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リアクション
■□■2■□■ 未来の自分とソーセージ奪い合い
一方、ソーセージの埋められた泥沼では。
武神 牙竜(たけがみ・がりゅう)が、未来の自分の野望を止めるため、
ソーセージを泥に埋める前にバーストダッシュで駆けつけようとしていた。
(未来の俺は、フラグを全て維持するフラグの王……
この恋愛帝国主義者の王が考えることは……
未来の静香校長を元に戻すことを妨害して、尚かつ自分の有利なことを考えるはずだ。
キーワードは「生える」「ソーセージ」「フラグ」。
男の象徴が生えるなら、女性との行為の時に使うとしたら……
奴の狙いはソーセージがもたらす生えるほどの生命力……すなわち、絶倫体質!
スゲェー馬鹿らしいけど、よい子がやってはいけないゲームの場合だと必須スキルだよな?
奴はソーセージを泥に埋める瞬間に何か仕掛けるはず。
俺のもっとも得意なのは空を飛ぶこと、
空を駆けるヒーロー、ケンリュウガーなら上空で仕掛けるはずだ。
今からまにあうか?)
「まにあえ、まにあえ!」
しかし、未来の牙竜は、
ソーセージが埋められた場所の近くに、
大量のソーセージをばらまいた後であった。
「フハハハハハ!
【畏華面四天王】のフラグ王:田中ハメ太郎様が簡単に死ぬわけないだろう!
ソーセージは俺が頂く!
そして、ソーセージを食べて男の象徴を二本にして最強絶倫になってやる!」
「まにあわなかったか……決着だけはつけるぞ!
この未来を否定する!」
ケンリュウガーは未来の自分と対峙する。
「ふん、過去の俺よ、貴様はケンリュウガーソーセージでも食べて、
DHAの補給でもしていればいいのだ!」
未来・牙竜は、短刀と銃を構える。
(未来の牙竜は相変らず、短刀に銃が武器か……
俺はいつか、愛する人に認めて貰える男になるために、
グレートニャッツを持っているが使わない。
セイニィに認めて貰うまでは。
今を覚悟を未来に繋げるために!)
「決着を付けるぞ、フラグ王。
俺が勝ち取る未来のために……オマエに明日は来ない!」
ケンリュウガーは構えを取る。
「あと、ケンリュウガーソーセージにはカルシウムも豊富に含まれてるんだ!
忘れるな!」
★☆★
二色 峯景(ふたしき・ふよう)は、未来の自分とともに、
オーク達を率いて、未来・静香の軍勢と戦っていた。
未来・峯景は、十嬢侍の下士官【百合園不敗】として、
神に近づいた静香に心酔しているものの、
その静香が人に戻ろうとしているため、静香を止めようとして、
現在の自分と共闘しているのであった。
「優しい世界をつくり上げる……こんな面白いことはないだろう?」
理想の国家を作りたいと考えている現在・峯景にとって、
今回の事件はよい学びの機会でもあった。
現在・峯景は、暴走する張角をおとなしくするために、
ゴブリンやオークに根回しを行い、孤立させようとしていた。
張角をカンガンガニの部屋に閉じ込めたり、
全員を寝返らせることはできなかったが、
張角軍の一部は混乱した。
「おい、どこに行こうとしている!?」
張角が、軍勢の一部が逃走するのを見咎めて叫ぶ。
「ははははは!
この私、【百合園不敗】に恐れをなして逃げ出したのだろう!」
未来・峯景の挑発に、張角は苛立ちを隠さない。
「黙れ、宦官め! 皆殺しにしてやる!」
★☆★
一方、咲夜 由宇(さくや・ゆう)は、
女だが十嬢侍の一員となった未来の自分を説得しようとしていた。
「こんなことだめですよう!
仲良くしないとです!」
しかし、未来・由宇はにやりと笑う。
「まあ、童は本当はソーセージなどどうでもよいのじゃが。
命令されたからにはそこそこにはやらんとのう」
「あうう、聞いてもらえませんー。
じゃあ、最終手段です!」
現在・由宇は、エレキギターを取り出していきなり歌い始める。
幸せの歌が、辺りに響く。
「ケンカはいけません〜なかよくしましょう〜
みんなでソーセージをたべれば
とってもなかよしー
たりないならば、はんぶんこーはんぶんこー
これでかいけつですぅー」
曲に合わせて、バックで二人の牙竜の戦闘が行われる。
「はあッ!!」
ケンリュウガーは、未来の自分にとどめを刺す。
「俺はもうだめだ……過去の俺よ。
ソ、ソーセージを……それがないと、心細くて地獄にも行けん」
「わかった、せめてもの情けだ」
ケンリュウガーは、その辺りに埋まっていた、
本物とも偽物ともつかないソーセージを差し出した。
本物も大量に生産されているため、もはやどれがどれだかわからない状況であった。
未来・牙竜は、ケンリュウガーの首にソーセージを突き付け言う。
「ハハハ……俺はフラグ王だ!」
そして、未来・牙竜は動かなくなった。
「あ、あれ? なんか、処刑ソングになっちゃいました?」
現在・由宇はその様子を見て言う。
そこに、あほ毛を動かして、未来・由宇が襲い掛かる。
「ふふふ、自分自身の血を飲んだらどうなるか試してみたかったのじゃ!」
「きゃあああああ!?」
後ろから首筋に噛みつかれて、現在・由宇は目を回して倒れる。
「ククク、無様よのう」
血を吸い終わった未来・由宇は、そう言い、立ち去ろうとしたのだが。
「シュール展開、85点だ!」
「静香様のために働かず、個人的なことだけで動く者は、
十嬢侍として許せん!」
二人の峯景が、同時に未来・由宇に襲い掛かり、手で掴みかかる技で攻撃しようとする。
だが、二人で未来・由宇の両胸を触ってしまった。
未来・由宇のあほ毛が、怒りに震える。
「ブチ殺してくれるわ!!」
「「ぎゃあああああああああああ!?」」
二人の峯景は、未来・由宇にぶっ飛ばされてお星様になった。
★☆★
「くっ、言うことを聞け!」
一方、そんなことをしていた現在・峯景の策略のため、
張角は、ゴブリンとオークの一団が言うことを聞かなくなったので周りを襲えなくなっていた。
★☆★
「本当の愛を知らない男……哀れな奴だった」
ケンリュウガーが、未来の自分の手からソーセージを拾おうとすると、
二人のミルディア・ディスティン(みるでぃあ・でぃすてぃん)が、高台から現れ、ソーセージを奪う。
「おっと、そいつはあたしらの獲物でな。戴いてくよ」
銃を片手に、未来・ミルディアは笑う。
「すまんな。お客様の要望なんだ、そのソーセージは戴くよ」
「ごめんね?
これ、あたしも必要なんだ……」
現在・ミルディアはすまなそうに言う。
「あのフラグ王の田中ハメ太郎が認めたソーセージなんだ。
きっとこれが本物なんだろうさ」
「なんだと!?
『お客様』というのは誰のことだ!
未来の静香校長か!?」
「お客様の情報? すまんがそれは言えんわ。信用問題だからな」
ケンリュウガーの問いには未来・ミルディアは答えない。
(そういえば、未来のあたしが言ってるお客様って誰なんだろ?)
現在・ミルディアも、考える。
ソーセージをまずは手に入れることしか考えていなかったため、
手に入れた後のことはまだ考えていなかったのであった。
(ちゃんとした人に渡るんだったらいいんだけど、
このままでいいのかなあ?)
現在・ミルディアが考え込んでいると、
「断罪キーーーック!!」
「「ガフッ!?」」
いきなり、未来の坂上 来栖(さかがみ・くるす)の蹴りが
二人のミルディアの後頭部に炸裂し、ぶっ飛ばされた。
「ふふふ、ソーセージは私のものです!」
ローブ姿の未来・来栖は、十嬢侍の一員であった。
「悪役もなかなかわるくないですよ」
「あ、あれは未来の私!?」
現在・来栖は、その様子を見て驚く。
「女の身体のはずなのに、なんで十嬢侍になってるんでしょう。
パラレルワールドだから?
って、そんなこと考えてる場合じゃありませんでした。
未来の校長も元に戻りたいんじゃないかと思います。
悪役とか言ってましたし、ソーセージを渡すつもりなんかないんでしょう。
ソーセージをよこしなさい!」
しかし、未来・来栖は現在・来栖と泥の中でもみあいながら言う。
「あなたも私なら分かるでしょう?
私の神は私自身ですッ!!」
「我ながら良い性格してますね、くたばれッ!!」
現在・来栖はブチ切れると、泥まみれになりつつ戦い始める。
「あっ、ソーセージがッ!」
ケンリュウガーは叫ぶ。
二人の来栖の泥レスにより、
ソーセージは再び泥の中に埋まってしまったのであった。
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