百合園女学院へ

薔薇の学舎

校長室

波羅蜜多実業高等学校へ

正体不明の魔術師との対決準備?

リアクション公開中!

正体不明の魔術師との対決準備?

リアクション


第四章 仕事を終えて


 魔法凍結装置は速やかに設置された。探索者のおかげで遺跡内の魔法系の道具は減り、片付けも完了した。特別なレシピのような今後に関わる物は全てイルミンスール魔法学校に渡され、それ以外は全て探索者の物になった。
 凶暴化した動物達はイルミンスール魔法学校主導で何とか元に戻し、戻るべき場所へと戻された。エース達の提言により植物も無事運び出された。

 遺跡前。

「舞花ちゃん、たくさん情報が集まったね」
「そうですね。また新しい事もありました。特別なレシピとそれをいくつか持ち逃げしたという研究者、取り合いをした男女の探索者、半分を他の人に託した研究者」
 仕事を終えたノーンと舞花は今回集まった情報の整理を始めていた。
「そのレシピ、きっと凄いものに違いないわ。だって、魔法中毒者が作ってとてもご執心だもの」
 同じく仕事を終えたマーガレットが会話に加わった。
「私もそう思います。ただ、善悪が分からないのが気になります」
 舞花は危惧している事を口にした。
「も、もし悪い物だったら大変ですよね」
 リースは困ったように言った。
「例の魔術師についても分からない部分が無くならなかったな。発生理由や事件場所が
ここである理由に目的は何なのかとか」
 ナディムが魔術師について話題に挙げた。分からない部分が全て消えなかった事が気になる。対決の際にそれが響く事がなければいいと思っていた。
「そうですね。それに比べて名も無き旅団についてはそれなりに情報が集まりましたね」
 舞花は今回情報が多かった名も無き旅団を挙げた。
「近くて遠い目的地、目的地は自分達が決める事は出来ない、旅をやめる事は出来なくて精神体か何かに取り憑かれているかもしれないだよね」
 ノーンが入手した情報を列挙する。
「……あ、あと、団員を補充しないと消えると、役職も分かりましたね。でもまだまだ分からない事ばかりです」
 リースが足りない部分を付け加えた。
「そうですね。もしかしたらその旅団に会ったり持ち逃げした研究者や男女の探索者に会える可能性があるという事だけははっきりしています」
 舞花がこれから起こり得る事を挙げた。この世界では長命な種族はいくらでもいるので当事者達に出会う事が無いとは言えないのだ。
「会えた時にいろいろ聞こうよ。それで解決!」
「その方が手っ取り早いよね。その人達が悪人とは限らないし」
 ノーンとマーガレットが陽気に最高の解決策を言葉にした。

 一通り情報をまとめた後、
「本当に今日はお疲れ様です」
「あ、はい。お疲れ様です」
 舞花とリースは互いを労い話し合いを終了させた。

 遺跡で得られた情報は全てエリザベートの元に集まった。
 当然、危機管理室の対策が真っ先に開始された。しかし、予想通り一筋縄ではいかないもので随分手こずっているという。魔術師との対決のその日までに間に合うのかも分からないほどに。
 魔術師との対決の時に向けて今もなお情報収集や集まった情報の確認作業が続けられていた。ちなみに今回の遺跡探索の結果は報告書にまとめられた。

 対決の時は刻々と迫っていた。

担当マスターより

▼担当マスター

夜月天音

▼マスターコメント

 シナリオ担当の夜月天音です。
 参加者の皆様ありがとうございました。
 大変お疲れ様でした。
 皆様のおかげで装置の設置は完了し、正体不明の魔術師との対決準備が整い、様々な情報も集まり、双子達も何とか仕事を完遂する事が出来ました。
 また何かのシナリオでお会いした際はよろしくお願いします。

 下記からリアクションの最後に登場した今回の遺跡探索の報告書となります。

===
      

【魔法中毒者の遺跡探索の結果報告】


■魔法凍結装置の設置・危機回避機能の解除状況については以下。
装置設置は完遂され、遺跡内の魔法関連の撤去は大部分完了。ただし、装置起動の際の魔法不使用についての対策は続行中である。
凶暴化した動物の治療完了。
危機回避機能解除については難しい状況である。

■特別なレシピについては以下。
種類:魔法薬。いくつかのレシピを合わせる必要有り。
製作者・所有者:魔法中毒者達
備考:研究者は10人(死因は不明の者から病気や実験の失敗など様々)
レシピの所有状況:いくつかのレシピを持ち逃げした研究者、レシピの半分を他人に託した者、レシピを回収した現代の男性の探索者、机の裏(探
            索者によりレシピ内容は当校に譲渡済み)。

■名も無き旅団については以下。
100年前の紫表紙の欠けた文章は“我々は消えてしまう”であり、言葉通り命を失うと取れるが、そのままの意味として受け取るべきかは不明。
役職も判明し、紫は団長、青は語り部となる。現在回収済みの3冊の筆者名も判明した。
100年前の紫はモギス、80年前はグルダ、百年前の青はシュリとなる(それぞれの人物については要調査)。
彼らが魔法中毒者と出会った事が日記やサイコメトリにより判明した。仲良く雑談をした模様。それと共に新たな情報有り。

 新たな情報については下記となる。

・旅の目的地は近くて遠い場所であり彼らが決める訳では無い。
・話し手が自分の前任者の体験した事をまるで体験した事のように話す(自分と前任者の区別は付いている模様)。
・何らかの精神体が取り憑いているという可能性有り(調査要)。
・旅はしなければならない事である。

■正体不明の魔術師については以下。
魔力に対して身体が拒否反応を起こす魔法中毒者が存在し、例の魔術師に遭遇した事がある。それ故憧れを抱き、何らかの実験をした模様。
最後の事件終了後、姿を消す事が判明。ただし、経年後再び事件を繰り返している。繰り返す事についての終了は不明。
誕生とイルミンスールでの発生理由や目的については未だ不明(何らかの伝説があるのではと提言する者有り、調査要)。
凍結後、粉砕するのか封印の形を取るのか再生や解除の恐れは無いのか何かに利用するのか調査をするのかなど決定されていない問題や不安要素有り。

今回、収集された情報の確認作業は現在も続行中だが、報告は以上である。

===