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【蒼空のフロンティア秋祭】秋のSSシナリオ

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【蒼空のフロンティア秋祭】秋のSSシナリオ
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 秋霖が旅に出て、漸くシャンバラ地方に蒼空が広がった。
 これまで時折降る秋の長雨によって、花弁や葉を濡らしていた草木には、春の新緑の煙るような透明感とはまた異なる色香があった。

 蒼空学園のあるツァンダ、大学のある空京、そしてジャタの森。

 あがった雨は、それぞれの土地や街の空気を、一層穏やかにしているようでもある。

 その日、皆は、所属する学園や大学、学舎において、休講や空き時間を手に入れた事で、それぞれが異なる場所で、空を見上げていた。蒼穹だ。誰と約束をしているわけでもない、穏やかに訪れた一時。
 たまにはパートナーと二人、緩慢に流れる時を楽しむのも悪くはない。
 そして通常は風景に過ぎない、隣や正面を歩く誰かと、僅かに言葉を交わし、そうただ穏やかに、一日を愉しむ。そんな日があっても良いのではないかと、あるいは思考せず、意識せずとも、それらを許容できる者達が、シャンバラの地で、空を見上げていたのかも知れない。

 これは、そんな風に、あるいは思い思いに、各自の休日を楽しむ10名の一刻の軌跡である。誰しもに訪れる事があるだろう穏やかな時間を、切り取った一齣のお話だ。