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「くぅ……完璧な作戦にならぬとは」
 ハーティオンによって拘束されたシェア大佐は屋外に集まる一同の元に姿を見せる。
「ご苦労様。警備員のみんなは少し休んでいいわよ」
 ルカルカが声をかけ、一旦解散される警備員の一同。
「さて……随分盛大に暴れてくれたじゃない? オーナー不在の今は、私が代行として怒らせてもらうことにするわ」
 ルカルカはシェア大佐を睨む。
「覚悟は出来ているさ……」
「そう。でも、その前に貴方に話があるって子がいるのよ」
「兄さん!!」
「!?」
 飛び出してきたセーラにシェア大佐が驚く。
「アルテ……いや、セーラ。何故ここに!?」
「温泉と言えばノゾキ。なら、そこに兄さんがいると思って」
「私も、お前がここに居ることは薄々感じていた。アイドル志願が転じて追っかけになったお前なら……」
「(……親にどういう教育されてるの? この兄妹)」
 心の中でツッコミを入れるルカルカ。
「兄さん! 馬鹿な事はやめて、もう地球に帰りましょう!」
「……そういう訳にはいかない」
「どうしてよ?」
「地球の、日本は今少子化の一途を辿っていることはお前も承知だろう? 私は大自然の恩恵たる絶滅危惧種……ロリの視察のため、この地に来たのだ。シェア大佐としてな」
 派手に転びかけるルカルカを無視して、緊迫感漂う兄妹の会話は続こうとしていた。
「せやな! だから俺の計画に乗ったいう訳や!」
 一頭の巨猿が裕輝の口笛と共にやって来る。
「逃げや! シェア大佐!! あんたの計画は最高に楽しかった。その情熱は消したらあかん!!」
「済まない! 裕輝!!」
「待ちなさいよ!! ……って、離しなさい!」
 ルカルカが止めようとするも裕輝は彼女を羽交い絞めにしてシェア大佐を庇う。
 巨猿に乗ったシェア大佐は、セーラを見て、
「セーラ!! お前にこの地は似合わぬ! あの優しい腐女子だった頃のお前に戻るのだ! かりそめのオタク男の姿を捨ててな!!」
「兄さん!!」
 追いかけるセーラや警備員達を振りきってシェア大佐は荒野を駆けていく。


「一体、何が起こったというのだ」
 セルシウスは、フルーツ牛乳コンテストの会場から外へ出てきていた。
「セルシウス。吉報だ」
 携帯で連絡を取っていたダリルがセルシウスを呼び止める。
「ん?」
「この近くで良質な温泉が発見された。今のセルシウス……いや、大帝に必要な温泉かもしれない」
「何だと!? それは直ぐ様行かねば……」
「おい、セっさん? コンテストの方はどうするんだよ?」
 シリウスがセルシウスの肩を掴む。
「問題無い」
「ダリル?」
「フルーツ牛乳と言えば、温泉の後だ。施設スタッフの皆でその温泉に入りに行けばいい」
「で、でも施設は……」
「電波塔とそれに繋がるユニットの回復にはパーツが必要、つまり停電が復旧するのには時間がかかる。今日はもう臨時休業でいいだろう? なぁ、ルカ?」
「そうね……」
 格闘の末、裕輝を拘束したルカルカが泥だらけの顔を袖で拭って頷く。