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アリサ・イン・ゲート -Rest Despair

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アリサ・イン・ゲート -Rest Despair
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リアクション

「ようやく、発注がおわった」
 御神楽 陽太(みかぐら・ようた)は宝石店のデスクで注文書の確認を終えて一息ついた。
 ノーン・クリスタリア(のーん・くりすたりあ)に頼まれて宝石店に搬入される大量の機晶石の納品確認とさらなる発注数の確認をしていた。
 今回はいつもよりも多い注文のためノーン自らの搬入と運搬に店を開けている。接客はバイトが行っているが、責任者代理として椅子に座っていた。
 コーヒーを一杯片手に、窓を除いているとバイトのコルセアが彼を呼んだ。
「デスク。お客様です。外でおまちです」
 中にはいらず外とは珍しい客もいたものだと、陽太はデスクから離れた。
 外で待っていたふかしタバコのミナミ・ハンターが「よう」と手を上げる。
 なるほど、喫煙のため入店を避けたのかと陽太は納得する。
「アノ子達はいないのか? 頼まれていたモノを届けに来たのに」
「何かそちらの会社に注文していましたか?」
「幼児用の玩具だよ。一人遊びの危険行動防止つきの。そっちの世界の材料で作った特注品。帰ってきたら渡しといてくれ」
 陽太は渡された箱を見て、これが自分の子どもに贈られるものだとすぐに分かった
「ありがとうございます」
「なんでお礼を言うんだ? まあいいや」
 ゲート装置のブザー音が響く。ノーンが{ICN0003309#オクスペタム号}に乗り帰ってきた。
 装置をくぐり終え、船体を停泊させるとこちらへとかけてきた。
「おかえりノーン」
「陽太タダイマ! ミナミ博士こんにちは!」
「こんにちは。なんか大掛かりな運搬してるわね。何運んでるか教えてくれる?」
 船内から下ろされていくコンテナに興味があるミナミにノーンが答える。
「カリフォルニウムっていうやつ!」
 子どもからとんでもない放射性元危険物の名前を聞いてミナミは煙にむせた。
「な、なんでまたそんなものを……」
「世界を救うためだもん。ちょーっと高かったけど」
 ノーンは初め【第三世界】で消えたカリフォルニウムを探していた。
 しかし探している途中で考えが変わった。そのカリフォルニウムはパラミタにある天然原子炉にて生成されたものだとどこかの誰かが言っていたのを思い出したのだ。
 行方が分からないものを闇雲に探すより、パラミタにあるその天然原子炉を直接抑えてしまおうと考え、そして実行した。
 原子炉を探し当て、土地を買取り、そこに精製プラントを建てることにしたのだ。今はマダ仮組みのプラントなので、ノーンが直接原子炉に入りカリフォルニウムを採取するというぞっとするような手法をとっている。
 なお、天然原子炉の土地買収だけで2兆円はかかっていたことは陽太には内緒だ。
 コンテナの搬入にはバイトに吹雪がライトスタッフを回していた。
 そしてもう一人のバイトのイングラハム・カニンガム(いんぐらはむ・かにんがむ)が消えた体を体現させた。
「よ、ようやくあの空気から開放されたぞ……! 世界よ、我は帰ってきた……!」
 第一声は歓喜の声だった。
 吹雪が言う。
「今までどこにいたでありますかタコ! 防衛戦のときいなくて大変だったであります」
「何を言う! 我はアノ場にちゃんといたし、ちゃんと補給役として働いていたぞ! 発言だって「――空気が苦しい」としておる! ただあまりに我にそぐわない真面目な空気のため「」も名前も消え去っていたがな!」
 いいわめく二人をノーンが叱る。
「こらーバイト! ちゃんと働いてよ! 危ないもの運んでいるんだからしっかりと警備してよ!」
 叱られておとなしくなる二人。
 ミナミはイングラハムを見て言う。
「ちょっとその体興味がわいたわ。ラブ子呼ぶから解剖させてくれない?」
「や、やめるのだ! 活造りにされるのはいやだ――!」
 再びイングラハムが消えてしまった。
「冗談なのにーぷぷぷ」
 陽太が言う。
「タバコも消えたようですし、中にはいって話しましょう。ノーンも」
 陽太、ノーン、ミナミは店内に入り。今後彼らがこの世界のために何をしようとしているのかを話した。