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リアクション
ACT3・イルミンスールの怪物
アジト潜入に成功した契約者たち。
中に入ってみると、ここはかなり古い遺跡か何かを改修して作られた秘密基地であることがわかった。
内部は思っていたよりも広く、入り組んでいそうだ。
と、そこで運悪く敵に見つかってしまった。
侵入してきた契約者たちを見た敵は一瞬ぽかんとしていたが、すぐに事態を把握すると手にした銃を構えた。
「なんだ、おまえら!?」
「――やらせはしない!」
そんな敵の前にいち早く躍り出たのは桐ヶ谷 煉(きりがや・れん)。
彼はいつもは封印している刀「無銘」を抜き放つ。
銃声が響けば他の敵にも気づかれる。それを防ぐため、煉は抜き放った無銘で目の前の敵を容赦なく一閃した。
様々な人の手に渡り、あらゆるモノを斬り続けてきた刀――無銘の漆黒のような鈍い輝きを放っている刀身が赤く染まる。
次の瞬間――敵は血煙を上げて倒れ、動かなくなった。
「へへっ、いただきっ」
と、エヴァ・ヴォルテール(えう゛ぁ・う゛ぉるてーる)は倒れた敵に近寄り通信機を奪い取る。
これを使って何かをしてやろうという企みが、エヴァの表情から読み取れた。
「捕まっているみんなが心配だ。早く作戦通りに行動を開始しよう」
顔についた返り血を服の袖で拭いながら、煉がそう言った。
その言葉に契約者たちはうなずく。
そして事前に打ち合わせていた通り、生徒を救出する者と首謀者と思われる白衣の男を探す二手に別れて動き出した。
◇
アジトの外では戦闘が収束に向かっていた。
陽動組の活躍によって、抵抗を続けているのはもうすでに数えるほどになっており、他は倒れているか降伏したかのどちらかだ。
その状況を見てレン・オズワルドがつぶやく。
「正面入口の制圧はほぼ完了か」
「はい、ほぼ完了したと言っていいと思います」
メティス・ボルトがレンのつぶやきに応える。
その言葉を聞いたレンは、自分は他の出入口の探索に向かうとメティスに告げた。
「わかりました。ここは私とノアだけで十分です」
「うん、後はまかせてレン」
パートナーのメティスとノア・セイブレムの言葉にレンは小さくうなずくと、正面以外の出入口を探しに向かう。
「あっ、待ってください!」
と、そんなレンを呼び止めたのは南部 豊和(なんぶ・とよかず)。
彼もまたパートナーのレミリア・スウェッソン(れみりあ・すうぇっそん)と共に他の出入口を探しに向かおうと思っていたところだった。
豊和はその旨をレンに告げる。
「そうか、ならば協力した方がいいだろう。こういうことはひとりでも人が多い方がいいからな」
「ええ、そうですね。では一緒に行きましょう」
豊和にそう言われ、レンはうなずく。
レンと豊和、そしてレミリアは正面以外の出入口を探すために森の中へと消えていった。
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