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【神劇の旋律】三姉妹怪盗団、参上!

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【神劇の旋律】三姉妹怪盗団、参上!
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第14章 納得

「し……しつこい!」
「そちらこそ、いい加減諦めたらどう?」
 三姉妹に追われ、菫と小次郎はまだ逃げていた。
「そろそろ、終わりにしましょうか」
「本物のストラトス・ティンパニ、見つけた!」
 そこに、ルカルカ・ルーに案内されたローザマリア・クライツァールが現れた。
 ルカルカの手には、発信器の元をたどる探査機が握られている。
「本物って……いい加減にしなよ! これはあたしが買ったレプリカだよ」
「ううん、これが本当の本物。だって、ほら」
 ルカルカは、ティンパニの側面に手を伸ばす。
「これ、ルカが本物だけにつけた発信器だよ」
「ぐ……っ」
 はっきりした証拠を突きつけられ、疲れた表情で座り込む菫と小次郎。
(発信器とか、なんで気が付かなかったのさ!)
(ずうっと持っていたのはおぬしであろう!)
 ぼそぼそと言い争う二人。
「まぁ、あんまり気を落とさないで。色々問題のある富豪さんだったみたいだし、ちゃんとお金は返済させられるんじゃないかな」
 落ち込む二人を見て、思わず慰めるルカルカ。
 そんな3人を余所に、ローザマリアはそっと三姉妹に近づく。
「怪盗騒ぎは、富豪の犯罪を暴くための狂言、だそうですね」
「えっ」
「え、ええ、まぁ……」
「そうなの?」
 ローザマリアの言葉に戸惑った返事。
「でも、本当にそうなの? あんた達、本当にティンパニを盗むつもりだったんじゃない?」
「……」
 口を閉ざす三姉妹。
「たしかに、富豪は悪い奴だった。でも、元の持ち主はどうなるの? 強引な手段で楽器を奪われた前の持ち主は、涙を呑んでそのままお終い?」
 そこまで言うと、ローザマリアはじっと三姉妹の表情を見る。
 三人とも、真剣な顔でローザマリアを見つめている。
「一度、その持ち主に返して、改めて交渉するのが筋なんじゃない? でないと、あんた達のやってる事は富豪と同じになっちゃうわよ」
 ローザマリアの言葉を、三姉妹は黙って聞いていた。
 そして、ゆっくりと頷いた。