、地球を消滅させるつもりだった……。故に、アナザーとオリジンは接近し、繋がった)

「黒い大樹の破壊とダエーヴァの駆逐が進めば、やがてアナザーとオリジンは正常な距離へと離れ、“道”は失われるのは道理というわけか」

(近い将来、我々はアナザーへ赴くことは出来なくなるだろう)

「心配はいらない。
 それは我々がダエーヴァに勝利し、この星を取り戻していっているということなのだから。
 ――オリジン、我々の世界の“もう一つの可能性”の世界からの使者。
 契約者たちには感謝しかない。
 彼らは我々に勝利と、そして、可能性をもたらした。
 対して、今、我々が返せるものは少ないだろう。
 だが、せめて……オリジンには出現したというパラミタ大陸、まだ見ぬニルヴァーナ大陸、もう一つの地球。
 その全てが私達と同じように生き延び、明日に希望を抱き続けられるよう、心から祈ろう」

 アナザー・コリマとアナザーの兵達に見送られ、
 契約者たちは自身の世界へと帰還していったのだった。


担当マスターより

▼担当マスター

蒼フロ運営チーム

▼マスターコメント

ペリフェラルシナリオ「【終焉の絆】滅びを望むもの」リアクションをお送りいたします!

今回のリアクションは、

「黒い大樹関連」を野田内巡 マスター
「洞窟攻略」を流月和人 マスター
「リファニーとの決戦」を鷺沼聖子 マスター

に執筆いただいています。

今回の結果、

・“滅びを望むもの”を内包したリファニー・ウィンポリアは、自身の意識を取り戻し、オリジンに戻ることになった。
・黒い大樹が滅ぼされ、アナザーにおけるダエーヴァと人類の力関係が覆り始めた。

となります。

また、グランドシナリオ「終焉の絆 第二回」のエピローグ・マスターコメントが更新されております。


この度はご参加いただき、誠にありがとうございました!