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図書館大戦

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「敵はどこに――ぐあっ!?」
 兵士達が騒ぎ立てながら倒れた。
 犯人は、光学迷彩とブラックコートを使って姿をけしていたローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)だった。
「ふう……ライザの方は」
 ローザマリアは敵が周りに居ない所にでると、光学迷彩を解いて一息つく。
 そしてグロリアーナ・ライザ・ブーリン・テューダー(ぐろりあーならいざ・ぶーりんてゅーだー)が闘っている、前線軍の方を向いた。
 そちらのほうではまた、グロリアーナが甲高い声を上げながら、兵士達を倒しているようだった。
「フランス人よ、ひれ伏すが良い!!」
 そう言いながら、グロリアーナは踊るようにでつぎつぎと剣で兵士達を切り倒していく。
 その近くでは一人の男が、空を浮遊しながら何かを探しているのが見えた。
「アンはどこだ!」
「ヘンリー8世!?」
 その男を見て、ついローザマリアは叫んだ。
 同時にグロリアーナの手もとまる。
「おお、このような戦争。大いに悲しいものだ……」
 ヘンリーは悲しそうにつぶやきながら、地上に降り立とうとする。
 それよりも先にローザマリアは、あわててグロリアーナの元へと駆け寄った。
 グロリアーナはヘンリーの王女だった。つまり生前はヘンリーの娘だった。
「……わらわの同人誌だな」
「へ?」
 グロリアーナはこの自体に、ため息をつくように答えた。
 目が点になるローザマリア。
「そんなのいつの間に書いて……それより、だいじょうぶなのあれ?」
「わらわが書いたとおりなら、特に悪いこともできんだろう。といっても手伝ってもらうこともできそうだ」
 それを聞いたローザマリアはさっそく、ヘンリーに助けてもらえるようにお願いをした。
 気がつけばナポレオンの周りには、ヘンリー8世をはじめとした兵士達。
 さらにはネルソン、リブロをはじめとした大軍団が、ナポレオンを囲んでいた。
「勝敗は決した。大人しく本の世界に戻ればよし、さもなければ殲滅戦となるわ。それは貴方も望まないでしょう?」
 ルカルカが、ナポレオンの前に出て提案する。
 ナポレオンはしばらく頭をうなだれた。
「ふっ……はーっ、はっはっは!! 吾輩の戦争はまだ終わってはいない!」
 ナポレオンは強く啖呵を切ると、白馬にまたがりルカルカ達へめがけて走ってくる。
 同時に、数発の拳銃の弾が撃ち込まれた。