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第4章 着せ替え魔人の恐怖story2

「ぴったりの衣装があるわよ♪さぁ、いらっしゃい」
 着せ替え魔人Cのネージュが大広間にいるミーナ・リンドバーグ(みーな・りんどばーぐ)たちを着替えさせようとする。
「すっごいいっぱいありますね!」
 服だらけの部屋に連れて行かれ、どうコーディネートしてくれるのか目を輝かせる。
「うーん、冬っぽい感じがいいかしら」
「そうですね、暖かい感じがいいです!―・・・これ、男の子スタイル・・・ですか?」
 フリフリのロリータ系ファッションを期待していたが、その真逆に長袖を着せられテカテカな皮製のズボンを履かせられたあげく、銀色のチェーンをズボンにつけられた。
 ワニ皮のベルトは大きめでワイルドな雰囲気だ。
 ファーつきの綿ジャケットを着せられ、留めとして男物のエナメルを履かせられる。
 どこをどう見てもロリータとはほど遠い格好になってしまった。
 遠目から見ればボーイッシュというより、どこかのチャライ野郎に見える。
「うぅ、そっちはどんな格好になったんですか・・・。―・・・ずるいです!ミーナもフリフリが着たいです!!」
 着せ替えさせられたフランカ・マキャフリー(ふらんか・まきゃふりー)の姿をちらりと見ると、可愛らしいチェックのスカートを穿かせてもらっている。
「よく似合っていますよぉ〜!」
 不服そうな顔をするミーナに対して、彼女の格好を見て嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねる。
「いやぁあ〜、ミーナは可愛いのがいいんですっ」
 ロリータ系の服を着たいと、フランカが頭につけている蝶のようなリボンの飾りを指差し、床に転んでじたばたと暴れる。
「うーん・・・あるかな」
 ネージュはハンガーにかけられている服を発掘するように、ミーナに合う衣装を探してみる。
「これならどうかしら?」
「それがいいですっ」
 フリルつきのピンクベースのワンピースがいいとはしゃぎネージュに着せてもらう。
 肩の辺りはお姫様のようにふわっとした感じで、頭には星の飾りをつけられた小さなハットを被せられた。
「ウフフッ、こういう格好をしてみたかったんです♪」
 ミーナは姿見に自分の姿を映して満足そうに微笑む。
「次はこれきるの?―・・・もしかして下着も替えるの?」
 中の方も変えるのかと、フランカが首を傾げる。
「下着は見えないから変えなくてもいいと思うんだけど。変えたい?」
「うん・・・」
「あるかな・・・うーん。これでいいかな、持ち主は着ていないような感じがするけど」
 -ナレーション-
 下着を着替え中・・・ページはそのままでしばらくお待ちください。
 フランカは紐のパンツとレースのついたブラジャーに下着を変えられた。
「着る服を選んだわよ。着せてあげるわね♪」
「ん、いいかも」
 丸襟のシャツにホワイトベースの裏地がティープグリーニッシュブルーのフードつきジャケット、ブラックの短パンを穿かされダークグレイのニーハイブーツを履かされる。
 普段はロリ系の服ばかり来ている彼女だが、その真逆でボーイッシュな格好にさせられた。
「ぽーずはこれでいいの?」
 3人の目の前でフランカはノリノリで決めポーズをとってみせる。
「ミーナちゃんとフランカちゃんのかわいい格好が見れて大満足です♪」
 高島 恵美(たかしま・えみ)は着替えさせられた2人の姿を眺め、目の保養になったというふうにキラキラと瞳を輝かせる。
「見るだけじゃないのよ、着替えるのよ♪」
「えっ?私も着替えるんですか、どんな服でしょう」
 ネージュにじろんと見られ、恵美も着替えさせられてしまう。
「今年流行の姫系よ!姫サバって呼んでいる人もいるけど、サバはサバでもお魚の方じゃないわよ」
「たまにはこういう格好もいいですね」
 イオノプシスの花柄がビーズで刺繍されたワンピースを着せてもらい、ホワイトカラーのヒールで清楚なイメージにコーディネートしてもらった。
「フリルのついた日傘と合わせると素敵です♪」
 恵美は嬉しそうにくるりと回り、姿見に映された自分の姿を見て微笑む。



「さあ、貴方たち・・・心の葛藤・プライドという鎧を脱ぎ捨てて未知の扉を開くのよ!!」
 オルベール・ルシフェリア(おるべーる・るしふぇりあ)は衣装を抱え、師王 アスカ(しおう・あすか)たちに迫る。
「ねえ、ベル・・・?私たちロリオ君を助けるはずじゃなかったの〜・・・?」
 頬から冷や汗を流し、恐る恐るオルベールに当初の目的を聞く。
「アスカ・・・記憶にはないわ」
「ちょ、どっかの政治家みたいに言わないで〜っ」
「鬱姫ちゃん、逃げましょ!ルーツも早く!!」
 何かにとり憑かれた様に迫るオルベールから逃げようと、北郷 鬱姫(きたごう・うつき)の手を引っ張り廊下を走る。
「簡単に逃げられると思ってるの?」
 -ナレーション-
 着せ替え魔人Cネージュが現れた。
 逃げ道に立ち塞がれ、通ることが出来ない。
「だったらこっちの通路よ!あ、オルフェリアちゃん!ちょうどいいわ、ベルが私たちを着替えさせようとするのよぉ。助けて〜」
「着せ替えですか、それって・・・こんな感じのですか〜?」
 オルフェリア・クインレイナー(おるふぇりあ・くいんれいなー)は助けるを求めるアスカに、ミニウェディングドレスを見せてニヤッと笑う。
「きゃあぁああーっ、オルフェリアもなの!?」
「はい♪」
 まったく悪気のないような笑顔を向けるが、その裏は着せ替えたいという黒い念が渦巻いている。
「逃がさないですよー」
 背後から羽交い絞めにされ、オルフェリアに捕まってしまう。
「いやぁあ、離してっ」
「アスカ、まずはこれを着てみて♪ルーツちゃんはこれね、鬱姫ちゃんはこれよ」
「や、やめてくれっ!こんなの着れる訳ないだろう!?」
 ルーツ・アトマイス(るーつ・あとまいす)は顔を左右にぶんぶんと振り拒否する。
「女の子が着せてくれるなら、着てみたいですね・・・」
「鬱姫ちゃん!?何を言っているの、そんなのベルが喜ぶだけなのよぉ〜。ルーツ、何とかして!」
「アスカ・・・諦めよう、女性に手はあげられない」
 押しの強さに負けたルーツは死んだ目になり、諦めモードに入る。
「ルーツ〜!?カムバッ〜ク!」
 -ナレーション-
 着せ替え魔人Gオルベール・ルシフェリアの一撃で、ルーツはメンタルダメージをくらい倒れた。
 返事が無い、ただの躯のようだ。
「ちょっと、冗談やめてよ。ねぇルーツ!」
 -ナレーション-
 返事が無い、ただの躯のようだ。
「早くベルたちから逃げなきゃっ。ルーツ・・・ルーツってば、しっかりしてよぉ〜」
 -ナレーション-
 返事が無い、ただの躯のようだ。
「ルーツ・・・」
 -ナレーション-
 返事が無い、ただの躯のようだ。
 返事が無い、ただの躯のようだ。
 返事が無い、ただの躯のようだ。
 ―・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 もう諦めろ・・・。
「え、最後の何よ!」
「諦めて着るのよ、アスカ♪」
「ひっ、いやぁああーっ!」
 -ナレーション-
 着せ替えられ中・・・ページはそのままでお待ちください。
「結局、着せらちゃったわぁ」
「よくこんなの着れるなラドゥは・・・。胸元が寒い、この時期にはキツイぞ。しかも何だかマントが重い・・・」
「着せてあげるわね」
「ちょっと・・・自分で脱ぎますから脱がさないでくださいーっ!うぅ・・・胸がキツイです」
 オルベールに脱がされそうになった鬱姫は慌てて彼女から離れる。
 サイズが合わなかったのか、服に胸を圧迫され苦しそうな顔をする。
「着たら各自、その衣装に合う決め台詞を言ってね〜。3・2・1、はい!!!」
「私、あの高笑いをしなきゃいけないの!?―・・・はーはっはっは!(もう、なるようになるしかないわ)」
 セレスティアーナのコスプレをさせられ、焼けになったアスカは涙を流し高笑いをする。
「き、貴様のためを思っての事ではない。勘違いするな」
 ルーツは恥ずかしさで顔が真っ赤になり、ぷいとそっぽを向く。
「―・・・いがみ合っても何も良いことないよ。みんな仲良く、ね?」
「いいわ・・・貴方たち」
 撮影しながらオルベールが鼻血をぽたりと垂らす。
「ベル!鼻血、鼻血!!」
 気づかずにぽたぽたと垂らす彼女に、ルーツがティッシュを差し出す。
「それにしてもこの格好、恥ずかしいわぁ〜」
「何を言っているんです?2人は自ら脱ぎましたよ」
「う、嘘ぉお!?」
 オルフェリアの言葉にアスカはパルフェリア・シオット(ぱるふぇりあ・しおっと)の方を見ると、自ら脱いでオルフェリアに着せてもらっている。
「せかっくだから着なきゃ!普段着れないもの。可愛い服やかっこいい服ならパルフェリアは気にしないわ」
 花魁風の艶やかな浴衣を着せてもらい、鏡で自分の姿を見て満足そうに微笑む。
「パルフェの言う通りじゃ。この機会を逃したらもう着ることが出来なくなってしまうかのしれないんじゃぞ」
 タルト・タタン(たると・たたん)も自ら脱ぎ、当然のように桜柄着物をオルフェリアに着せてもらっている。
「ウフフッ、とっても可愛いですよ♪」
「でもえっちのはお断りよ」
 他の服も着せようとするオルフェリアに、パルフェリアがふるふると首を左右に振るう。
「じゃあ露出が多いのは無理ですか」
「タルトが今着ているやつを着てみたいな」
「分かりました〜♪」
「それならわらわはパルフェのやつを着たいのじゃ」
「服を交換するんですね?今着せ替えてあげますよ〜」
 オルフェリアは互いの衣装を羨ましがる2人の服を脱がせて交換する。
「そちらの方はセクシィ〜なのを着せましょうか」
「えぇっ!そんな大胆な服を私が!?」
「ウフフッ♪」
 脇の下にスリットが入り、紐で結んで止める肩だしドレスを鬱姫に着せる。
「あたしが愛用する一流ブランドのロリ服を着せてあげるね♪まずはロイヤル・スピラーレの服から・・・っ」
「着てみたいのじゃ!」
 ネージュが持ってきた可愛らしい服を着せて欲しいとタルトが走り寄る。
「いい感じじゃのう♪」
 ペチコートとパニエの上に浅葱色のチェックのコンビネーションワンピースを着せてもらう。
 美しい形に広がったワンピースをひらひらと揺らせて楽しむ。
「ミルヒ・シュトラッセのやつを着せてあげるわ」
 ネージュは自慢の服を持って本日のメインターゲット鬱姫に詰め寄る。
「フッフフフ。拒否してもあたしからは逃げられないよ♪」
「や・・・、そんなところ。きゃぁあっ」
 有無を言わさず真夜中の星屑ブラウスと紐リボンのフリルミニスカート、流れ星オーバーニーソックスでコーディネイトする。
「(どうして平気なのぉ〜)」
 そこはもうアスカの知らない別世界と張り果てていた。
「十二星華のもあるわよ」
「まだ着るの〜?」
 マニアックなロリ服やら着せられまくったアスカはぐったりと疲れてしまい床にへたり込んでる。
「ありまえじゃないの♪」
 疲れている彼女に対して、オルベールはお構いなしに強引に着せて楽しむ。