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リアクション
「ま、待って!? オレは覗きじゃ――あふっ……!」
そして、その声は近くの女湯には丸聞こえだった。
「……何事かしら? 覗き?」
「みたいですね。確認してきますね」
「私も行きましょう」
ドリアードとブリジッタが確認しにいく。
「……どこかで聞いた事あるような声だったけど、気のせいだよね……?」
「お知り合いが覗きかしら?」
雪乃の呟きにメデューサが反応する。
「いや、多分違うと思う……」
「戻りました」
「ただいま戻りました」
確認しにいった二人が戻ってきた。
「おかえり、お二人とも。どうだった?」
「本当に覗きがいたらしいです」
「ゴブリン、コボルト、オーク。それから、人間の方がお一人の四人組だったそうです」
「犯人は捕まったのか?」
「はい。全員、痺れ弾に撃たれ動けないところを、確保されたそうです」
「はぁ……、人間もモンスターも、どうして男って、アレなのかしらね……」
話を聞いて呆れるフィリシア。
「そういう欲求というのは、人間もモンスターも同じみたいね」
「男って、そういうことばかり考えるもんねぇ……」
「…………」
「あれ、フィーアどうかした?」
甘酒を片手にボーッとしているフィーア。
「少し顔が赤いが……。のぼせたか?」
「……(ガバッ!)」
ドリアードをジッと見てたかと思うと、急に抱きつき始めたフィーア。
「きゃっ!?」
「……ふかふか」
「え、えっと……。これは、どうすれば……?」
「もしかして、酔ったのか?」
「メデューサさん、もしかして甘酒にアルコールが……」
「ふふっ、入っているわけないわ」
雪乃の問いに、面白そうに笑いながら答えるメデューサ。
「さてと、身体でも流そうかしらね」
「あ、よければ背中を流させてもらえないか?」
湯を出て行こうとするメデューサに永谷が声をかける。
「……そうね。じゃあ、お願いしようかしら」
「それじゃ、少し行って来る」
メデューサと永谷が湯からを出て行く。
「それで、えっと、わたくしはどうすれば……?」
未だフィーアに抱きつかれた状態のドリアード。
「えっと、ドリアードさんが良ければ、しばらくそのままにしてあげてくれるかな?」
「構いませんよ。なんか、甘えられているみたいで少し嬉しいですし」
「……すべすべ」
「…………」
「ひゃっ!? な、なんですか!?」
フィーアの呟きにフィリシアが、ドリアードの肌に触れる。
「本当にすべすべ……。やはり、お肌には気を配っているのかしら?」
「そうですね。一応、女ですからね。そういうところには気を配っていますよ」
「女性ですものね。あ、それでなのですけど、少し人里離れたところに温泉があるのだけれど、その温泉、美容に効果ありみたいなのよ」
「あ、本当ですか?」
「えぇ。ここよりも穴場だから、静かでゆっくり出来るし。どうかしら? そちらにも行ってみない?」
「良いですね。ぜひ、案内していただけますか?」
「もちろん。でも、その前に……」
「……ぎゅ―」
「フィーアの酔いがさめるまではゆっくりしようよ」
「そうですね」
「ささっ、お酒をどうぞどうぞ」
「紅鵡、飲み過ぎないようにお願いします」
ドリアードにお酒を注ぐ紅鵡だった。
「はぁ〜……気持ちいいわ〜。なかなか上手よ」
一方、メデューサと背中を流す永谷。
「それは良かった」
「……それで? 何か話があるんじゃないかしら?」
メデューサの言葉に、手を止める永谷。
「……気付いていたのか」
「まぁ、なんとなくね。どうせ、人里に近いから移動してくれってところじゃないかしら?」
「お見通し、か。なぜ、この温泉を占領したんだ?」
「占領……というわけではないわよ。自然とモンスター達がこの温泉に集まった、っという感じかしら」
「この温泉じゃなきゃダメとか、そういうのはないのか?」
「特にないわ。他のモンスター達がそうであるかは知らないけれど」
「あなたはリーダーではないのか?」
「リーダー……とは、思ってないけれど、声をかければそれなりに答えてはくれるかしらね」
「そうか……。なら、別の場所に温泉を用意しているから移動してくれと頼んだら移動してくれるのか?」
「どうかしらねぇ……。私は別に良いけれど。先ほども言ったけれど他のモンスターがどう思っているかなんて知らないの。他のモンスターにも聞いてみないとね」
「……分かった。ありがとう」
「これで話は終わりかしら?」
「あぁ。では、続きをするよ」
「えぇ。お願いね」
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