校長室
【ですわ!】パラミタ内海に浮かぶ霧の古城
リアクション公開中!
光学迷彩を使って霧の中に隠れていた銀色のドラゴン型飛空艇に、苦戦する弓彩 妃美。 「霧が……」 そんな時、パラミタ内海の空を覆っていた≪バイオレットミスト≫が晴れていく。 身を隠す場所がなくなったことで、銀のドラゴンはその姿を妃美達生徒の前に晒し出した。 「好機ね。みんな、一気に落とすわよ!」 妃美に続いて生徒達が砲撃の嵐の中、銀のドラゴンを狙って突き進んだ。 「ワタシ達も行きますよ」 「いつでもいいであります!」 コルセア・レキシントン(こるせあ・れきしんとん)は葛城 吹雪(かつらぎ・ふぶき)を乗せて、聖邪龍ケイオスブレードドラゴンで交戦中の生徒達の間を抜けていく。 小型襲撃兵器や弾幕を回避して頭上に躍り出たコルセア。 手に持ったイレイザーキャノンで狙いを定め、銀のドラゴンもコルセアを狙って巨大な口の中にある砲口を向けてくる。 「イレイザーキャノン! いっけーーー!!」 コルセアが引き金を引くのとほぼ同時に、敵の攻撃も発射された。 二つの熱量が交差する。 コルセアの攻撃は相手の体の一部にぶつかり、銀のドラゴンの砲撃は聖邪龍ケイオスブレードドラゴンを掠めた。 聖邪龍ケイオスブレードドラゴンがバランスを崩し、墜落し始める。 コルセアは海上へ落ちる中、声を張り上げて叫んだ。 「――あとは任せたわよ、吹雪!」 「了解! 仕留めるであります!」 いつの間にか背から飛び降りた吹雪が、銀のドラゴンの口に向かって落下していた。 吹雪は髪を振り乱しながら、引き金を引き続けた。 「やはり空中では……」 ぶれる標準――相手が再び砲口にエネルギーを溜め、降下する吹雪を狙う。 放たれる高熱量の砲撃に対して、吹雪は翼を展開した。 「急速回避であります」 バードマンアヴァターラ・ウィングを広げた吹雪は身体を逸らした。 目の前を突き抜けた砲撃は、ジャケットを部分的に焼けいただけだった。 吹雪は次の砲撃が来る前、銀のドラゴンの口内に飛び込むと、ライフルを砲口へと突っ込んだ 「さぁ、これで終わりであります!」 口内に激しい銃声が鳴り響く。 生徒達を苦しめていた銀のドラゴンが身体中から爆発を起こし、空中で散開していく。 その様子を確認したルカルカ・ルー(るかるか・るー)が肺に溜めていた空気を吐き出した。 「ふぅ……あとはでっかい飛空艇だけよね」 「ああ、結構いるがな」 さらりとダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)が事実を述べた。 確かに、厄介な相手は倒したが、まだ巨大飛空艇が残っている。 体力の消耗もあり、あまり余裕がない。 「……?」 そんな時、ルカルカの携帯が鳴りだした。 画面を確認すると、こちらに向かっている教導団本隊からだった。 ルカルカは事前に、到着前に連絡を入れるように頼んでいたのだ。 自分達がいることを示すように、信号弾を撃ちだす。 すると、呼応するように遠くから腹に響くような空砲の音が聞こえてきた。