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ハロウィン・コスチューム・パニック!

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ハロウィン・コスチューム・パニック!
ハロウィン・コスチューム・パニック! ハロウィン・コスチューム・パニック!

リアクション

一方。

遠野 歌菜(とおの・かな)は、魔法使いの姿で、男装を、
パートナーの月崎 羽純(つきざき・はすみ)は、吸血鬼の仮装をしていたが。

「見て見て、羽純くん!
私の男装もなかなかのものでしょ?」
そう言って、悦に浸る歌菜であったが、
2人を、煙が包み込む。
煙が晴れた時、
歌菜は、自分の身体の変化に驚いていた。
「え、うそ、胸が!?」
さらに、驚いて出した声も低くなっている。
「どどどど、どうしよう、羽純くん!」
「歌菜……男になっただと……?
俺は、なんだか、変な感じだ。
く、やけに喉が渇く……」
「ええっ!
じゃあ、羽純くんは吸血鬼になっちゃったの!?」
「そうみたいだな。
今すぐ、血を吸わなければ、どうにかなりそうだ。
だが……」
羽純は、歌菜の姿を見てためらう。
(男同士で血を吸うというのは、どうなんだ……?)

そうしていると、向こうから、ルカルカたちの声が聞こえてくる。
羽純は、とっさにそちらに視線を送る。

「は、羽純くん……。
もしかして、私以外の女の子に血をもらうつもりなの……」
歌菜が涙ぐむ。

実は、あのルカルカは、英照なのだが……。

「違う、そういうつもりじゃない」
「だって、私が男だから、吸血できないんでしょ?」
「そんなことは……」
泣いている歌菜を、羽純が、ぎゅっと抱きしめる。
普段より、いくらか、力強く。
「羽純く……」
「どんな姿でも、歌菜は歌菜だ。
俺の想いは変わらない」
羽純は、歌菜の目元に、そっと口づけ、涙をぬぐった。
「だから、もう、泣くのはやめろ」
「羽純くん」
「血を、吸わせてもらってもいいか?」
「うん!
私のなら、喜んで!」
「ありがとう」
そう言い、羽純は、今度は、歌菜を優しく抱き寄せると、
首元へと牙を突き立てる。
「あ……」
甘い痛みが、首元を襲う。
歌菜の心臓の鼓動が、早くなっていく。
すぐ近くにいる、羽純の鼓動も、近くに聞こえる気がした。

「へへ、お粗末様でした」
笑みを浮かべる歌菜に、
羽純が、優しく微笑を返す。

「ねえ、せっかくだから、記念写真を撮らない?」
「ああ、そうしよう」
おそらく、たった一度だけの、甘い経験。
それを、ずっと、2人の思い出にするために。

歌菜と羽純は、腕を組んで、記念写真を撮影したのだった。