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年越しとお正月にやること…エリザベート&静香

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年越しとお正月にやること…エリザベート&静香

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第3章 美味しい蕎麦を食べて年明けを待とう

「蕎麦が出来たようだな、会場の準備も終わったし運ぶのを手伝うとするか」
 正月のパーティー会場の準備を終えた道明寺 玲(どうみょうじ・れい)が蕎麦を運ぶのを手伝う。
 すでに彼女によってお菓子やトランプカード、テーブルまでもセッティングされていた。
「いろんな年越し蕎麦があるんどすなー。どれから食べたらえぇんやろ」
 イルマ・スターリング(いるま・すたーりんぐ)は運ばれてきた蕎麦に目を輝かせてどれから食べようか悩む。
「沢山作ってしまったから、よかったら食べてみないか?」
「えぇの!?ほな、遠慮なくいただきまひょか」
 司に蕎麦をすすめられてイルマは喜んで食べる。
「んー、この蕎麦・・・歯ごたえ最高どすなぁ〜」
「別に・・・・・・大した料理じゃない。誰でもできるような物だ。(普段は料理なんてしないが、なかなか評判がいいようだな)」
 褒められた司は恥ずかしがって表情や口には出さないものの、心中ではかなり嬉しそうだった。
「この海老天もサクサクで美味しいどすぇ」
「ふふふっ、そうですか?」
 最初は嫌々手伝っていたサクラコだったが、高評価に満足そうな笑みを浮かべる。
「おぉうめぇ〜!頑張って調達してきたかいがあったぜ」
 武尊は涼介の作った蕎麦を何杯もおかわりする。
「まぁまぁの出来だな」
 作った鴨汁蕎麦を食べ、大佐は出来栄えに満足した。
「―・・・ふぅ、ごちそうさまっと」
 スープまで残さず飲み干す。
「和風のものを洋風にしてみるとなかなかいいわね」
 スプーンで洋風の天ぷら柚子アイスをすくって食べると、爽やかな甘酸っぱい味わいがプリムローズの口の中に広がった。
「今度また作ってみようかしら」
 オリジナルスイーツとしてレシピをメモに書きとめる。



 蕎麦とお節を作り終えた有栖とミルフィは、晴れ着に着替えていた。
 疲れているミルフィは野菜の皮むきだけで後の調理は全て有栖が担当した。
「とても美味しいですわ、お嬢様!」
「そう言ってくれると作りがいがあります、フフフ♪」
「年越し蕎麦ですか、美味しそうですね」
 暖房の効いた和室の畳の上でのんびりしていたメイベル・ポーター(めいべる・ぽーたー)が、有栖の作った年越し蕎麦を見て食べたそうに見つめる。
「僕も食べたいな」
 蕎麦の香りに誘われてセシリア・ライト(せしりあ・らいと)も欲しそうにする。
「美味しそうですわね、食べてみたいですわ」
 トランプゲームを中断したセリシアの後を追ってフィリッパ・アヴェーヌ(ふぃりっぱ・あべーぬ)が蕎麦の存在に気づく。
「いっぱい作ったんで、一緒に食べましょう」
「ありがとうございます〜」
「やったぁ、ありがとうね♪」
「いただきますわ」
 有栖が作った蕎麦は他の生徒たちも食べ、あっとゆう間になくなってしまった。
「んー・・・向こうのも美味しそうね・・・」
 セシリアは司とサクラコが作った海老天の蕎麦を食べたそうに視線をロックオンする。
「全部は食べられそうにないから、メイベルちゃんたちと分けようかな」
「まだあるから欲しい時は言ってくれ」
「うん、わかったわ」
 司から蕎麦を受け取ってメイベルたちがいるテーブルへ向かう。
「海老天サクサクしてて美味しいね」
「麺も美味しいですぅ」
「つけ汁と合っていて食べやすいですわ」
 1人分を分け合って満足そうにティッシュで口を拭いた。
「ダディお腹すいた」
「そうですね、お蕎麦をもらいましょう」
「沢山作ったんで、よかったら食べてみませんか?」
 食材争奪戦で疲れているルイとリムに、ザカコが年越し蕎麦をすすめる。
「ありがとうございます、遠慮なくいただきますね」
「せいろ蕎麦だ、美味しそう」
「まだまだありますから、おかわりが欲しい時は言ってください」
 夢中で食べる2人の姿に、作ったかいがあったとほっとする。



「まぁまぁだな」
 司はとっておいた自分で作った蕎麦を食べ始める。
 一般の家庭で作られている蕎麦よりも、こしのある感じだった。
「さすが私の作った海老天ですね」
 パリパリの食感のある海老天にサクラコは満足する。
「私たちが作ってみたんだけど、よかったら食べてみて」
「わぁ〜とても美味しそうですねぇー、いただきますぅ♪」
「うん、いただきます」
 クレアは涼介と一緒に作った手作りの温かい天ぷら蕎麦を、エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)桜井 静香(さくらい・しずか)に渡す。
「ちゃんとお箸使えますぅ?エリザベートちゃん」
「お箸ちゃんと使えますよぉ」
  神代 明日香(かみしろ・あすか)は箸をちゃんと使えるか、エリザベートを心配そうに見ている彼女に使って見せた。
「お蕎麦すっごく美味しいですぅう!」
「大葉と海老の天ぷらも美味しいよ」
「えへへ、おにいちゃんに教わって作ってみたんだよ」
 静香に褒められたクレアは照れながら嬉しそうに笑う。
 彼女たちが談笑している傍ら、剛太郎はコーディリアにお酌してもらい、蕎麦を食べていた。
「もう一杯いかがですか?」
「あぁ注いでくれ」
 おちょこに酒を注いでもらって飲み干す。
「やっぱりこうやってお酌してもらうと、いつもの数倍は美味しいな」
「何か言いました?」
「いや・・・なっ何も言ってないぞ、何も・・・」
 思っていたことをうっかり口に出してしまった彼は、慌てて何も何も言わなかったと素振りをする。
「まだ飲みますか」
「ん・・・ぁあ・・・」
 窓から月夜を眺め、夢のようなひと時を過ごした。



「ざる蕎麦すっごく美味しいね」
 年越し蕎麦を食べようとルカルカ・ルー(るかるか・るー)もザカコが作ったざる蕎麦をすする。
「まだ沢山ありますよ」
「あっこんな時間!彼と約束があるからまたね」
 それだけ言い残すと、和室から出て行く。
「掛け持ちお疲れさん」
 部屋を出る彼女の姿に苦笑して、夏侯 淵(かこう・えん)は片手を振って見送った。