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【十二の星の華】空の果て、黄金の血(第2回/全2回)

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【十二の星の華】空の果て、黄金の血(第2回/全2回)
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 猫井 又吉(ねこい・またきち)に連れられて、逃げ延びることができたが、アンジェラ隊を追って個々まできたのだ。
「あなた…『王座の間』まで何をしに来たの!?」
 アンジェラの腹心、コンスタンツァがその姿を認め、驚くと、さっと身構える。
 しかし、武尊は
「パンツ・オア・ダイ」
 と正気とは思えない台詞を吐きながら攻撃を仕掛けてくる。
「オレの目的は、お宝を奪う事であって、お姉さん達を怪我させる事じゃねえからな!」
 『シャープシューター』と『スナイプ』を使って武器を弾き飛ばす事に専念する。
 余りのばかばかしさにあっけにとられたアンジェラ隊は、一瞬、対応が遅れる。
「降伏し素直にお宝(パンツ)を差し出すか、それとも動けなくなった所で無理やり脱がされるか……二つに一つだ。好きな方を選ばせてやるぜ!!」
「余りの状況と場所を考えない発言に理解が遅れたけれど、要するにあなたは変態でパンツか死か、と言っているわけね」
 さすがのアンジェラでも貧血を起こしそうになる。しかし、そこは傭兵部隊の隊長。
「良いわ。まずは私のを持っていけばどうかしら」
 と、パンツスーツの中に手を突っ込むと、ひらり、と紐ショーツの結び目を外し、さっとまるで旗を揚げるかのようにして、ショッキングピンクのショーツを掲げた。
「こういう時、紐のショーツって楽ね」
 パッとショーツを自分の手から離すと、ひらひらっとそれが宙に舞う。
「もらい!」
「いや、私が!」
 ジョイント’キィと、武尊が一瞬それを奪い合って宙で舞う。軍配はジョイント’キィに上がった。
「ぱんつは投げ捨てるものではない…そして、私は下着のフィット感に身を任せ同化する―」
「横から奪ってんじゃねえよ!!」
 と突っ込む武尊。
 そこにアンジェラ隊の面々が武尊に向かって
「ベアトリーチェは正真正銘の乙女よー!!」
「この子のパンツは○ニ○○ですー!!」
「3枚セットだったわよね」
 矢面に立たされるのはルーキーのベアトリーチェ。
「ひ、ひどい、姉様方!!」
「だって、あなた、ブラもスポーツブラじゃない。いいじゃない、一枚くらい上げても」
 と、隊員の一人、アレサンドラが目にも止まらぬスピードでベアトリーチェのパンツを下げてしまう。
「きゃあああああ!!!」
「そこの変態パンツ仮面、それ、3枚1000円のパンツよ」
 と言うと
「そのうぃうぃしさがいい!!」
と武尊。
「きゃあああ!! 恥ずかしくて死んでしまう!!」
 武尊は
「宝物にするぜ!」
 と逃げてしまう。
「これでベアトリーチェもアンジェラ隊の立派な一員ね」
 ほほほほ、と笑う先輩達に
「ひ、ひどいです! パンツなしで戦うなんてできない!」
 そう言いながらも、ベアトリーチェはボウガンを次々武尊に撃ち続けていた。
 猫井 又吉(ねこい・またきち)はそんな武尊を放置したまま、アンジェラ達に宝ものの場所を聞く。
「言うことを聞かないと、火炎放射器が火を吹くぜ!」
 勇ましく、ちゃっと武器を向ける又吉に
「…あなたが一番、お宝じゃない」
 とアンジェラは突っ込む。
「雄の三毛猫は高く売れるっていうのよね、知ってる?」
 鞭で縛り上げようとするアンジェラ。
「それに私たち、お宝ってあんまり興味が無くて。ほら、私たち、華奢で弱いでしょう? 持ち運びは現金が一番なの」
 鞭を持ってゆらり、と又吉の前に立ちはだかるアンジェラの迫力に気圧される又吉。
「ああ、待ってアンジェラ。それは動物虐待よ。ねえ、猫ちゃん、これなら上げるわ」
 とマリアがダイヤのネックレスをかけてあげる。
「マリアは猫が大好きだからね〜しょうがないかしら」
「ん〜ごろごろゆって〜きゃーかわいいー」
 喉を撫でられる又吉。
「猫じゃない、ゆる族だ!」
 と言いつつ、悪い気がしない。その間に武尊が逃げ出してしまうので
「だ、ダイヤのネックレスじゃごまかされないからな!! 貧乏撲滅だ!!」
 そのまま走り去る。
「そのダイヤで高級キャットフードが100年分は買えるわよ」
 マリアが逃げ去る又吉の背中に声をかけた。
 その瞬間、アンジェラ達は殺意を感じ、それぞれ防御の構えを取った。
 ローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)はアンジェラを高所からアンジェラたちに射撃をしてくる。
「高所からの射撃とは、随分と狡猾だわね」
「それが女というものじゃなくて?」
 ローザマリアはそういいながらも、アンジェラ達と離れたところに、ミケロットや真珠とともにティセラ・クローンが居るのを発見する。
「ここは任せたわよ、グロリアーナ」