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リアクション
理子を乗せた空飛ぶ箒シーニュを狙っているキロスチーム。
シーニュには理子以外に操縦者のテレサ・カーライル(てれさ・かーらいる)と砲撃主のマリカ・ヘーシンク(まりか・へーしんく)、酒杜 陽一(さかもり・よういち)も乗っている。
「右上から来るぜ!」
「了解ですわ!」
陽一の行動予測を受けてテレサはその水弾を避ける。
キロスチームが集中的に攻撃している背後に気配を減らした小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)とコハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)の組が理子組を見ている。
「ん? あれは……」
コハク操るジェットドラゴンの上に座っている美羽に気付くと、美羽は理子に目配せをする。
何をしたいのか理子は、親友兼ライバルである美羽のしたいことが手に取るように分かる。
「ねぇ、あそこにいる美羽が見える?」
「うん。ジェットドラゴンのだよね?」
「そう」
「挟み打ちか」
「それなら、相手は数発撃ったら水の補給をするから、それを狙うと良いよ!」
マリカの用意は整っておりますで水補給のタイミングを知った理子たち。
わざと狙いやすいようにテレサはシーニュのスピードを落とした。
案の定残りの水を全て使ってキロスチームは攻めてくる。
コハクも挟むように位置を保つために、理子たちと一緒に動いている。
「なるほど……あのキロスっていう新入生、確かに面白いね」
「そうだね。校長になりたいだけなら、パートナーを生徒会長にするとは言わないよね」
「そうそう。でも、私より目立つなんて許さないんだからね!」
そんなやりとりをしていると、ついにあの理子たちを攻めていたキロスチームの水タンクが無くなった。
「やべぇ! 水が無くなった!!」
マリカの予測は当たり、キロスチームは水補給を始めた。
「今度はこっから攻めるよ!」
攻撃に転した理子たち。キロスチームは慌ててそれを避ける。
美羽たちも逃げ惑うキロスチームの的に狙いを定めるも、様々な組が飛び交う為、遠くからでは理子たちを狙っていたあの組を狙えない。
「あーもージャマ!! コハクもっと近くに寄って!」
「わかった。美羽、落ちないように気をつけてね」
コハクはスピードを上げてまるで生き物のようにジェットドラゴンを操り、近寄っていく。
「ここからなら!」
美羽は、魔弾の射手で一度に四発の射撃を撃っていく。
理子は乱撃ソニックブレードで美羽が撃ちやすいように相手の動きを制限させる。
「美羽、やっちゃって!」
「わかってるよ!」
背後から美羽の四連発の水が着弾。前方からはマリカと陽一の水弾も飛んできて、それも着弾した為、的は破けたのだった。
ーーーピピーッ!!
「げぅがぅごごげぅぎぅがぅ!」
「そこなたのキロスチーム。ぬしたちはアウトでありんすぇ。ただちに地上へ降りてくんなまし」
レッサーワイバーンに乗って審判をしていたテラーとグランギニョルがホイッスルを鳴らし、失格者カードを手渡す。
それをキロスチームは受け取り、すいーっと地上の失格者エリアに入って行った。
「わちきは水が苦手でありんす……エージェント・T、早く水が届かない場所へ行きんしょう」
「ぎぎぃげぁがぅ!」
テラーとグランギニョルは他の審判をしに去って行く。
それを見届け、理子は美羽に笑顔で声をかけた。
「ナイス美羽!」
「リコだって良い攻撃だったじゃない。狙いやすかったよ」
「次はあたしが的を射ぬいてやるんだから。美羽にだけ美味しいとこ捕らせやしないわよ」
「良いじゃない。受けて立つわ」
お互いに悪い顔で言い合い、今ここで理子対美羽の『どっちがより多くの的を射ぬく事が出来るか!?』競争が幕を開いたのであった。
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