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夢は≪猫耳メイドの機晶姫≫でしょう!?

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第一章 喫茶店の準備

「「パートナーを猫耳メイドとして参加させるそうですわ」
 水無月 睡蓮(みなづき・すいれん)に連絡をとっていたミスティーア・シャルレント(みすてぃーあ・しゃるれんと)は、電話を終えて仲間の下へ戻ってきた。
「了解だ」
 戻ってきたスティーアに夜月 鴉(やづき・からす)は箒を持った手を上げて反応した。
「それにしても本当にここを拠点にするのか?」
「……喫茶店」
「あぁ、そうだったな」
 ドゥムカ・ウェムカ(どぅむか・うぇむか)の言葉をバルト・ロドリクス(ばると・ろどりくす)が訂正した。
 彼らがいる場所は、埃と大量のガラクタが積み上げられ物置になってる小屋だった。
 生徒達は話し合った結果。この小屋を改造して喫茶店にするのが一番いいだろうという結論になった。
 そこでスティーア達が掃除をすることになったのだ。
 ドゥムカが自分の頭に手を乗せてぼやいた。
「にしてもすげえ埃だな。せっかく決めてきた俺の髪が台無しになっちまう」
「何言っていますの。あなた髪なんて生えてないじゃない。いいから、さっさと掃除しますわよ」
「へいへい」
「……掃除」
 スキル【ハウスキーパー】でスティーアがテキパキと掃除を進めていく。
 周りが黙々と作業を進める中、ガラクタが入った段ボールを片づけていた東園寺 雄軒(とうえんじ・ゆうけん)が深いため息を吐いた。
「なぜ私が……」
 そんな雄軒の肩に鴉は軽く手を置いた。
「今更、愚痴ってもしょうがない。諦めて掃除しようぜ」
「そうですわ。諦めて働きますわよ。さぼったら……ボロリ、としゃべってしまいそうですわ」
「うっ」
 スティーアが雄軒に爽やかな笑みを浮かべる。
「何をだ?」
「き、気にしなくていいです! 今は掃除です」
 顔を真っ青にした雄軒は慌てて、鴉の背中を押してスティーアから離れた場所で掃除を再開する。
 各々が額に汗を浮かべながら掃除を進める。
 すると、相変わらずガラクタを片づけていた雄軒があるものを発見した。
「ん? これはなんですか」
「なんかあったか?」
 それはメイド服だった。
「騨の奴、そんなにメイドが好きなのかよ……」
「……ボロボロ」
「あら、これ何かしら?」
 スティーアはメイドの服の隅にできた染みを指さす。
「これは――」
「……血」
「……」
「……」
 血の付いたボロボロのメイド服
 それがどんな意味を持つのか彼らはまだ知らない。