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リアクション
■□■
===
汝、東 朱鷺(あずま・とき)は、未知なるものの探求の冒険の中、
出会ったこともない強大な怪物に襲われ、命を落とすであろう。
===
「悪くありません」
東 朱鷺(あずま・とき)は、
自らの知識欲が満たされるであろう予言に、挑戦することを決意していた。
すでに、正体不明の魔物の情報は掴んでいる。
暗い森の中、朱鷺は、獣道をゆっくりと歩いた。
「未知なる道を進む朱鷺。
道なる未知を進む時」
独り言が零れ落ちる。
夜の中、ただ、一人きりで。
「……来ましたね」
生温かい風が、朱鷺の頬をなぶる。
瓜生 コウ(うりゅう・こう)の呼び出した、
おぞましき存在が、朱鷺に襲い掛かったのだ。
「はっ!」
八卦術を持って、朱鷺は全力で相対する。
常人であれば、姿を見ただけで発狂するであろう、相手に攻撃を叩き込む。
「ふふっ」
自然と微笑がもれた。
予言通り、朱鷺の見たこともないような怪物だったからだ。
それは、身もだえするように咆哮すると、
朱鷺の身体にのしかかってきた。
胴体からばっくりと、口のような器官が開いた。
「ああ……」
敗北。そして死。
こうまで相手が強大とは。
しかし、未知なそれに触れることは、なんと甘美であることだろう。
(死後の世界……ナラカでの未知もまた、
この朱鷺が解き明かして見せましょう)
そう思いながら、朱鷺の意識は途絶えた。
2022年8月某日、東 朱鷺(あずま・とき)さんが、
イルミンスールの森の中で、死亡しているのが発見されました。
朱鷺さんは、強大な怪物に襲われたとみられ、
警察は、複数の怪物による事件の関連性を調査しています……。
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