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■そして、結末へ

「うどん教団、また戦力を増やしやがったですぅ!」
 魔王エリザベートは魔王城の玉座の間で入ってきた情報にイラつきを隠せない。
 てっきりオリジナルの自分が攻めてくると思ったのだが、第三勢力にここまで苦汁を飲まされたのだ。
「ええい、全戦力を投入しやがれですぅ!」
 怒鳴る様に喚き散らすと、配下のゴブリン達は慌てて部屋を飛び出していった。
「全く、使えない奴らですぅ!」
 どかりと玉座に座り込み、頬を膨らませる。
 しばらくムスッとしていた彼女だが、部屋のドアがゆっくりと開き始めているのに気付く。
「なんで戻ってきたですぅ!」
 勝手に戻ってきたのか、そう思いながら怒鳴る彼女だったが、扉の先に居たのは魔物達ではない。
「待たせたな、ですぅ!」
 勢いよく開け放たれたドアから現れたのは本物のエリザベートだ。
「残念、優秀な生徒達が今頃ぶちのめしてるですぅ!」
 しかし、それを見て魔王は笑う。
「1人で来るとは愚かですぅ! 魔王は全て手の内は読んでるですぅ!」
 だが、エリザベートは動じない。
 自分の一から育てなおしてくれた彼らの為にも、目の前の魔王の為にも負けるわけにはいかなかった。
「さぁ、決着をつけてやるですぅ!」
「ふはは、かかってきやがれですぅ!」
 今ここに、勇者エリザベートと魔王エリザベートによる最終決戦が始まった―――。



「まさか、剣を使うとは思わなかったですぅ……ぐふっ」
 ぱたりと倒れこむ魔王。
「校長を舐めるな、ですぅ」
 そうは言うが、本人も息が切れている。
「……とどめを刺すならさっさとやりやがれですぅ」
 すでに魔王には覇気がなく、抵抗する気はないようだ。
「遊びは終わりですぅ、さっさと立ちやがれです!」
 ぶっきらぼうに手を差し伸べるが、コピーはそれに戸惑い手は空中で止まったままだ。
「……久しぶりに楽しめたですぅ」
「こっちが準備したやったおかげですぅ!」
 コピーは言い返しながら差し出された手を握り返す。
「口の悪いコピーですぅ」
「うるせーですぅ!」
 2人は手を取り、立ち上がった。


■現実世界

「驚きましたよ、まさか校長がコピーを消滅させず。 それどころか精神世界の管理者として認めてしまったのですから」
 魔術式催眠型学習装置の不具合は解消、システム内に管理者が生まれた事で常時起動状態にあっても問題ない状態となっていた。
 そして正式に稼働した装置は新米生徒の学習及び疑似戦闘、訓練を体験する事で実際での育成に大いに役立っている。
「それじゃあ、私は遊びに行ってくるですぅ!」
 突然慌ただしくなったと思うと、エリザベートが教師達の静止を振り切って装置を起動しようとしていた。
 彼女は事件が発生してから、時間が取れる度に精神空間に遊びに行くことが増えた。
 技術者やほかの教師達がエリザベートを止めようとするが、彼女は装置の中にもぐりこみ、勝手にシステムを起動してしまった。
「……まだまだ校長も子供という事でしょうかね」
 コンソールにはシステム異常無しと表示されていた。

担当マスターより

▼担当マスター

蘭鈴六

▼マスターコメント

参加いただきました皆さん、ありがとうございます。蘭鈴六(らん すずろく)です。

精神空間で初期レベルに戻ってしまったエリザベート校長が自分のコピーというお話でしたが、如何でしたでしょうか。
初期レベルに戻ってしまったエリザベート校長はいつもよりもしおらしく、抵抗もできないはずなのに私自身を振り回してくれました。
コピーに関しても同様でした。

アクションに関して、皆さんが積極的に彼女を鍛えなおしてくれ、戦術までも叩き込んでくれたおかげで無事に事件は解決しました。
そして、私自身も皆さんのおかげで楽しく執筆をさせて頂くことができました。感謝しております。

次回のシナリオに関してはまだ未定ではございますが、次もご参加いただけると幸いです。

▼マスター個別コメント