校長室
美しさを見せ付けろ!
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第5章 「俺達とヴラド達の出会いは歌からはじまった。 なら今日の日も、歌を贈ろう!」 夜も更け、そろそろパーティーはおひらきの時間。 舞台に上がれば、クリストファー・モーガン(くりすとふぁー・もーがん)が堂々と宣言する。 しかし。 「ごめん、クリストファーとなんて歌えないよ!」 「はぁ!?」 「目玉焼きは片面しか焼いてくれないし、ボクはしっかり焼くのが好きなのに半熟にするし……」 クリスティー・モーガン(くりすてぃー・もーがん)は、舞台の下から深刻な顔をして訴える。 はっとしたのは、シェディだ。 「……あれが最初だったよね」 「あぁ……」 「シェディくんはパートナーの為に何を披露するつもりなのかな? 芸を、という事でなくてもいいんだよ、パートナーとの美しい絆を示す事ができれば。 それは今回の試験、そして入学後にも大事なことだと思う……と言っているボクも迷うことは多いけどね」 さささ〜っと、シェディに寄っていったクリスティ−。 クリストファーともども、ヴラドの合格にはシェディの力が必要だと考えていたから。 「パーティーに『ヴラドの美しさ』という統一感を与えられるのは君だと思うよ」 とは、今朝方クリスティーからシェディへと贈った言葉。 それからずっと、ともすればもっと早くから、考え続けていたのだろう。 「みんなで歌いましょう! ほら、クリスティーも」 とにかくも、この流れを止めるわけにはいかないと。 本日最大の声で呼びかけ、シェディは校歌を歌い始めた。 クリスティー他の皆も、それならと高らかに。 「ふむ、最後くらい僕も皆と楽しむかな」 言って立ち上がると、その美声を披露するルドルフ。 瞬間、クリストファーだけでなく誰もが想った……勝ったと。 「みんな……ありがとう……」 ヴラドは、柄にもなく眼から雫を流している。 嬉しくて幸せで 、そんな最高の1日だった。
▼担当マスター
ハルト
▼マスターコメント
お待たせいたしました、リアクションを公開させていただきます。 楽しんでいただけていれば幸いです、ご参加ありがとうございました。 リアクション代筆:浅倉紀音
▼マスター個別コメント