リアクション
目次
第1章 アリスに負けるな避球大会
第2章 ハイナと良きかな御食事会
その日、葦原島上空にはどんより厚い雲が在った。
雨こそ降っていなかったものの、光はさっぱり届かない。
「来たでありんすな……」
灰色に包まれるグラウンドで、2人が対峙する。
待ち受けていたのは、ハイナ・ウィルソン(はいな・うぃるそん)率いる葦原明倫館チーム。
「ふんっ……」
たいして、アリス・ドレイシア率いる忍者達が校門をくぐった。
漂う異様な雰囲気は、これまで蓄積された恨み辛みだろうか。
「両者、お並びくださいませ」
そして葦原房姫(あしはらの・ふさひめ)が、試合を取り仕切る。
イチバン中立を保てるであろうと、アリスが指名してきたのだ。
「これよりドッジボールの試合を開始いたします、礼を……」
堂々たる挨拶ののち、双方はフィールドへと歩み入る。
いよいよ、運命の決戦が始まった。