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★エピローグ★

 その後、タイミングよくやってきた警察がその場にいた全員に事情聴取を行った。
 とはいえ契約者たちは5分もかからず無罪放免となった。

「あれはただの防犯訓練だ」
「あれはただの防犯訓練ですよ」

 ワキヤとイキモが懐から古い紙を取り出してそう主張したからだ。
 紙には互いの家で、数年に一度防犯訓練を行うこと。互いに一切遠慮なく行うこと。などが書かれ、サインも入っていた。
「とはいえ、今回はやりすぎだがな」
 滅茶苦茶な、とは誰もが思っただろうが、以前にも何度か同じことがあったため、その主張が認められた。
 あらかじめ手回しもしていたのだろう。

 しかしワキヤには、別の罪状があった。たくさんの、罪状と、そして屋敷から見つかった証拠が。どんな事情があったにせよ事実。
「……あいつを愚かだと思っていたが、誰より愚かだったのは私自身なのだろうな」
 ワキヤはそう自嘲して素直に罪を認めていると言う。

 ジヴォートも直接ではないが、間接的に関わっていたとして取り調べを受けている。しかしワキヤがあまり彼を関わらせなかったことや、その経緯などを考慮し、罪は軽くなるとのことだった。
 ダリルたちが手をまわしていたようだ。


「申し訳ありませんでした」
 イキモが頭を下げた。
「私は弱くて愚かな男です。こんな父親よりもワキヤの方がジヴォートにとって幸せだと、思ったんです。だからあいつの罪を全部背負おって、あいつにはジヴォートの父親になってもらおうと……最低ですね。みなさんをだましてこんな」
 イキモは赤くなった顎をさすって首を横に振る。

「……動物の保護活動は続けます。
 他にも同じことをしようとする人たちは大勢いるでしょうし、そういったことを失くしたい気持ちは本当ですから……動物や人間がともに歩める未来を作っていきたいと思います。
 これからは」

『親子三人で』

担当マスターより

▼担当マスター

舞傘 真紅染

▼マスターコメント

 舞傘です。
 さて……なんだかちょっぴり寂しい終わり方かもしれません。
 当初ルートは2つありました。ワキヤがただの脇役で終わるか、それともその心に迫れるか。
 ワキヤたちについて。真の証拠。ジヴォート……それらは鍵。
 みなさんの介入により3人は自分の心を吐き出せたようです。素直な気持ちを吐露するだけなのに……簡単なようでとても難しいですね。
 素直になるって、私はなんだか恥ずかしいんですが、みなさんはどうですか?

 捕まっていた動物たちも助けられましたし、ワキヤが捕まったことで密売活動はしばらく大人しくなるでしょう。……また似たようなことをする者たちが出てくるでしょうけれど。

 では今回は危険な依頼であったにもかかわらずご参加くださり、ありがとうございました。