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リアクション
注文した料理が次々に運ばれてくる。
琴乃たちの方はアルクラントの注文料理、ニャッフルホッフがどんなものなのか集まったメンバーが注目する。
ニャッフルホッフを口にするとアルクラントは目をカッと見開いた。
「こ、これは……団子を煮込むソースも甘味、辛味、酸味、苦味が全て絶妙…決め手のオリーブもしっかりしてる。そして仕上げにもオリーブが効いたマヨネーズがなんとも素敵だ」
「みんなオリーブかよ……」
ぼそりと和深が突っ込む。
そこまで話すとアルクラントはウィスキーを口に含み一息つく。
「ふぅ…やはりこいつにはワインや、日本酒が良いが、ウィスキーも合うな」
「これにもオリーブが使われてるのか?」
メンバー全員内心ではそうだろうなと思いつつもアルクラントを見る。
「否、さすがにこいつはオリーブオイル関係ない」
メンバーはガタリと体勢を崩した。
「マスター、完璧なニャッフルホッフだ。まさかここで食せるとは思わなかった」
マスターに言うと、またニャッフルホッフを食べ始めるアルクラント。
他の者もそれぞれ食べ始める。
「いっただきまーす!」
出されたオムライスをぱくつくテテ。
「美味しい! 店長! 料理上手なんだねー!」
口いっぱい頬張ると、喉を詰まらせてしまう。
「むぐっ! う ぐうっ!? こほっげほっ!」
「テ、テテ! これを」
テテの美味しそうに食べてる姿に頬をゆるめていた美影は、テテの前にコップをさっと置く。それを受け取り一気に水を飲む。
「く、るしかった……ありがとう!」
「よく噛んで食べないとね」
「そ、そうだね」
今度はゆっくりと食べ始めるテテ。
美影も出された料理、舌ビラメのムニエル レモンソースがけを口にする。
「あ、これ美味しい。レモンの酸味かしら。マスター、よければ手際みせてもらってもいい? 今後の料理の参考に出来たらと思うんだけど」
マスターはコップを拭く手を止めずに無言で頷くだけ。美影はメモを取り出し気が付いた点を書きだしていく。
「アル、それオレも食べて良い!?」
アルクラントのニャッフルホッフをスプーンで指してテテが聞く。
「ん。ならそっちのオムライスと交換しようか?」
「うん! あっそうだ、みんなで交換しよ! ……オレが一口食べたいからだけど……駄目、かな?」
周りもそれを承知し、食べ回しが始まる。
アルクラントのニャッフルホッフを一口もらったテテが悲哀とアイランに声をかける。
「アイランはなに頼んだっけ?」
「ラザニアとサンラータン麺にトルティーヤだよ! どれもみーんな美味しいの。ほら、悲哀ちゃんもたべよ? これも、これも、これも美味しいよー♪」
「悲哀、オレのオムライスもどうだ?」
「そ、そうですね……いただきます」
恐る恐るテテのオムライスを一口口に入れる悲哀。
「どう、悲哀。美味しい?」
「お、美味しいですよ……」
「悲哀ちゃん! こっちも食べて良いんだよ」
アイランがトルティーヤの皿を悲哀の方へ運ぶ。
「え、えと……アイランも食べて、良いんですよ?」
「大丈夫! あたしはテテちゃんのオムライスをもらうかな」
「じゃ、オレはトルティーヤをもらうよ」
それぞれがそれぞれの料理をつついていく。
東雲に想いを寄せているリュキカリアだが、なかなか行動に移せていない事に気が付いたテテは、ピンッとあるアイデアがひらめく。
「美影! これ美味しいよ! はい、あ〜ん!」
テテが自分のオムライスをすくうと、あ〜んとしてくる。美影は自然にぱくっと口にする。
「あ、本当ね。これも美味しいわ。ちょっと味付けに工夫があって……(は! 今、無意識にテテからあ〜んを!? これって逆……いやいや、でもでもでも)」
途中まで声に出していた美影だが、最後の方は戸惑いつつも嬉しさで舞いあがり声になっていなかった。
テテはリュキカリアを小突いて東雲との仲を応援していた。
「し、東雲! こ、この…トマト美味しいから、食べてみない?」
顔を赤くしながらリュキカリアはフォークに刺したトマトを東雲に差し出す。
「あ、ん。……ほんとだ。甘くて美味しいね」
「そ、そうでしょ!? ほらっもっと食べて!」
東雲はリュキカリアからのあ〜んを特に気にする事もなく薦められたサラダを食べていく。
それにがっくりするが、東雲にどうしたのかと言われごまかすリュキカリア。
思い思いにランチを楽しんでいるメンバーに満足げな琴乃たち。
「うーん! やっぱりここのランチって美味しいな!」
「そうだよね! それに大人数で食べるから尚更!!」
「おいしい……」
「そうだな。今回の企画は大成功だ」
ランチに満足しながら集会を開いて良かったと思う琴乃たち。
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