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“蛍”シリーズ【第七話】、【第八話】、【第九話】、【第十話】

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“蛍”シリーズ【第七話】、【第八話】、【第九話】、【第十話】

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 同時刻 空京大学付近
 
『団長に手出しなんて……させないっ!』
 盾竜・改のコクピットで董 蓮華(ただす・れんげ)は戦い続けていた。
 相棒のスティンガー・ホーク(すてぃんがー・ほーく)はもはや何も言わず、操縦のサポートを続ける。
 
 庭坂 まりあ(にわさか・まりあ)国吉 遥(くによし・はるか)が乗る彩竜。
 そのサポートを受け、盾竜・改は不可視の障壁の隙間へと砲撃していく。
 
 ファンクスで幾つもの敵機をハチの巣にし。
 ミサイルで次々と敵機を爆破していく盾竜・改。
 
 迫り来る敵をすべて殲滅した後、サブパイロットシートのスティンガーはメインパイロットシートに座る蓮華へと声をかけた。
『やったな、蓮華。これでひとまずは安心だ』
 だが、返事はない。
 
 ――気絶しているのだろうか?
 そう思って彼女を見たスティンガーは絶句する。
 
『ッ……!』
 
 思わず落涙しそうになるのを必死に堪えるスティンガー。
 蓮華は気絶してなどいなかった。
 
 目は開き、というより開いたまま微動だにせず蓮華はシートに座っていた。
 瞬き一つも微動だにせず、ただ座り続ける蓮華。
 
 きっと、スティンガーの声も本当に聞こえていなかったのだろう。
 スティンガーに激しく身体を揺すられても気付かない。
 
 まるで彫像のようになってしまった蓮華。
 その身体を、スティンガーはじっと抱きしめた。