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レターズ・オブ・バレンタイン

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レターズ・オブ・バレンタイン
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32)

空京のショッピングモールにて。
ザカコ・グーメル(ざかこ・ぐーめる)は、
想い人のアーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)を誘い、
華やかな街を歩いていた。
「あの時は外を回っただけでしたけど、今日はあの中に行きましょう」
「うむ。
……今日ばかりは、私もあの者達の仲間入りができるかもしれんな」
「相手が自分では不服かもしれませんが……
今日くらいは自分もリア充になった気分で楽しみましょう!」
リア充に嫉妬していることの多いアーデルハイトだが、
今日は、自然とザカコと手をつないで、
カップル達でにぎわう大通りを歩くことができたのだった。

「こういうのも、なかなか新鮮で楽しいものじゃな」
「そうですね、アーデルさん」
ショッピングを楽しみながら、アーデルハイトとザカコが笑顔を交わす。
「荷物ならいくらでも持ちますよ。任せてください」
「ふふ。ありがとう。
おまえはほしいものはないのか?」
「そうですね、じゃあ、せっかくですから」

ザカコは、出店でチョコバナナクレープを買った。
「アーデルさん、甘いものお好きなんですよね」
「ふふ、なんとなく懐かしい食べ物じゃな」
ザカコとアーデルハイトは、クレープを食べ歩いた。

洋服や小物などを見て回り、
ショッピングを一通り楽しんだ後。
「今日は凄く楽しかったです。またこうして出掛けたいです」
ザカコは、アーデルハイトに、手紙とチョコレートを差し出した。
「これは?」
「これは手紙と……バレンタインのチョコです」
「私に、くれるのか? バレンタインチョコを?」
アーデルハイトが目を見開いた。
「そうですよ、アーデルさん。
アーデルさんのために作ったんです。
シャンバラ山羊のミルクを混ぜたミルクチョコです。
アーデルさんのお口に合えば良いのですが……良ければ受け取って下さい」
「どうもありがとう。
今日は、とても幸せな日じゃ」
アーデルハイトは、にっこりと笑った。
「お返しも、期待しておれよ」
「はい、とても楽しみにしています」
ザカコも、にっこりと微笑んだのだった。