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ユールの祭日

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ユールの祭日
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●●● 未知との遭遇

「歴史に名を刻んだヤツラと勝負できるなんて……ワクワクしてきたぞ。
 英霊のやつらはスゲエ必殺技を持ってんな。
 よし! 俺も必殺技で対抗するぜ!!」

こういって張り切っているのは地球人の風祭 隼人(かざまつり・はやと)

当然ながら必殺技といっても自前の技である。


対するは徳川 家康(とくがわ・いえやす)
その胸には様々な思いが去来していた。

「幕府を築いて400年以上……。
 儂が持ち得たるは日の本……そして死に至るまで苦楽を共にした者との縁。
 否、憎悪敵意すらも縁と呼ぼう。
 まあ世間一般では『絆』だとか何とか言うておるが、そんな感じじゃよ。
 もう遠い昔の話ではあるが…今昔の民よ、今一度力を貸してくれ……!
 『我ら』が力、日の本が力をここに示す時じゃ!!」


(そうか……あいつはそんなことを思っていたのか……
 今のあいつなら、当時の力、いやそれ以上の力を見せてくれるかもしれない……)
家康のパートナー、柳玄 氷藍(りゅうげん・ひょうらん)はそう思いながら、この戦いを見守っている。


「徳川家康なんて超大物が相手か! 嬉しいぜ!
 それじゃあ俺の必殺! 宇宙創造爆発級パンチ!!!」

ただの右ストレートである。
しかし英霊のパンチなので直撃を受ければ英霊といえど油断はできない。

「宇宙……そう、それさえも儂の絆よ。見るが良い」

家康がそう言うと、場内が急にざわついた。

「おい、あれはなんだ?」
「鳥か? 違う、UFOだ!!」


江戸後期に書かれた『一宵話』によると、家康が駿府城にいたときに『肉人』なる怪異と接触したとするエピソードが記されている。
この『肉人』は小児のような姿だが全身無毛、手に指はなく天を指していたという。
また同時期、天には奇妙に光る雲があったともいわれる。


「天下人となってから、儂は天上人とも絆があったのだ」
UFOは緑色のビームを乱射してきた。

「う、うわー!!!」
と叫びながらも器用にかわす隼人。

「まさか宇宙人まで関係者とはさすが将軍様だな!
 もう一度パンチ……ってあれ? あれっ!? あれぇー!?」

UFOが発する黄色い光が、隼人を吸い上げていく。
隼人はUFOに収容され、そのままUFOはどこかに飛んでいってしまった。

「達者でな」


数日後、隼人はツァンダ付近で発見されたが、ここ数日の記憶を失っていたという……。