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【2024VDWD】甘い幸福

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42.幸せの、ホワイトデーデート

杜守 柚(ともり・ゆず)と恋人の高円寺 海(こうえんじ・かい)は、
空京の遊園地に遊びに来ていた。

「今日は、めいいっぱい楽しみましょうね!」
「ああ。
……あ、柚、あんまりはしゃいで転ぶなよ?」
海が、微笑ましく恋人を見つめながら言う。

お化け屋敷に入ったり、
ジェットコースターに乗ったり。

「きゃああああああああ!!」
怖がりながらも楽しんでいる柚を優しく抱き留めて。
海は言った。
「大丈夫だ。オレがついているんだからな」
小さく、耳元でささやかれて。
柚は、頬が熱くなるのを感じた。

そして、二人で、手をつなぎ、園内を散策する。
「海くんと一緒の時間が過ごせるだけで、とっても幸せです!」
「ありがとう。オレも、柚がいるだけで幸せだ」
そんな会話をしつつも、
積極的に愛し合っているカップルを見ると、
柚はドキドキしてしまう。

「どうした?」
「は、はい!」
海に声をかけられ、柚はちょっと挙動不審になってしまう。
(私からあんなに積極的に、は、無理ですから。
……自覚なく抱きついてることはありますけど)

「なあ、腹がすいたろ?
食事にしようぜ」
「はい、海くんは何が食べたいですか?」
「そうだなあ、あのハンバーガーショップはどうだ?」
「いいですね、ポテト、大きいのたのんで半分こしましょうか?」
「ああ、それ、いいな。……今日はほんとに楽しいことばっかだよ」
海は、微笑を浮かべ、柚も、明るい笑みを浮かべたのだった。

そして、一日はあっという間に過ぎて。
空京の夜景を眺めるため、二人は観覧車に乗ったのだった。

「傍に行ってもいいですか?」
「ああ、もちろん」
観覧車の中、隣同士に座って、普段より顔が近いことにドキドキしつつ、
柚は、そっと海に寄り添った。