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半透明な少女の願い

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半透明な少女の願い

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「古城の管理者……?」

 ラズィーヤ・ヴァイシャリー(らずぃーや・う゛ぁいしゃりー)は目の前のシュリー・ミラム・ラシュディ(しゅりー・みらむらしゅでぃ)へ言った。

「早急に調べますわ」

 そう言うと、ラズィーヤは近くの人物へ目をやり、その人物は無言で頷くと、部屋を後にした。

「もう一つ、いいかしら」

 シュリーは口を開き、真っ直ぐにラズィーヤを見た。

「図書館の閲覧許可を頂きたいのだけれど」

 幽霊だと言うのなら、かつては存在していた身体の眠る場所がある筈だわ。其処を調べる事が出来たなら、魂の彷徨う原因が判るかも知れない。
 シュリーはそう、考えたのだった。

「自由に見て頂いて構いませんわ。ただし、何かありましたら職員の指示に従うようにお願いしますわ」
「有難う、それじゃあ、図書館へ行かせて貰うわね」

 会話を終え、シュリーはやや足早に、図書館へと向かう。

「――っ」

 その途中、廊下の端に置かれたダンボール箱に足をかけそうになった。

「……」

 シュリーはその不自然に位置する箱を3秒程見つめた後

「……ただのダンボールね」

 何の疑問も持つ事無く、その場を過ぎたのだった。


「了解した大佐」


誰も居ない廊下にどこからか、そんな声が小さく響いた。