シャンバラ教導団へ

百合園女学院

校長室

薔薇の学舎へ

【蒼フロ3周年記念】インタビュー・ウィズ・コントラクター・スペシャル

リアクション公開中!

【蒼フロ3周年記念】インタビュー・ウィズ・コントラクター・スペシャル
【蒼フロ3周年記念】インタビュー・ウィズ・コントラクター・スペシャル 【蒼フロ3周年記念】インタビュー・ウィズ・コントラクター・スペシャル

リアクション

46)リア・レオニス(りあ・れおにす)

リア・レオニス(りあ・れおにす)は、
薔薇の学舎制服に、東シャンバラ・ロイヤルガードマントの正装で、
共通質問の内容について考えていた。

「なあ、『大切な方』って、どの程度、本当のことを言っていいと思う?」
アイシャ・シュヴァーラ(あいしゃ・しゅう゛ぁーら)について、本心を打ち明けるべきか。
リアは、レムテネル・オービス(れむてねる・おーびす)に相談していた。
「そりゃアイシャの事は愛してるけど、アイシャは国家神でもあるんだしさあ……」
「正直に答えろよ」
ザイン・ミネラウバ(ざいん・みねらうば)が、リアの肩を叩く。
「アイシャのこと、好きなんだろ?」
「そりゃそうだけど」
「落ち着いて、自分の本心に忠実になりなさい」
レムテネルは、静かに微笑した。
「頑張ってらっしゃい」
「……ああ」
リアは、緊張気味に、しかし、どこかふっきれたようにうなずき、
スタジオへと向かった。

★☆★


「こんにちは、トッドさん。また会えてうれしいよ」
「私もよ。まあ、それは?」
「タシガン特産のコーヒー豆。楽しんでくれよ」
「ありがとう!」
トッドさんは、笑顔でリアのお土産を受け取った。

「では、さっそくインタビューを始めましょう。
あなたの大切な方はどなたですか?
その方について、そして、どう思っていらっしゃるか、
なるべく具体的に教えてくださらない?」

「この服装からもお分かりの通り、俺はロイヤルガードの任に就いている。
アイシャ女王や代王の方々をお守りする役目だな。
俺の場合、アイシャの騎士でもあるんでアイシャ女王の傍らに居る事が多いな」
ロイヤルガードのマントを示して、リアが言う。

アイシャの姿を思い浮かべ、リアの表情は、自然と穏やかなものとなった。

「俺が一番大切に想うのは、後にも先にもアイシャ女王ただ一人
役目だからってだけじゃなく大切だ。
いつもアイシャ女王の幸せを願っているよ」
リアは、優しいアイシャのことを思い、付け加えた。
「アイシャ女王も国民の全てを慈しみ、愛し、大切に想ってるだろうけどな」
「そうね。シャンバラの女王として、
強い責任感を持っていらっしゃるものね」
トッドさんがうなずいた。

「ああ、俺達は日々アイシャ女王に守られてる。
彼女は神の力で、祈りで、国の全てを包んでるから……。
俺は彼女を公私共に支え、守りたい。
彼女を補佐して国や国民の為に活動していくつもりだ」
決意の表情で、リアが言った。

「では、次の質問です。
あなたの将来の目標はなんですか?
それに向けて、今、どのような努力をされていらっしゃいますか?
まだはっきりしない、漠然としたことでもかまいません」

「さっきの答えにも関係するけど、アイシャ女王に相応しくありたいと思ってる。
神である彼女に俺が出来る事は多くないかもしれないけど、
その願いが少しでも実現できるように、
時に彼女のかわりに現場に赴き、時に彼女の傍らで、
心身の支えになるつもりだ」

リアが、トッドさんをまっすぐ見据え答えた。
「王宮での政務も手伝っていきたい。
だから今、法学や経済学なんかの勉強中だな。
俺は……、頭より体を動かす方が得意なんだけど、まあ……頑張ってるよ」
リアは苦笑する。
「スポーツ青年でいらっしゃるものね。
でも、そうした方はたいてい、勉強もコツをつかむのがお得意なものよ」
「そうかな」
リアははにかんだ。
「薔薇の学舎を卒業したら完全に王宮に入る事になるのかな。
その時、司法試験に合格して法曹資格を持っていけたらって思ってる」
リアが、シャンバラ判例六法などの書物を読んでいるのもそのためだった。

「では、このお写真をご覧になって」

【イベカ2021】実録! 空京万博!

リアは、目を見開いた。

「空京万博で、アイシャ様とストラップを作った時のお写真ね。
リアさんのアイシャ様への気持ちを、ここでお伝えいただけないかしら」

「え、なんで、え!?」
狼狽したリアは立ち上がって机の上の飲み物をこぼしそうになった。

(何でこれが! いや、だって、これアイシャとの!
気持ちって、アイシャへの?
彼女国家神だし、公共の電波だし!
そりゃ大好きだけど!)
混乱したリアがしばし呆然とする。

「生放送ってすげえ」
ザインが、スタジオの様子を舞台袖から見て大笑いしていた。

「リアさん、リアさん?」
「あ、はい!?」
「質問にお返事いただきたいのだけど」
トッドさんが、にっこりと笑った。

「……」
リアは、写真をもう一度見て、アイシャの姿を目に焼き付けた。
そして、決意して話し始めた。

「世界で一番アイシャを愛してる。
神としての彼女も、一人の女性としての彼女も
優しい所も頑張り屋な所も素直な所も、全部、好きだ。
俺にとって、世界はアイシャに等しい……」

「まあ!」
リアの心情の吐露に、トッドさんが感嘆の声を上げる。

「国家神は特別な存在を作れないけど、真実の想いに恥じる事は何も無いだろ」
リアは堂々と宣言した。

「俺を大切だと言ってくれた彼女の気持ちに応え、
相応しい存在となり傍で支え、共に生きていきたい。
俺との日々が彼女にとって大切な何かになってくれたら……ってな」
「この写真の日のような、大切な思い出、なのね」
「ああ」
リアがうなずいた。
「彼女を愛していく。
俺の寿命は彼女より遥かに短いけど、その命尽きるまで……」

★☆★


収録が終わり、リアは燃え尽きていた。

「祈祷があけたらアイシャに番組の録画を見せちゃうか。どんな顔するかな」
ザインがからかって言うので、
レムテネルがたしなめていたが、二人の声も、リアにはとても遠かった。