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架空大戦最終回 最後は勇気で!

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架空大戦最終回 最後は勇気で!

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03 国軍の意地 2

「今まで大物ばかりだったのは、やはり兵力の温存だったか……それにしても、よくもまあこれ程の頭数を揃えたもんだな、人海戦術ってのは万国共通らしいな」
 飛空艇部隊の天城 一輝(あまぎ・いっき)は、そうつぶやくと滞空モードに切り替えた。
「こちらローザ。サポートお願い!」
 そしてローザ・セントレス(ろーざ・せんとれす)の通信とともに、一輝は地上スレスレを飛行するローザの飛空艇に群がる敵に向かって、上空から一斉射撃をする。
 相対するのは湯上 凶司(ゆがみ・きょうじ)率いるエクス・ネフィリム(えくす・ねふぃりむ)ディミーア・ネフィリム(でぃみーあ・ねふぃりむ)セラフ・ネフィリム(せらふ・ねふぃりむ)のネフィリム三姉妹とその配下の量産型ネフィリムシリーズで、その軍勢は雲霞の如き大量のネフィリムたちで、まさしく一輝の言う人海戦術であった。
 上空からの斉射で量産型がいくつかやられるが、ネフィリムたちは損害を気にせずにローザに攻撃を仕掛ける。
「覚悟してよね、ばらっばらにしてあげる!」
 エクスがそう言いながらブレードを振り上げたところを、ローザは一気に上昇して難を逃れる。
 だが急激な気圧の変化に鼓膜を炒めたところに、対空射撃が一斉に飛んできて慌てて回避行動をとる。
「ローザ、敵を誘い込め」
 ユリウス プッロ(ゆりうす・ぷっろ)の指示を受けて、ローザは撤退するふりをしながらネフィリムシリーズを誘い込む。
 そして、ネフィリムたちはユリウスが瓦礫やらなにやらで築いた迷路にまんまと誘い込まれた。
「いまだ!」
 そして、一輝がそのネフィリムたちに上空から集中射撃を行う。ネフィリムたちはバタバタと倒れていくが、その無限にも等しい物量の前では、焼け石に水に等しかった。
 そんな中でたまたま戦闘に巻き込まれたメイドのコレット・パームラズ(これっと・ぱーむらず)は右往左往しつつも兵士たちを励ましていた。
 一方その頃
「やあ、僕は国軍のイエロー・ユイだ。前々回から引き続き任務で学校に居る。勇者が新たな力を手に入れている時は『ヘルガイアの姫』の代わりに乗ってくれる相方が居なかった。だが、昨日お稲荷様が食堂に居ると聞いたな。とりあえず油揚げを献上しよう。そして僕に化けてイコンに乗ってくれるよう頼んでみる」
 そんな説明セリフで松本 恵(まつもと・めぐむ)が登場する。
「女か。性別はそのままで良いから僕に化けて」
「了解よ」
 二つ返事で狐が頷いて、ユイは愛機ジェネシスディステニーに登場した。
「ジェネシスデスティニー、出る!」
 そして出撃すると、ちょうどネフィリムたちが国軍基地に迫ろうとしているところだった。
「デスティニーシステムを起動。運命を予知して、それを覆す! ……このままだと基地が落ちる!?」
 それを悟ったユイはネフィリムたちをターゲットに定める。
「ターゲット、ヘルガイア! ツインスレイヤーライフルで障害を取り除く!」
「ツインスレイヤーライフルじゃ斜線軸上の敵しか撃てないわ」
 お狐さまこと黄瀬 春香(きせ・はるか)がそういうので、ユイは
「なら、どうするの?」
 と尋ねてみる。
「そのライフルは二つに割れるの?」
「割れるけど?」
 春香の質問にそう答えると、春香はとんでもない答えを出した。
「ならそれを二つに割って……ビームをヘルガイア本隊にシューッ!」
 ツインスレイヤーライフルが、2つに割れる。
「行くわよ、ローリングスレイヤーライフル!」
 そして、それを両手に持ってくるくる回転する。それによってネフィリムの大半を討ち果たすことができた。
「ひっ!? う、うそでしょ……ぼ、ボク………イヤァァァ!?」
 エクスが悲鳴を上げながら爆発四散する。
「きょ……キョウジ様、支援を! もうダメです!」
 ディミーアがそう叫ぶが、キョウジもすでに落ちていた。
「そ、そんな……ネフィリムシリーズが………あっ、あぁーっ!」
 セラフがそんなやたらと色っぽい断末魔を上げて撃墜される。
「エネルギー切れだね。後は勇者に全てを託し、後退するよ」
 ユイはそう言って基地に帰る。
 だが、ユイの攻撃は敵のみならず見方の飛空艇部隊や艦艇、艦載機や市街地なども破壊していたため、帰ってくるなり憲兵隊に拘束されることとなってしまったのであった。