薔薇の学舎

リアクション

■■■　Ｈｅｃａｔｏｍｂ


１８ターン。ラドゥのドロー（手札４枚）
ここで着ぐるみを脱いだ『久途侘助』の効果が復活、残りライフは５８００に。

「さて、まずは『Ｔｈｅ　Ｓａｃｒｉｆｉｃｅ　ｏｆ　Ｒｏｓｅｓ』の効果で『四谷大助』を呼び戻す。」

地中に埋もれていた大助がふたたび戦場に呼び戻された。

「それでは攻撃と行こうか。
　『曖浜　瑠樹』と『四谷大助』によるアタックだ！」


レベル６２　曖浜瑠樹　戦闘力６４００
レベル８５　四谷大助　戦闘力８５００


真奈美は深呼吸してカードを場に出す。
「トラップカード発動！　『百合園のお茶会』！」

そのカード名を聞いて、ラドゥの白い顔がさらに蒼白となった。
「貴様！　なぜそのカードを持っている！
　そのカードは世界にただ一枚、ヴァイシャリー家にのみ伝わるカードだぞ！」

「え、あのカードってそんな重要なものだったんだ」
ラドゥの言葉を聞いて、七瀬　歩（ななせ・あゆむ）は納得したような意外なような顔をした。


数日前のこと。
歩「ラズィーヤさん、タシガンの血闘を見学してきますね」
ラズィーヤ「お待ちになってくださいな。このカードを真奈美さんに渡していただけないかしら。このカードを使えば、みなさんもきっと百合園の素晴らしさがわかると思いますのよ」
歩「（ラズィーヤさんもカードもってたんだ、ちょっと意外）わかりましたー！」


「……というような由来があって、今ここにこのカードがあるのさ！」
伝説のカード『百合園のお茶会』とは、果たしていかなるカードなのか！？


　トラップカード「百合園のお茶会」
　効果：このカードが発動した時、場にある男性クリーチャーは女装クリーチャーとして扱う。
　女装クリーチャーが百合園クリーチャーと交戦した場合、「宦官」となり敗北する。
　場に伝説のクリーチャー・ラズィーヤが居る場合はコントロールを奪われる。


「このカードの効果によって、場に出ているすべての男性クリーチャーは女装クリーチャー……つまり『男の娘』となった！
　そして『七刀切』の効果はこうだ！」


七刀切の能力『妄想』
効果：戦闘時、相手が女性クリーチャーまたは男の娘の場合、戦闘力が２０００上がり鼻血が出る。
　相手が「コスプレ」状態の場合、戦闘力が更に１０００上がり鼻血の勢いが増す。
　相手が男性クリーチャーの場合、やる気をなくし戦闘力が３０００減る。


ラドゥの陣地から、蒼空学園女子制服姿の四谷大助が走り出てきた。
その前に立ちふさがる七刀切。葦原明倫館女子の制服姿だが、大助の姿を見て鼻血が止まらない。

それはそれは百合百合しい光景であった。
だが両方とも男だ。


レベル８５　四谷大助　戦闘力８５００
レベル６５　七刀切　戦闘力８５００


ラドゥの陣地から、教導団女子制服姿の曖浜　瑠樹が走り出てきた。
その瑠樹に追いすがる風森巽。蒼空学園女子の制服姿だ。

それはそれは百合百合しい光景であった。
だが両方とも男だ。


レベル６２　曖浜瑠樹　戦闘力６４００
レベル６４　風森巽　戦闘力６４００


そんなわけで、彼女（？）たちは全員墓地へ送られた。

「すまん、みんな……
　だけどきっとサービスシーンになったと思うんだ……
　あと『男の娘』は英語圏では『Ｔｒａｐ』と呼ばれることがあって、“トラップカード”というのは……うん、ごめん忘れてくれ」

『やらニャいか？』から『百合園のお茶会』のコンボで精神的疲労を隠し切れない真奈美である。

「……いまので百合園の素晴らしさ、伝わったのかなあ？」
歩はそうつぶやくしかなかった。


ラドゥ、失意のうちにターンエンドを宣言。


１９ターン。真奈美のドロー（手札６枚）

なんとか窮地を脱したものの、相手の陣地にはまだ２体のクリーチャーが残っている。ここで攻撃されては勝ち目がない。

「クリーチャー召喚！　『“やりたいようにやる！”グリムゲーテ・ブラックワンス（ぐりむげーて・ぶらっくわんす）』だ！」


レベル５６　グリムゲーテ・ブラックワンス　戦闘力５６００


「少しくらい苦しくても大丈夫よね？　勝つためなんだもの♪
　さあ大助ー！　ご主人様を一人にするなんて、下僕失格よ！
　さっさと来なさーい！」

グリムゲーテが大声で呼ぶと、ぼろぼろになった大助が墓場から戻ってきて手札に入った。
グリムゲーテの特殊効果『下僕呼び出し』である。

手札に戻ったのはいいものの、大助はレベルが高いため通常の手段ではまだ召喚できない。

「続けてクリーチャー召喚！　『“皆のお父さん”如月　佑也（きさらぎ・ゆうや）』だ！」


レベル６８　如月佑也　戦闘力６８００


「これでラドゥの防御を突破できる……ターンエンドだ！」