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【ざんすか内乱】ざんすかの森、つぁんだの町【第1話/全3話】

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【ざんすか内乱】ざんすかの森、つぁんだの町【第1話/全3話】
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リアクション

■□■3■□■「えっと、ベアはくまだから、くまさんのハグですか?」

 「ううう、どうなっているんだ……」
 孤立して倒れたつぁんだに、マッシュ・ザ・ペトリファイアー(まっしゅ・ざぺとりふぁいあー)が、
 小型飛空挺から、大量のチョコレートをかけた。
 「ぎゃあああああああ!?
  何をするんだ!?」
 マッシュは氷術で、つぁんだにかかったチョコレートを固める。
 「じゃたに色んな所を舐めてもらうといいよ。
  あんな所やこんな所もね。
  抵抗しようにも固まってて動けないだろうけどね、アハッ☆」
 人を固めること、固まった人間を見るのが大好きなサイコキラーのマッシュが言う。
 「ヒャハハハハハ」
 「うわあああ、なんの恨みがあって僕にこんなことをするんだ!?」
 「だって、気が強い子に屈辱を与えた方が面白いでしょ。
  そういう子の方が虐めがいがあるんだよね」
 マッシュは、つぁんだにじゃたをけしかける。
 「ヒャハハハハハハハハハハ」
 「うわああああああ!?」
 「じゃたじゃたじゃたがじがじがじ」
 つぁんだは、じゃたに全身噛まれるのであった。
 
 「ぎにゃあああああ」
 じゃたは満足して離れたものの、半死半生のつぁんだであったが、
 ヴァーナー・ヴォネガット(う゛ぁーなー・う゛ぉねがっと)が止めに入る。
 「待つです! ボクはつぁんだちゃんのみかたです!」
 「ふーん、つまんないの。
  今日のところはこれで許してあげるよ」
 マッシュは、周囲の様子も見て、撤退する。
 
 「つぁんだちゃん、かわいいですー」
 「うわあああ、やめろおおおおおおお」
 ピンクのフリースに赤黒チェックのミニスカ姿のヴァーナーは、
 つぁんだと仲良くなりたいと、ハグしてかいぐりしたが、
 パニックになっているつぁんだは逃げようと暴れる。
 「ほら、おんなのこがそんなにあばれたらあぶないですよー」
 ヴァーナーはパワーブレスをかけて、つぁんだを逃がさないよう腕力を強化した。
 「や、やめ、くるし……」
 「つぁんだちゃん、かわいいー」
 「ほ、骨がぼきぼきいって、ぐはっ」
 ヴァーナーはベアハッグでつぁんだを気絶させた。
 「あれ?
  あ、やっぱりケガしてたんですね。ボクがなおしてあげるです!」
 殺されかけるつぁんだであったが、
 ヴァーナーはつぁんだの身を案じており、グレーターヒールをかけた。
 「……なんなんだよ君は!
  ベアハッグした後で回復させたりとか!」
 「べあはっぐですか?
  えっと、ベアはくまだから、くまさんのハグですか?
  かわいいですね!」
 「そうじゃないだろっ!?
  いや、そうなんだけどっ」
 そんな漫才をしつつも、ヴァーナーは本気でつぁんだを心配している。
 「ケンカはやめましょう!
  ボク、つぁんだちゃんカワイイから大スキです!」
 「……ううー」
 今まで学生の味方が少なかったこともあり、
 いきなり全開の好意をぶつけられて、つぁんだはおとなしくなる。
 「つぁんだちゃんやほかの地祇ちゃんたちに、
  ミスドのはちみつドーナツを
  もってきたです!
  みんなで食べましょうです!」
 「わかったよ、ちゅーとかするな、ぎゃー」

 瀬島 壮太(せじま・そうた)と、
 パートナーの守護天使ミミ・マリー(みみ・まりー)は、
 中立の立場として、治療所を作り、怪我人の治療にあたっていた。
 「なんか派手な喧嘩が始まるらしいって聞いたから来てみたけど、
  オレは遠巻きに眺めてるだけでいいや。
  地球じゃ喧嘩三昧だったけど、なんつーの、もう枯れちゃったっていうか、
  傍観していたいっていうか、
  孫を見守る爺さんの気分っていうか。
  ここにボンキュボンのきれーなお姉さまがいたら、
  絶対にそっち側の味方についたんだけどなあ」
 「壮太、これ僕の負担多すぎない?
  いくら自分がヒール覚えてないからって……」
 壮太は、怪我人を適当に転がしておくだけで、あとはまかせっきりのため、
 ヒールやナーシングを一人で使用しているミミが抗議する。
 しかし、壮太は、携帯アプリをダウンロードして遊びはじめていた。
 「よし、怪我してないやつは真のところに行きな。
  たくじしょ……じゃなかった、おやつもらえるらしいぞ。
  おーいミミ、ちゃきちゃきヒールかけろよー」
 「ねえ壮太ー、もう僕疲れたよー。
  僕もおなかすいたよー」
 壮太が、治療された者や、わらわら集まってしまった地祇を、
 椎名 真(しいな・まこと)のもとに送り出す。 
 「あーはいはい、後でハンバーガー奢ってやるからちゃんと働けよ」
 「えっ……しかたないなあ」
 ハンバーガーが好物のミミは、少しやる気を出すが、さすがに限界であった。
 「ねえ……壮太ってば、もう疲れちゃってヒールかけられないよう……」
 「はいはい、SPリチャージねっと」
 かくして、馬車馬のように働かされ、ミミは倒れた。
 「……」
 「あ、死んだ」
 同時に、壮太の携帯アプリで、カエル型の自機が爆発した。