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王子様とプールと私

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王子様とプールと私
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 イーオン・アルカヌム(いーおん・あるかぬむ)は、上品なワンピースの水着にパレオを巻いたセレスティアーナ・アジュア(せれすてぃあーな・あじゅあ)とプールに来ていた。
「大盛況のようだな。今日は遊び尽くそうではないか!」
 久しぶりにのんびりと遊べるのか、セレスティアーナはワクワクとした表情を浮かべている。
「そういえば、セレスティアーナは泳げたのだったか?」
「……うむ、泳げないことはないぞ」
 セレスティアーナはそう言うものの、どう見てもそこまで得意そうではないな、とイーオンは勘付く。
「それならば、のんびりと水泳教室と行こうか」
 イーオンがそう提案して、二人は普通のプールの端で泳ぎの練習をすることにしたのだった。

 と言うわけで、早速息継ぎの練習をしているわけだったが。
「……ぷはぁっ! 上手く空気が入ってこないではないか!」
 セレスティアーナが息を吸おうとすると、どうにも沈んでしまうらしい。 
「少しいいか」
「う、うむ。何だ?」
 セレスティアーナが恥ずかしがらないように断ってから、イーオンはセレスティアーナの腹を触って浮かせた。
「なっ、何をするのだ!!」
 真っ赤になりながらも、セレスティアーナはあまり暴れずにじっとしている。
「こうして体は真っ直ぐにしたまま、顔だけ横を向けると息継ぎがしやすいはずだ」
「そ、そうなのか?」
 イーオンの支えもあり、今度は上手く息継ぎをしながらセレスティアーナは泳ぐことができた。
「次は支えないので、自分で頑張ってみると良い」
「任せておくがいい! はーっはははあっ!」
 セレスティアーナは多少緊張した面持ちながらも、今度は自力である程度泳ぐことができた。が、途中で足にパレオがまとわりついて来て気になったらしく、泳ぎを止める。
「む、何だまったく! 巻き付いてくるでない!」
 パレオを邪魔そうにするセレスティアーナを、イーオンは微笑ましそうに見ていた。

 こうして泳いだりのんびり浮かんだりしながら、イーオンとセレスティアーナはプールを楽しんだ。
「喉が渇いたな。セレスティアーナも何か一緒に飲まないか?」
 遊んでいる間にも、イーオンはセレスティアーナがはしゃぎ過ぎないよう、体力と水分補給に気を配っていた。
「そうだな。少し休んでからまた目一杯遊ぶとするか!」
 目一杯楽しもうとする、笑顔のセレスティアーナを見て、イーオンは愛おしさを感じる。二人は売店に向かって、歩き出した。